(なんでこんなこと言っちゃったんだろう!?) 前田雪野はそう思ったが後の祭りであった。 宮島要は一瞬驚いた表情をしたがすぐににっこりと人の良さそうな笑みを浮かべた。 「おれも前田ちゃんのこと友人としては大好きだよ。」 「それって"そういう意味"では好きじゃない、っていうこと?」 要は静かに笑っていた。 つまり「イエス」ということだろう。 雪野の中にはもちろんふられたショックもあったが、逆にその答えを予想していた部分もあった。 「好きな人、いるの?」 自分よりだいぶ長身の要を見上げながら雪野はひとことずつかみしめるようにたずねた。 「ま、一応。」 要の顔は笑っていたが眼鏡の奥の目はそうではなかった。 「誰?」 「なんでそこまできくの?」 「それは...」 逆に返された質問に雪野は止まってしまう。 なぜなのか自分でもわからない。 でも、"それ"を知らなければいけないように雪野は感じていた。 そして、ここで下手なことを言えば要の答えが得られないことも...。 「それはね...わたしのことふってもいいくらい要くんが好きな人って誰なのかなぁ、と思って。」 「ほんとに?」 (やっぱりだめか。) 要にはしっかりと見抜かれている。 「ただ..."知りたい"っていうのじゃだめ?」 「前田ちゃんらしいかも。」 また要は笑った。 雪野はそんな要をじっと見つめている。 要も笑みを残したまま見つめ返した。 雪野も目をそらさない。 いつのまにか要は真剣な顔になっていた。 それでも雪野は要から目を離さない。 .........。 漸く要はため息をつきながら目をそらした。 張りつめた空気が消えたことで雪野も息をついた。 「じゃあ、前田ちゃんにだけ特別ね。」 要は笑っていたが、雪野はまだ緊張した表情を消せない。 今からとても重大なことを聞いてしまうような気がした。 心臓のドキドキが身体中に響いている。 「おれの好きな人はね...天だよ。」 ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ しょっぱなからこんなですみませんm(__)m(←キャラ紹介をチェック済みの皆さんへ) 目標は江國香織さんの『きらきらひかる』です^^;(恐れ多くも!!) [綾部海 2003.10.11] |