西浦田楽(にしうれでんがく)

2020.2.11~12

旧暦1月18日、月の出から翌日の日の出まで、厳寒の観音堂で夜を徹して行われる西浦田楽。養老3年(719行基菩薩がこの地に訪れ正観世音の仏像と仮面を作って奉納したのが始まりとされる。祭主を務めるのは別当高木家。20数人の能衆の役は代々世襲により受け継がれ、肉食を忌、不幸は関与しないなど厳しい戒律を守り続けている。演目は47番、狂言風の踊り、闇夜に炎が燃える中に浮かぶ幻想的な仮面の舞に、いつしか不思議な世界に吸い込まれていくよう。昭和51年に国重要無形民俗文化財に指定された。

浜松市天竜区水窪町西浦観音堂の祭りである。能衆が松明をもって石段を上がってくる。地能33番、はね能12番、番外2番。地能は田打ちや早乙女などの田遊びで三番叟で祝締めます。はね能は、弁慶や高砂などの能楽が演じられる。

松明の火が拝殿の神火となって灯され、かがり火に火がつくと、田楽祭りがスタートする。別当が舞う庭ならしが始まる。

高足」竹馬のようなものに乗ってはねるのだが、うまくいかないので、長老が出て来て、二人で掛け合いながらどちらが長く乗っていられるか競争する。

猿舞からは面をつけて舞う。

御船渡し」観音堂の神火を小舟に移し、20mh程離れた高さ数メートルの大松明まで綱渡しする。新野の冬祭りでも行っていた。

御船渡しも終わり日付も変わったので、田楽の里で仮眠をとることにして、観音堂を後にする。午前3時30分に起きて、「仏の舞」に間に合うように出かけることにした。夫は間にあったが、私は少し遅れていった時にはもう「仏の舞」は終わっていた。

しずめ 獅子舞いが終わると、観客は舞庭からお追い出され、ござが引かれしずめが始まる。問答をして大きな声で「帰れ」と言われるがどうしてそうなるのか良く分からない。面をつけた後、「水の王」「火の王」の面を取り出す「祓い」が行われる。「しずめ」は神々を元の場所に送り返す舞である。

太刀

庭ならし

地ならし

治部の手、のたさま、翁、三番叟と続き、「はね能」が始まる。

高砂、しんたい、梅花、観音の五方楽、山姥、しょうじょう、くらま、さおひめ、野々宮、やしま、うる舞、弁慶が舞われる。

午前7時40分に全ての舞が終わり、別当が観客に挨拶をして祭りは終わった。いつ終わったか分からないような祭りの中で、挨拶をされたのは初めてであった。

見逃してしまった「仏の舞

獅子舞

田楽の里に帰り、炬燵に入ってホッとする。冷え込んだようで、車の窓が凍っていた。あまり寝ていないが帰り支度をして帰途に付いた。