南足柄市三竹(みたけ)に向かう。伊豆箱根鉄道相模沼田駅の西方2㎞。標高120m程の高台に集落がある。畑仕事の婦人に道を聞いて、細い道を上がっていくと、集落があり、その先に御嶽神社があった。鳥居杉は参道石段の入り口に2本並んでいる。御嶽神社の社叢は神奈川県の天然記念物指定を受けているが、鳥居杉は含まれていない。杉はその前に南足柄市の天然記念物指定になっている。
2022.5.29
大井松田で新東名を下り、神奈川県足柄郡中井町雑色郷中に向かう。道沿いで屋台を出しているおじさんに聞くと、すぐ先の右側を入ると木があるという。駐車場に車を止めさせてもらい、細い道を入る。エンジュの木は枝落下防止の鉄の柵に囲まれ、修復したと思われる幹も剥げ、空洞がむき出しになっている。板を打ち付けその上から樹脂を塗っているようだ。痛々しい姿で立っている。全国で最大のエンジュの木を大切に保護してほしい。 エンジュはマメ科の落葉高木。中国原産で、7~8月に白い花が咲き、果実は莢状で、数珠状になる。
中井のエンジュ
樹高 30m
目通り幹囲 5.2m
樹齢 300年以上
国指定天然記念物
早川のビランジュ
小田原市早川字飛乱地に向かう。ナビで行くと、木のあるターンパイクの上に出てしまった。人に聞いて、道を戻り、アパートの駐車場の横に古びた看板が立っている道を進む。ターンパイクの下をいくと、石段が現れ、新しい看板が設置されている。ビランジュの立っているところは急斜面で、側に行くのも大変。関東以西の暖地に自生する木で、この木はその東北限にある巨木で、国指定天然記念物になっている。赤い幹肌、灰白色の古い樹皮が剥がれた後に現れる赤色の地肌である。ばくちの木ともいわれる。ばくちに負けて衣服をはがされるという意味らしい。
小田原市飯泉に向かう。酒匂川と狩川の合流点の左岸に飯泉がある。飯泉橋東詰の北に飯泉観音と通称される勝福寺がある。案内板によると、弓削道鏡が左遷されて下野に赴く途次、千代の里に建立した千葉山弓削寺に始まる。小田原市指定文化財の山門をくぐると大イチョウが立つ。かって乳イチョウと呼んで、乳の出ない婦人が願を懸けたと言われる。
樹高 14m
目通り幹囲 5.95m
樹齢 伝承600年
神奈川県指定天然記念物
勝福寺の西隣に八幡神社が鎮座する。境内は「勝福寺と八幡神社境内の樹叢」の名称で天然記念物指定を受けた。大きなコブをつけたカヤもそのうちの1本。他にも3m台のカヤの木が数本ある。
南足柄市塚原に向かう。ナビで行くと、山が一つ違うというとことに出て、親切な方が車を出してくれて、回り道をして寺まで案内してくれた。この方がいなかったら、行きつけなかったと思う。この木は22代住職が中国天童山参拝記念に植えたという。1988年時点で樹齢100年とあるので、植えたのは明治中期以降ということになる。あまりに早く伸びるので、昭和30年代に樹冠を止めたという。住職がお孫さんとキャッチボールをしていた。
長泉院のセンベルセコイア
ケヤキ
樹高 不明
目通り幹囲 5.7m
樹齢 300年以上
県指定天然記念物
樹高 不明
目通り幹囲 5.7m
樹齢 推定300年以上
苔むした石段を注意深く上ると、社殿の左手に、道路側に傾いてスダジイが立っている。途中で2幹に分かれているが、根元では1本。下りは木の横のう回路で戻った。
御嶽神社のスダジイ
樹高 41m
目通り幹囲 5.4m
樹齢 100年
南足柄市指定天然記念物
御嶽神社の鳥居杉
樹高 26m
目通り幹囲 5.6m
樹齢 推定400m
神奈川県指定天然記念物
樹高 29m
目通り幹囲 7.5m
樹齢 700年
神奈川県指定天然記念物
飯泉八幡宮のカヤ
勝福寺のイチョウ
日当たりの悪い茂みの奥に、岸壁を背に立っている。そばには小さな沢が流れている。