2019.11.30~12.01
現代の花祭りは「立願の祭り」である。人々は「一力花」「添花」あるいは「御見舞」として祭りに願をかけ、花祭り全体でその成就を祈る。舞庭は中央にかまどが据えられ周囲の五本の柱から五色の(中設楽と河内は白色)の神道がかまどの上の湯蓋に通じている。この下で榊鬼や舞手たちが地面を踏みしめる。これは陰陽道の「歩行呪術」で、その意味は「精霊の復活」である。中設楽と河内は明治維新政府が神仏習合の習慣を禁止した「神仏判然令」の影響を強く受け、白色を切草の基調としたり、祭りの流れを日本神話になぞらえるなど神道化している。
午後5時過ぎに神社に行くと、境内は明かりがともり、かまどには薪がくべられ、湯飾りもついていた。
お見舞いを3000円受付で出すと食券、ロゴ入り手ぬぐいをいただいた。
6時になると、神事が始まり、神座で「木孚の舞」「式三番」「天の舞い」が踊られる。
「地固め矢知」
午前10時に湯囃しが終わり、あとは「花そだて」「神返し」「鎮め」の神事だけになったので、会場を後にして、帰途に就いた。今回は完全徹夜で「寒い」「眠い」「煙い」祭りを堪能した
「地固め扇」
「湯の舞」子供による舞で、扇、榊、鍬、盆を持つ。
「願主の舞」時々出てくる。お見舞いをもらった人に対して舞われる。
大蛇退治
「須佐之男命」榊を採り物に舞う。大蛇を退治し剣を得る。
花祭りの主役は鬼たちである。「山見鬼」は生まれ清まりを期して白山(浄土)入りをする人々の先導役とされる。白山入り口の橋で改め役に対し「山見鬼参って候」と答えたところからこの名があり、「山割鬼」と呼ぶ地区もある。
「榊鬼」は花祭りの主人公。人間がこの地に住む以前の支配者で、改め役との問答でこの地を人間に明け渡すといわれている。榊鬼の行う反べ(へんべ)の所作には、大地の精霊を呼び覚まし生命の復活をなすという大切な役割がある。最後に登場する鬼は「茂吉鬼」「朝鬼」と呼ばれる。槌を採り物にし、湯蓋の上にある「ハチの巣」(宝物)を払い観衆に分け与える「収穫の神」と考える説もある。中設楽と河内の両地区では、花祭りを神道化したところから、山見鬼を「須佐之男命」榊鬼を「猿田彦命」茂吉鬼を「大国主命」としています。
河内の花祭りの特徴は、神社境内の屋外の開放的な舞庭で繰り広げられる神道花である。朝鬼は赤鬼、白鬼、青鬼が登場し、舞庭の天井に垂れ下がっている「ハチの巣」が鬼の持っている鉾によって突き破られると、中から「種銭」が落ちてくる。
長峰神社
新東名と三遠信道路を使い、東栄町に2時間弱で着いた。昼食を食べ、長峰神社に向かう。境内には釜が用意され、村人が祭りの準備をしていた。
予約している「東栄温泉」行くが、考えてみると、泊まる必要がないので、キャンセルする。「花祭り会館」に行き、ビデオを見せてもらう。 入場券には(鎌倉・室町時代から伝わる「花祭り」は昭和51年に国の重要無形民俗文化財に指定された神事であり、この花祭り会館は、保存伝承展示施設として、面、衣装、祭具、古文書などが展示してある。)と書かれていた。
「岩戸明」面をつけた人たちが6,7人で舞う。味噌棒を持った人が人々の顔に味噌を塗りつける。私も塗ってもらった。
「地固め剣」
9時に湯囃しが始まった。藁で作ったたわしを持って舞い、お湯をかける。掛かってもいいようにカッパを着ていたので存分にかけてもらった。 かけ終わって舞は続き、一人で2,3回も舞っている舞手は足が動かなくなってうずくまり、力を振り絞って最後まで舞っていた。一つの舞は30分から40分くらい続き、舞手は大変である。
四つ舞太刀
「猿田彦命」狩衣に袴のいでたち。榊と鉾を採り物に舞う。
三つ舞の矢知
すっかり夜が明け、8時30分になると「朝鬼」が出てくる。天井に垂れ下がる「ハチの巣」が突き破られ、紙吹雪とともに5円玉が落ちてくる。これを拾って財布に入れておくとお金に不自由しないといわれ、我先に奪い合うめでたい舞である。私も1つ拾い、神社に御賽銭として置いてきました。
「大国主命」槌を採り物に舞う。鉾に持ち替えて大湯釜を突く。
四つ舞矢知