「静岡に見られない都心の姿」


 中伊豆リハセンターにいた時に、「東京の入所者はどんどん自分で家に帰って行くけれど、静岡の入所者は親が迎えに来るまで待っている」と指導員に言われたものでした。このことがやっと理解できました。先日、東京都心に列車で行って、乗客の多いこと、多いこと。路線の駅のホームのアナウンスが乗り遅れた乗客に、「次の電車にお乗りください!」と言っていました。それから何分もしないうちに次の電車が来ます。また駅の数が多くて便利に思えました。1.5kmくらいごとに各駅停車。自動車より電車の方が移動に、ある面便利かもしれません。ですから、移動手段として身体障害者なら電動車椅子が操作できるくらいでどこでも行けることになります。そういった生活習慣が、レールの続く伊豆まで延びたとしても不思議ではありません。親を当てにすることなく、打って出た都心に住む障害者たちに見習うことがあるように思います。

「エッセー」へ