もっと、知ってもらいたいな


 知り合いの身障者のお母さんに久しぶりにお会いしました。「会えてよかったよう、何年ぶりかねえ」と懐かしがってくださいました。「うちの子がね、横浜の水族館に新幹線で行ってね、帰ってきて、自信をつけ始めたようなんですよ」と、本当に嬉しそうに話されて楽しそうに微笑まれました。それはなにより、よかったですね、と言ったところ、「三島駅があんなに使えるとは、驚きました! エレベーターに、エスカレータがあの、こう、変形して、あっ、ホームもスロープでね、大丈夫でしたよ」。高等部を卒業して25年ほど経っているはずですが、母子で、「どこかへ行こうか」と言うと、「いいよ、お母さん行ってきなよ」という返答ばかりだったそうです。それが今度はヘルパーと行ったということで、よい成果が上がったのです。障害者の親御さんが、世間の便利さを知らないということに驚きました。でも、わたしの母にしてもやはり同じ反応かなと思い、苦笑いです。



「コラム・エッセー」へ