「秋といえば―目黒のさんま」


 
馬で目黒に野かけに出かけられたお殿さま、走りに走った後、空腹を覚えられ、さんまを焼くにおいに誘われ食したさんまの美味しいこと、美味しいこと、後日、ご親戚に招かれて、さんまを所望すると、お吸い物としておわんで出てくる、
脂は身体に悪いと抜いてある、
骨は刺さちゃ大変とばかり、
毛抜きで小骨まで抜いてある、
それでお殿さま、一言、
「さんまは目黒に限る!」。
   え〜っ! お後がよろしいようで。


「エッセー」へ