異所性尿管の克服 2002.6.1 新たな戦い 以前から気にはしていたおもらしの件で、今日は精密検査をすることにしていた。 チョコを先生に預け、私達は一度帰宅した。 何でもなければそれにこしたことはない。 夜7:00約束の時間にチョコを迎えに行く。 診察室に入ると、その雰囲気、山のようなレントゲン写真から、ただごとではないと気づかされた。 診察の結果は、先天性奇形・異所尿管症と判明。 2本ある尿管のうちの1本が、膀胱に入らずそのまま尿道に沿って体外へ排出されてしまっていたのだ。 それに伴い、水尿管、水腎症などを併発してしまっていた。 すでに左の腎臓、尿管は機能していないのではないか、ということであった。 結論から言うと、手術しなければならない。 しかし、手術の方法を先生もまだ決めかねている。 当院では手術できないかもしれないといわれたが、真っ直ぐにその真実を、その言葉を言ってくれた 先生を信じ、全てを任せることにした。 子犬に遺伝しないように、子犬は生ませないようにと言われたのは辛かったが、 チョコさえ元気に走り回ってくれれば、それで良い。 チョコが悪い訳ではない、いや、誰が悪いわけでもないのだ。 チョコは我が家に来たから幸せだ。 そう言って貰えるように、今日からまた新たな戦いに正面から挑む。 2002.6.2 チョコは昨日、動物病院に預けられた事が、かなり不安だったらしい。 今日は朝からずっとストーカー状態だ! トイレに入ると、じっとドアの外で待っている。 油断するとトイレの中までついてくる始末。 それでも昨夜に比べるとかなり元気が出てきた。 それなら手術までの間、出来る限りDISC練習しておこう。 薬のせいかすぐに疲れてしまう。 気のせいか、走るスピードも落ちているような気がする。 結局今日は一度もキャッチ出来ずに練習を終えた。 いつの日か、必ずチョコと大会に出たい。 2002.6.8 チョコの診察結果が出てから1週間、先生との打ち合わせと、もう1週間分の薬をもらうために 病院に行った。 他の患者さんもいましたが、先生はいつものように優しく丁寧に説明して下さいました。 今考えられる手術方法は3通り。 どの手術にも一長一短があるとの説明。 先生もまだ悩んでいるらしい。 私は自分の思いを先生に告げ、後は全て先生の判断に任せることにした。 来週土曜日、もう一度診察した後、これからの日程を決めることになった。 手術以外方法はないのだが、今の私に出来ることは、今の薬で少しでも改善方向に向かっていることを 願うだけだ。 今日は久しぶりに1日中チョコと一緒にいられる。 散歩に行こう。 リードを見たチョコは大暴れ。 早速いつもの散歩コースへ。 時間が少しずれるだけで、他の犬や人が全くと言っていいほど通らない。 じゃぁ、ノーリードで・・・。 解放されたチョコは走る、走る。 これが本当に手術を待つ犬なのか? あのレントゲン写真は、 他の犬の物ではないのか? そう思わせるほどの元気の良さ。 おかげでこっちはグッタリ。 2002.6.15 しばらくの間、外を走り回るチョコの姿を見ることが出来なくなると思い、川に遊びに行った。 ノーリードということもあり、ハイテンションなチョコ。 有り余る元気を持て余すように走り回っていました。 さて手術の件ですが、20日木曜日の午後に決定しました。 19日水曜日の夜から、約1週間の入院となります。 皆さんも、無事に手術が終わることを祈って下さい。 2002.6.20 仕事を早々に切り上げ、雨の降る中、車で猛ダッシュ。 家に着くなり着替えをはじめ、みんなを乗せてまたダッシュ。 向かった先は、動物病院。 入院室に通されて再会したチョコには反応がない。 先生と話をしたいが、なんと先生は次の手術にかかっている。 看護師さんの話を聞くと、チョコの手術は4時間半もの大手術であったらしい。 予定通りの手術を行いました。 そう聞かされ、先生の手がいつあくかわからないとのことで、やむなく帰宅。 2002.6.21 昨日以上の猛・猛・猛ダッシュで帰宅。 速攻・動物病院へ。 なんと、時間外であるにも関わらず、外にまで待っている人&犬達が・・・。 とりあえず病室に。 チョコの尻尾が少し揺れてる。 でも、今までこんなにおとなしいチョコを見たことはない。 PM7:30を少し過ぎた頃、先生が病室に。 手術の内容は、卵巣と子宮の摘出。 腎臓の摘出は行わずに、膀胱を1度切開し、尿管を膀胱に縫合。 私達が1番望んだものであった。 これで手術は一応の成功である。 しかし、問題はこれからなのだ。 肥大した尿管は、少しでも元のように機能してくれるのだろうか? 腎臓は生涯、機能し続けてくれるのだろうか? この手術によって、本当におもらしは治るのか? 先生と今後の話をしているうちに、一瞬病室が暗くなり、その空気は冷たく感じられた。 しかし、すでに手術は無事に終わっているのだ。 あとは信じて待つだけだ。 病院からの帰り道、ママが『蛍見れるかなぁ』とつぶやいた。 私は心の中で、もし蛍を1匹でも見ることが出来たなら、チョコはきっと元気になるんだと、 訳の分からない願掛けのような気持ちで、近くの山に蛍を見に行った。 