12月のある日の昼休み。 加奈の言葉に沙也と鈴は揃って手にしていた箸や紙パック入りのお茶を落としそうになってわたわたとなった。 そんなふたりの様子に加奈は首を傾げながらも話を続けた。 「去年はうちでパーティしたでしょ。今年はどうする?」 その言葉に沙也と鈴はほっとした顔になり、加奈はさらに首を傾げた。 「わたし、24日、部活があるんだよねぇ…」 「わたしもちょっと…」 なんとも歯切れの悪いふたりの言葉に加奈はふうっと息をついた。 (註:沙也も鈴も自分の"恋人"のことは他のふたりには内緒にしております) 「それじゃあ、今年は無理かぁ…」 「あ、あ、でも…!!」 とてもさびしげな表情の加奈に沙也はあわてて口を開いた。 「部活終わってからなら、ちょっと遅くなっちゃうかもしれないけど…!!」 「あ、うん!! わたしも用事、夕方で終わるかもしれないし…!!」 一生懸命なふたりの様子に加奈は思わず笑ってしまった。 「それじゃあ、一応、準備しておくね。」 にっこり笑顔の加奈に沙也と鈴はまたほっとした顔になった。 「あ、でも、もしだめだったらちゃんと連絡してね♪」 なんだか"すべてお見通し"という感じの加奈にふたりは笑ってごまかすしかなかった。 |