「まだぼく、18歳ですよー、って、エーッ!」


 特別支援学校の今どきの身体障害の後輩に、『好きな人がいますか』と訊いたところ、「まだぼく、18歳ですよー、まだ早すぎますよー!」と答えが返ってきました。こちらは、「エーッ」と驚いてしまいました。18歳といえば高等部を卒業しているはず。青春、真っただ中ではないか。好きな人がいたって不思議はありません。こうした人ばかりではないと思いますが、そういう普通のことが、なにか一歩実生活から奥に入り込もうとすると、障害者の世界は制約がかかる気がします。
 「障害者差別解消法」というけれど、差別を感じている人もいれば、差別を差別と感じることがない人も存在しているように思います。障害者はまわりの人に影響されやすい、だまされやすく、だまされた時に対抗できない、だから、守ってあげなきゃならない。そんな周囲の親切が壁を作ってしまい、世界をせまくしてしまうような気がしてなりません。障害者の人生って、家族と福祉関係者だけでいいのでしょうか。


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