私は必死になって蛍を探した。 すると、次から次に光が飛んだ。 ほっとしたような、安心したような明るい気持ちで、ママに実はこう思っていたんだと話しかけると、 ママも『大丈夫!』と答えてくれた。 帰りの車、自分で自分がおかしくなった。 たとえどんな結果になっても、チョコを手放そうとかいう気持ちは全くないくせに、 何を弱気になっていたんだろう。 チョコの手術は無事に成功しました。 しばらくしたら、皆さんのところへチョコと一緒に遊びに行きます。 2002.6.22 今日もチョコに合う為に、病院まで行っていきました。 病院は今日も大忙しのようでした。 すぐに病室に入りチョコの様子をうかがうと、立ち上がって尻尾を振ってくれました。 でもすぐにバタン。 無理するなと頭をなでると、また尻尾をパタパタ。 しばらく様子を見ていると、お散歩して下さいと言われた。 病院の周りでほんの十数分の、ゆっくりとした散歩でしたが、とても長い時間に感じました。 間違いなく完全復活に向かっている。 今は、そう信じてチョコの帰りを待っている。 2002.6.29 1週間ぶりにチョコに会いに行った。 出張から戻ったら、家にいるものだと思っていたのですが・・・。 なぜ帰って来れないのかを考え、イヤ〜な気がしていたのですが会ってみるとすごく元気。 尻尾を振って応えてくれました。 病院の周りを少し散歩して様子を見たんですが、見た目には特に何も問題無し。 ところが、座ったとたんに足下がビチャビチャ。 チョコ自身の意志とは無関係に出てしまうらしい。 で、もうしばらくの入院となってしまった。 連れて帰ってくる気だったので、かなりガッカリしたけれど、先生とも話し合って決めたことなので我慢しよう。 チョコもきっとわかってくれるだろう。 2002.7.2 チョコの様子を見に行って来ました。 状況は、あまり良いものではありませんでした。 手術の時、状態の良くない方の腎臓を切除するか残すかで悩んだ結果、少しでも可能性が有るのであれば 残してあげたいとの考えから、膀胱を切開し、尿管を縫合する方法を選んだのだが、その手術方法の難しさを 今になって思い知らされている。 膀胱を切開したことにより、自分の意志で排尿しようとしないのだ。 排便の際に同時に出てしまうか、何かの拍子に排尿してしまう。 腎臓の切除を行い、膀胱の切開を行わなければ、今頃はすでに普通の生活に戻れていたのかもしれない。 どちらの手術を選択するのか、当然悩んで決めたことではあるのだが、果たして正しかったのかは 今の時点では何とも言えない。 私の選択は正しかったのだろうか? 2002.7.6 チョコが帰宅しました。 17日間の入院生活でしたが、チョコはとても良い子です。 座れ、伏せ、全てのコマンドを覚えていました。 ただ、入院前よりもかなりの甘ったれになって戻ってきました。 すぐに人に飛びつくのは早くやめさせないと。 状態は、あまり進展無しといった感じです。 自分では未だ、排尿できません。 座ったときにお尻が濡れることが多々あります。 これからまだまだ薬を飲み続け、良くなることを祈り続けます。 ちなみにチョコは、以前と変わりなく元気です。 すぐにでもDISKの練習を再開出来そう。 チョコ自身もDISKに興味を示し、追いかけたそう。 とにかく走りたがるのを押さえる方が大変。 2002.7.7 私達が家に戻ると、ベランダの一部が異常に濡れている。 しかし、ウ○チは無い。 もしかして自分で出来た? 散歩に出掛けると、ウ○チはしたけどオシッコはしない。 あれ? チョコちゃん、かなり状態が良くなってない? 一度見ているときにオシッコして安心させて! 2002.7.8 やりました。 とうとうやりました。 仕事から戻りチョコと散歩に出掛けると、量は少なかったけど自分でちゃんとオシッコできました。 その格好も、ちゃんとオシッコポーズ。 間違えなく回復しています。 お腹の毛はまだまだだけどね。 2002.7.11 完全復活したチョコ。 以前のように、タオルを持って追いかける必要がない。 おまけに、昼寝のたびにベランダに出されていたのが、畳の上でお昼寝。 元々性格がよい子だけに、何も手が掛からなくなってしまった。 家の中では絶対に吠えないので、時々何処にいるのかわからない時がある。 あとは、お腹の毛が生えそろうのを待つだけだ。 2002.7.17 退院から10日。 チョコの定期検診に行ってきました。 経過は良好。念のため、もうしばらく薬を服用する事になりました。 これからも、10日おきに健診ですが、次回には薬が1種類減りそうです。 順調ですよ〜! チョビが見守ってくれているのかなぁ〜? なんて思ったりして・・・。 2002.9.7 今年6月から、2週間おきの通院を続けてきましたが、 ようやく終わりを向かえることが出来ました。 来週で、薬も終わりです。 親切に治療を続けて下さった先生に、昼間面倒を見てくれたママに、 そして応援してくれた皆さんに感謝です。 ありがとう チョコ よく頑張ったね 応援してくれた皆さん、本当にありがとうございました。 元気になったチョコと、皆さんの所に元気に遊びに行きます。 これからも、宜しく御願いします。 |