上伊那郡辰野町平出にある古城のケヤキに向かう。辰野中学校の校門に立ち、同校のシンボルとなっている。文化祭の名前も「欅樹校祭」というが、持ち主は学校ではなく、宮沢さんの所有物らしい。
　辰野町は伊那谷の始まりで、かっての武士団が出城として使った古城に欅の木が立っている。大きく見えるが芽吹きの時期が違うことから2本のケヤキの融合木とみられる。根元には宮沢家の祝殿が祀られている。

長野県塩尻市長畝に向かう。個人宅の庭にケヤキが立っている。古くは、数本のケヤキに覆われていたというが、現在はこのケヤキだけが立っている。ケヤキの前に「フランス文学の先駆者　弧雁　吉江喬松博士生家」の看板がある。出てきた婦人に声を掛けると、この方は博士のひ孫だそうで、奥に見える家が生家で、この方たちは左奥の家に住んで、この家は無人と言うことでした。　内部は空洞と思われ、幹の上部を青いトタンで覆っているが、樹勢は良く、枝を四方に伸ばしている。

上伊那郡辰野町小野に向かう。辰野町、塩尻市、岡谷市の３市町が境界を接する辺りにシダレグリの群生地がある。塩嶺王城県立自然公園の中にある。奇怪な樹形は天狗の仕業と考えられ、怖がって近づかなかったので、この林が残ったと言われる。「しだれ」と「頂芽が数年で枯れた後に側芽が成長する」という性質が合わさり、枝が鋭く曲がる。約800本の木が群生して、最大のものは幹周4mの巨木もある。不思議な樹形の木である。

上伊那郡辰野町小野飯沼ノ宮に向かう。飯沼コミュニュティセンターに車を止め、小道をジグザグに下り、川を渡ると、熊野諏訪神社がある。この地の手前に「飯沼のネズミサシ」が立っている。境内には5本のトチノキの巨木があり、「熊野諏訪神社トチノキ社叢」として、町の天然記念物に指定されている。本殿右後ろのトチノキが最も大きい。幹にはオシャグジデンタ（シダ植物）が着生している。拝殿前のヒノキも幹周4.7ｍある。栃の実がたくさん落ちていた。

上伊那郡辰野町平出にある法性寺に向かう。石鳥居をくぐってすぐ、両側にケヤキが立つが、左のケヤキの方が大きい。石段を上った先には左右にスギ。社殿の手前には左にトチノキ、右にサワラ。水路脇にはサワラ、林内にはモミの木などが、林立している。ケヤキは根張りがすばらしい。枝を多く切られているが、樹勢もよい。

上伊那郡辰野町平出越道に向かう。JR辰野駅の東南東800ｍ、住宅地の細い道に面して御陵塚と呼ばれる古墳がある。その上にサワラが立っている。樹下に見える小祠は中村氏の祝殿である。この平出地区には沢山の古墳が存在していたが、この御陵塚以外は失われてしまった。残されたのは、此の祝殿のおかげと案内板に書かれていた。幹の内部は空洞が広がり、コンクリートブロックを積み上げて、裂け目を覆っている。

小野神社と隣接しているが、住所は、上伊那郡辰野町小野字矢彦沢である。社殿の前に大杉が立っている。

カツラは本殿の右奥に立っている。前半分は伐採され、後ろ半分だけが残っている。以前は目通り幹囲　10.8ｍあった様だが、この様な姿で立っている。

樹高　25ｍ
目通り幹囲　8.7ｍ
樹齢　推定200～299年
辰野町指定天然記念物

樹高　47ｍ
目通り幹囲　5.5ｍ
樹齢　推定200～299年
竜野市指定天然記念物

上伊那郡辰野町辰野にある三輪神社に向かう。JR中央線辰野駅から、線路に沿って塩尻方面に向かうと、鉄道の西側に鎮座する。境内の7本のハリエンジュが辰野市指定保存樹木とされている。最大の個体は、拝殿の左奥に立っている。花の季節ならすぐわかるが、今は葉を落とし、花もつけていない。ハリエンジュはニセアカシアとも呼ばれる。

境内林は、太古からの原生林と伝えられ、「矢彦・小野神社社叢」として一括、長野県指定天然記念物に指定されている。

長野県塩尻市北小野にある小野神社に向かう。南隣する矢彦神社とともに信濃国二之宮とされている。両神社の往来に遮るものはないが、両社は別の神社で、小野神社は塩尻市であるが、矢彦神社は上伊那郡辰野町の飛び地である。ナラガシワは本殿の前に立つが中に入ることはできず、隙間から眺めた。