2020.9.5

河津町 下田市

河津町東大寺のチーノキ(ホルトノキ)、杉鉾別命神社の大クス、下田市白浜神社のビャクシン、八幡神社のイスノキ

東大寺のチーノキ

岡部・藤枝ICから新東名に入り、長泉・沼津ICで出て、伊豆縦貫道に入り、伊豆中央道、修禅寺道路、天城北道路を月ヶ瀬ICで出て、河津町に向かう。  河津町峰東大寺は国道414号線を右に入る。狭い道を入って、すれ違った軽自動車の婦人に道を聞くと「この先にある。」と教えてくれた。 東大寺の駐車場に車を止めると、右手に斜面に大きなホルトノキが聳えている。
杉鉾別命神社(すぎほこわけのみこと)は別名来宮神社とも呼ばれる。延喜式に名がみられる式内社で、「鳥精進」「酒精進」の行事があることでも有名。(祭神の杉鉾別命が酒に酔って野原で寝ていたところ、野火が起きて周りを囲まれてしまった。羽に水を含ませた鳥たちが飛来して炎から守ったという伝説がある。氏子たちは12月18日から23日まで酒を断ち、鶏肉や卵を食べないという。)

拝殿の左の石段を登っていくと「アオギリ群生地」がある。(アオギリ科に属する中国原産の植物で、白浜神社境内が自生群落の北限にあたる。樹幹は直立し、枝分かれして15mほどに達し、樹皮は緑色でなめらか。普通の桐はゴマノハグサ科で、このアオギリとは系統が全然違う。)どの木がアオギリか分からなかったが、神橋の脇に青い幹の木がありこの木がアオギリだろう。

伊豆半島にはクスノキの巨木が多くあるが、河津郷七抱七楠といって、河津だけで七抱えもあるようなクスノキが7本あったという。七抱えは約10mである。明治の中頃、杉鉾別命神社の大クスを残してすべて伐採されてしまったという。 切ってしまえばなくなってしまうので、これからも大事にしてもらいたい。

元来た道を戻り、藤枝に帰りました。今日の走行距離は約350kmで、伊豆の先端に近くなっているので、時間がかかりました。

駐車場に戻り、「海岸鳥居」をくぐると白浜海岸に出る。台風の影響か、風が強く、波も白波が立っている。遠くの白浜海水浴場では、多くの人の姿が見える。

大木になると、樹皮は赤みがかかってくる。材質は非常に硬く、木刀や櫛などに使われる。 裏に回ると、幹には洞ができていた。

この寺の裏山には大きな木が沢山あり、ぜひ残してもらいたい風景だった。帰ろうと車を出すと、先ほどの婦人の車が通り、「こちらに抜けられるよ。」と手招きをして去っていった。親切な方に出会ってよかった。

山門脇の斜面に立つホルトノキは、樹冠を大きく広げ、特に東側に張り出した枝は、樹下を流れる用水路を越えて、対岸の道まで張り出している。正確な計測が行われていなくて、環境省の巨樹データベースから漏れてしまっているので、市町村の指定を受けていないが、ホルトノキとしては、最高の名木と言ってもよさそうな木と思われると書かれている。伊豆地方では、ホルトノキチーノキと呼ぶが、これは葉の中に赤い葉が混じることから「血の木」と呼ばれることからであろう。

ご神木・白竜のビャクシャク

下田の市街地に戻り、伊豆河内温泉の一軒宿「金谷旅館 千人風呂」に向かう。全ての湯船が自家源泉かけ流しの温泉で、1868年(慶応3年)の創業の老舗。奥行き20m、幅5m、深さは一番深いところで1mある。  婦人専用の大きな風呂もあり、千人風呂には婦人風呂のほうからも鍵を開けて入ることができ、混浴になっている。話のタネに鍵を開けて行ってみました。 湯量も多く、大きな湯船で、ゆったりと入れ、最高でした。源泉かけ流しの温泉に入るのもこの旅のテーマにもなっています。

樹高 15m
目通り幹囲 3.9m
樹齢 推定300年以上

下田市吉佐美(きさみ)にある八幡神社に向かう。国道135号線を走り、大賀茂川右岸、河口から800mほど遡ったところに、吉佐美の八幡神社がある。拝殿の脇には大クスノキが聳えているが、この神社の境内には国天然記念物のイスノキがある。案内板によると(イスノキはマンサク科の常緑高木。暖かい地に自生し、北限にあたるこの辺りでは稀な樹種である。もんぜんいすあぶらむしが葉芽に寄生し、木の実のように見える虫瘤ができることで知られている。この虫が寄生すると、木の実のようになる。当地では、これを「ちゃっからぽっから」と呼ぶ。)

八幡神社のイスノキ

石段を上ると、本殿がある。神域にふさわしく、鬱蒼とした森に囲まれている。地図によるとこの先に「古代祭祀場」があり、その先が海岸の崖に通じているが、この先には行けなかった。

境内には百余株のビャクシャク樹林があり、解説板には自生とあるが、おそらく人の手によって植えられたものであろう。最大のビャクシャクは、拝殿に向かう参道脇にあり、参道を挟んでもう一本あるが、こちらは枯れてしまっている。

国道414号線を下田方面に走り海岸に出て国道135号線を下田市白浜にある「白浜神社」に向かう。白浜神社の歴史は2000年以上前まで遡るといわれ、伊豆では最古の神社とされている。

白浜神社のビャクシン

社殿の右前にも大きなクスノキがあるが、大クスは社殿の右手奥に立っている。太い幹がかなりの高さまで立ち上がって、立派な姿である。 この神社には、他にも大きな木がたくさんある。正面の鳥居の脇にも立派な大クスがあり、 盛大に枝を広げている。

河津町田中にある杉鉾別命神社に向かう。ナビに従って車一台がやっと通れる細い道を入っていくと神社が現れた。近くにいた婦人に駐車場を聞くと、「この道の先にある。」と教えてくれた。車を止めて、神社に入ろうとすると先ほどに婦人が戻ってきて、「この道を進むと広い道に出る。大クスは神社の奥にある。」と教えてくれた。参拝に来たと道を聞いたが、大クス見物とばれていた。来た道の細さに気の毒に思ったのか、親切な人である。

杉鉾別神社の大クス

石段を上って後ろ側に回り込むと、が見える。平賀源内が「オリーブの木」と間違えたというオリーブの実そっくりの実がたくさん落ちている。

樹高 24m
目通り幹囲 15m
樹齢 推定1000年以上

本殿