廃棄することが常識だった不純物40%の容器から
アルミ成分だけを抽出
 山一金属のアルミ缶リサイクル技術は、使用済みのアルミ缶(UBC)を破砕 し、鉄・銅などの金属や砂などの不純物を除去、さらにUBCに付着している印 刷用の塗料を剥ぎ落としてペレット「ヤマイチペレット」状に固めるという独特 の乾式精錬法(特許1625147号)に基づくものです。通常の直接溶解法による再 生に比べて歩留まりが90%以上(通常は75%程度)と大幅に高いうえ、消費エネ ルギーが少なくて済みます。さらに当社では、従来は不可能と考えられていた食 品容器用アルミ箔や使用済みペットボトルのキャップなどからアルミ成分だけを 抽出する新システムを開発、プラントを稼働させています。
 アルミ製容器包装物の中で、アルミ缶はすでにリサイクルすることが当たり前 になっていますが、アルミ箔やアルミキャップは、再資源化技術がないために、 年間7万トン(アルミ分)のほとんどが埋立処分や焼却処理されていました。仮 に、これらの全てをリサイクルできたとすると、約126億円(新塊18万円/トン で換算)ものアルミを作ることができるのです。
 箔やキャップが回収されず、埋立・焼却されていたのは、箔やキャップには 40%以上も樹脂が複合されているためです。既存の炉で溶解すると、急激に樹脂 が燃焼し、発炎・発煙・アルミ酸化などの問題を起こすことが最大の原因でし た。また、塗料成分がアルミに不純物として混入することや、歩留まりが非常に 低いことなども原因となっていました。
 前述したように、当社では特殊なアルミのリサイクル技術を有しています。箔 とキャップの再資源化にも、この技術を応用しました。その方法とは、箔と キャップを任意の大きさに切断し、定量的にアルミ缶とともに、ロータリーキル ンへ搬送、酸化を防ぎながら焙焼して、塗料成分の除去を行い、造粒によって顔 料・炭化物を除去するものです。特筆すべき点は、樹脂成分を「サーマルリサイ クル」に利用して、アルミの「マテリアルリサイクル」を可能にしたところで す。もちろん、樹脂成分は焙焼するので、ダイオキシンなどの環境問題に対して も十分な注意を払っています。