石標柱を巻き込んだ木
井上靖文学碑
2020.8.22
城ケ崎自然研究路を行くと、海岸が現れ、その先に石を幹に食い込ませた「石喰いのモチノキ」がある。4分ほど歩くと奥の院、俎岩のある海岸に出る。
太郎杉の周りが金網で囲われ、その先は深い草で覆われ、根元が見えない。傍に近寄ることもできない。 樹高も素晴らしく、天城山中で迷ったら、「木に登って太郎杉を探せ」と言われたこともあったようだ。昭和16年頃まで、滑沢周辺には、太郎杉と同程度の巨杉が数十本残っていたという。戦争で切られてしまったのだろう。残念なことである。
岡部ICから新東名に入り、沼津、長泉ICで出て、伊豆縦貫道、伊豆中央道、修善寺道路と走り、伊豆市修善寺町堀切にある「益山寺」を目指す。細い道に入り、注意深く走る。修禅寺町と沼津市の堺である葛城山から続く尾根直下に益山寺はある。石段を上ると、大きな銀杏の木とカエデの木が目に入る。標高300mの益山の上にあるが、暑かった。
益山寺の大カエデ
今日もナビにお世話になり、数か所を回ったが、ナビだけではたどり着けないところもあり、人に聞いたりしながら回ることができた。 修禅寺道路に戻り、行きと逆コースで家に帰った。走行距離350kmだった。
石喰いのモチノキ
黒松
カエデに並んで市指定の銀杏の木がある。
樹高 25.3m
目通り幹囲 5.3m
樹齢 350年~400年
乳根も少なく、樹勢も旺盛な木である。
カエデは県指定天然記念物で、東側に大きく傾くように生長している。支柱で支えられていて、根元に小さな空洞も見られるが、幹周で5mを越えるカエデは全国でも珍しい。周囲に木道が張られ、根を守っている。
奥の院
俎岩 弘長元年(1261)伊豆の国伊東へ流罪となった日蓮上人は、島崎(現日蓮岬)の絶壁の下の下の俎岩に置き去りにされた。
袈裟掛けの松 俎岩に置き去りにされた、日蓮上人は、漁師弥三郎によって助けられた。海岸の傍の松の枝に潮に濡れた袈裟・衣を掛けた。「袈裟掛けの松」と呼ばれ奥の院前庭にあり、、樹高34mの大木となり、樹齢700年にもなった。昭和9年の大火によって枯死し、根株を残すのみとなった。
伊東市富戸(ふと)にある蓮着寺に向かう。俎岩山蓮着寺は法華宗陣門流の霊跡寺院。日郎門下の日云(にちうん)上人が開祖した。約21万坪の境内には、日蓮上人が伊豆に流された際の俎岩の霊跡が含まれる。
連着寺のヤマモモ
ホルトノキは境内の左手前に立っている。正面からは裂け目は見えないが、裏に回ると、大きな空洞があり、虫食いで樹皮が剥がれ散乱している。右のほうの枝は樹勢もよく、多数の葉を縦横に伸ばしている。 もう一本ホルトノキがあるはずで、周囲を廻ったが見つからない。神社の横の家で庭仕事をしている人に聞くと、鳥居の左にあったが、倒れてしまったそうだ。
樹高 48m
目通り幹囲 9.6m
樹齢 400年 県指定天然記念物
伊豆市湯ヶ島に向かう。湯ヶ島の温泉街から国道414号線を河津方面に走ると、天城トンネルの手前の「滑沢渓谷」バス停から林道に入る。砂利道を南西に2㎞走ると「太郎杉」の下に出る。ちょうど土砂降りの雨に見まわれた。
天城の太郎杉
境内には千手観音が多数鎮座し、カエデの周囲にも千手観音の幟が立っている。カエデも銀杏も紅葉の時期にはきれいだろうと思った。
樹高 15m
目通り幹囲 8.6m
樹齢 1000年 国指定天然記念物
比波預天神のホルトノキ
石段の先には「伊加麻志神社」がある。
樹高 13m
幹周 5.15m
樹齢 300年以上(解説板 860年)
ヤマモモは暖地の海岸近くに自生する常緑高木。城ヶ崎から浮山にかけての一帯は、昔から群生地として有名であった。根に根瘤菌が共生するため、痩せ地でもよく育つ。雌雄異株で、雌木には夏に径1~2cmの暗紅紫色の甘酸っぱい実をつける。
昔の写真を見ると左の方の幹にも枝が茂っていていたようだが、現在は右の枝だけになってしまっている。
樹高 18m
目通り幹囲 6.9m
樹齢 300年以上 県指定天然記念物
俎岩上の日蓮上人
伊東市宇佐美字留田(とまた)にある「比波預天神」に向かう。分かりにくい場所にあり、近くの人に「天神さんはどこですか?」と聞いてやっとわかり、細い道を上がり、鳥居をくぐると駐車場がある。日本一太いホルトノキがある。ホルトノキは「ポルトガルの木」から転化したといわれ、平賀源内がオリーブの木と間違ったという逸話が残っている。外来種ではなく、日本の在来種である。オリーブの実に似た実をつけるという。