※このお話は「Smoke Gets in Your Eyes」(100のお題004.マルボロ)を読んでからお読み下さいm(_ _)m

004.マルボロ・おまけ
MIDNIGHT 2 CALL

Trrrrr...

『もしもし。』

「...まゆ?」

『違う人が出たらどうしようかと思ってた?』

「...」

『よく番号覚えてたね。』

「あ、携帯のメモリーに入れっぱなしだったから。」

『そう言われれば、私もそのままだった。』

「...今、酒井は?」

『お風呂入ってる。まだかかるんじゃないかな。』

「...今日、酒井に俺がお前にしたことを許せないって言われた。」

『...そう...』

「ほんとは、ずっとおまえに悪いと思ってたんだ...でも...あの時、俺はああするしかなかった...」

『私も悪かったんだからおたがいさま。気にしなくていいよ。』

「...まゆ、おまえ、"あの頃"よりなんかしっかりしてないか?」

『そうかな?』

「......あいつがそばにいるから?」

『さぁ、どうかな?』

「...」

『あ、そういえば、てっちゃんのこと好きな子がいるんだって? こうちゃんに聞いたんだけど。』

「な!? あいつ、よけいなことを...!!」

『で、てっちゃんはどうなの? その子のこと、どう思ってるの?』

「おまえ、野次馬根性まるだし...それに、そいつは"生徒"なんだぞ。」

『でも、ほんとに"生徒と先生"なのはせいぜい3年間じゃん。』

「...おまえが言うとなんか重みがあるな...」

『なにそれ!?』

「だって...まさかおまえが酒井とつきあっているんなんて...俺、田中先生からおまえらがいっしょに住んでいるってきいて心臓飛び出るかと思ったぞ!!」

『そ、それは...いろいろあったの!!』

「...まったく...」

『まぁ、てっちゃんもその子に対する気持ち、自分の中だけでもはっきりしといた方がいいよ。せっかく自分が"その気"になったのに向こうが勝手にあきらめて彼氏作っちゃうのも哀しいし...』

「"経験者は語る"ってやつか?」

『ち、違うって!! それにその子も望みがないのにいつまでも想い続けるのもかわいそうだしね。』

「なんか付け足しくさいぞ。」

『と、とにかく!! 女の子泣かしたりしたらだめだからね!!』

「...酒井にも同じこと言われたな...」

『そうなの?...あ、そうだ!!』

「何?」

『こうちゃんがね、"てっちゃん"って呼ぶのやめて欲しいって言ってたんだっけ、忘れてた...。じゃあ、今度から"杉本くん"って呼ぶね。』

「...その呼び方、大学以来だな。」

『だから、"杉本くん"も今度から私のこと名前で呼んじゃだめだよ。』

「了解。」

『そうそう、それから、タバコ吸いすぎないようにね!!』

「はいはい。」

『あ...こうちゃん、お風呂上がったみたい。』

「じゃあ、そろそろ切るよ。」

『うん、電話ありがとう。 ひさしぶりに話できてうれしかった...あれ? そういえば、なんで電話してくれたの? なんか用事あった?』

「あ、別に...」

『そう?』

「...酒井としあわせにな。」

『うん。てっちゃんもがんばってね。』

「"てっちゃん"?」

『あ...』

「ちゃんと気をつけろよ。じゃあな。」

『うん、じゃあね。』

Tu-tu-tu...

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あえて"会話だけ"で。(手抜きじゃないですよ^^;)
タイトルはASKAさんの曲から。("真夜中に別れた恋人から電話が来る"というのがぴったりだったもんで)
それにしても、"途中の描写"(会話以外の部分)がないってめちゃくちゃ楽かも...(おい!!)
[綾部海 2004.3.5]

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