昭和の事件―あさま山荘事件とカップヌードル


昭和47(1972)年冬、長野県あさま山荘たてこもり事件、現場は平均気温マイナス15度前後の寒さで、機動隊員たちのために手配した弁当は凍ってしまいました。地元住民が炊き出しを行い、地元の隊員に温かい食事を提供したが、最前線の警視庁隊員には支給できなかったといいます。やむなく当時販売が開始されたばかりのカップヌードルが隊員に配給されました。手軽に調達・調理ができた上に寒い中、長期間の勤務に耐える隊員たちに温かい食事を提供できたため、隊員の士気の維持向上に貢献したといわれています。テレビ中継でカップヌードルを美味しそうに食べる隊員達の姿が映像に映り、同商品の知名度を一挙に高めました。カップヌードルの売上は発売開始時の1971年には2億円だったのに対して、事件後の1972年には前年比33.5倍の67億円になっています。


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