「「幾年経るとも 要心あれ!」」


311大震災岩手県宮古市姐吉地区で観測された津波の高さが38.9メートルに達し、観測史上最大規模になりました。その一方でこの地区での住宅被害が無かったことがマスコミに取り上げられています。その理由は「先人の教えを住民が守ったから」です。この「先人の教え」は姉吉地区の海岸から高台へ伸びる坂道の途中に建つ石碑に刻まれています。

その石碑には、こう刻まれています。「高き住居は児孫に和楽 想へ惨禍の大津浪 此処より下に家を建てるな 明治九年にも 昭和八年にも 津浪は此処まで来て 部落は全滅し 生存者は僅かに 前二人 後に四人 幾年経るとも 要心あれ」

今回の大津波、恐らく慰霊碑という物があちこちに建てられることでしょう。しかし、後世のためにこのような「先人の教え」として然るべき場所に刻むことも必要になることでしょう。



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