2022.11.10~13
神帰り杉・文化3年(1806)の嵐で落雷に遭い、縦に大きな空洞が出来た。その後樹勢が衰えたが、樹幹がすっかり枯れた後、新芽が伸びて現在の姿になったという。桜並木の先にあり、教えてもらって見つけることができた。
案内板によると、本来はイチイそのものが墓標だったらしい。この地では立ち木を墓標とする風習があるらしい。治郎兵衛さんのところのお墓なので「治郎兵衛のイチイ」という。イチイは大きく谷側に傾いており、そのため山側からワイヤーで引っ張られている。イチイは成長が遅いため、樹齢は2000年を超えるのではないかと言われている。
樹高 30m
目通り幹囲 9.3m
樹齢 300年以上
郡上市大和町牧にある明健神社に向かう。領家のモミジに来る途中にある神社である。妙見神社は栗巣川を挟んで東氏居館の対岸にあたる。毎年8月に七日祭(岐阜県重要無形民俗文化財)では、古式ゆかしく田楽が奉納される。神事の後の渡御の行列が、神帰り杉まで来て引き返し、神迎え杉の下まで進む。
樹高 不明
目通り幹囲 9.6m・6.2m
樹齢 不明
大桑村指定天然記念物
藤枝から、新東名、東海環状、中央道、東海北陸自動車道と高速道路を乗り継ぎ、美並ICで高速を降りる。長良川を渡り、県道315号(白山内ヶ谷線)を西に向かう。岐阜県郡上市美並町高砂粥川に星宮神社がある。神社は虚空蔵菩薩を祀っている。虚空蔵菩薩は福徳と知恵増進の功徳をもたらすとされる。空海が室戸岬で修行した事で知られる虚空蔵求聞持法は、満願の日に明星が口から入り、成就するのだという。案内板によると、虚空蔵菩薩は明星天子とも呼ばれ、星宮の名はそのことに因んでいるようだ。虚空蔵菩薩の使いとされるのがウナギで、神社の横を流れる粥川はウナギの生息地として有名で、国の天然記念物に指定されている。村人は昔からウナギを食べなかったそうです。
水無神社のヒノキ
1日目
高山市高根町野麦に向かう。県道39号(奈川野麦高根線)を野麦峠に向かって走る。野麦は峠に最も近い集落である。集落にさしかかる辺りで、左手に小学校の校舎がある。その裏手にコブシがあるということだったが、探せなくて「高根観光協会」に電話して聞いた。校舎の先に集落に入る道があり、左折する。すぐ先で左の細い道を歩いて入る。しばらく歩くと、葉を落としたコブシが現れる。根元にはお墓があり、個人所有のコブシである。何時折れたのか大枝が地面に落ちている。
樹高 28m
目通り幹囲 10m
樹齢 推定1250年
国指定天然記念物
大古井の千本カツラ
七本サワラ
3日目
飛騨国分寺の大イチョウ
千光寺
山岳仏教の修行の古風を現代に伝えている。仏師・円空が長く滞在したお寺として有名で、「円空仏宝館」には63体の円空仏が展示されている。
千光寺の五本杉
境内を進むと、社殿の前、中央に株立ちの大杉が立っている。融合木のようにも見えるが、3本の幹は最頂部に至るまで、離れることなく真っすぐに伸びている。
郡上八幡のビジネスホテルに泊り、高山市荘川町惣則前畑に向かう。東海北陸自動車道を郡上八幡ICで入り、荘川ICで出る。国道158号を右折し、三浦酒店で右折し荘川を渡る。(手前で橋を渡ってしまい迷いうろうろした。)イチイは個人の所有で、墓を守るような格好で3本立っている。背後は笹百合の群生地となっている。6月頃咲くそうだ。
樹高 38m
目通り幹囲 7.0m
樹齢 推定700年
県指定天然記念物
樹高 18m
目通り幹囲 5.3m
樹齢 300年
高山市の郊外にあるルートイン飛騨高山グランティアで1泊する。朝起きると、周囲が見えないくらいの霧が出ていた。高山市内にある飛騨国分寺に向かう。大イチョウはまだ緑の葉が残り、黄葉には少し早かったようだ。由来については、行基菩薩の手植えと伝えられ、根元に子育て地蔵が祀られている。国分寺のイチョウの葉が落ちると雪が降ると言われている。
高山市奥飛騨温泉郷平湯に向かう。国道135号線の安房峠を目指す。大ネズコは平湯大滝近くのキャンプ場の斜面に位置している。キャンプ場に車を止め、道標に従って山の斜面にとりつく。急な山道だが、よく整備されている。25分でネズコの立つ所に出た。ウッドデッキが設置され、周囲を一周できる。空洞や大枝の折れもなく、殆ど傷みがない。標高1500m地点での巨木は珍しいようだ。案内板によると、昭和初期、林野庁より村人が原木を払い下げていただき、炭焼きをしていた時、発見したという。
樹高 50m
目通り幹囲 12.1m
樹齢 推定1200年
国指定天然記念物
獅子の寝床杉・七日祭の際に、ここで野祭が奉納される。獅々頭をこのスギの下に寝かせておくのでこの名が付いた。渡御の神輿の前で「神前の舞、杵振りの舞、獅子起こしの舞」が奉納される。この舞は田楽の能芸を保っている。
樹高 15m
目通り幹囲 5.3m
樹齢 推定400m
県指定天然記念物
イロハモミジ
全ての行程を終え、中津川に出て、高速を乗り継ぎ、家路についた。今回は全行程約800km走ったことになる。2泊3日の予定が3泊4日になったが、予定の木はすべて見ることができ、充実した旅になった。
宿儺堂(両面宿儺を祀る)
治郎兵衛のイチイ
樹高 37m
目通り幹囲 5.6m
樹齢 500余年
お魂杉
樹高 27m
目通り幹囲 6.5m
樹齢 推定700年
県指定天然記念物
長野県木曾福島町福島にある水無(すいむ)神社に向かう。毎年新調する白木の神輿を「宗助」「幸助」の掛け声とともに町内を転がして練り歩く、「みこしまくり」で知られている。これは、飛騨一ノ宮の水無(みなし)神社から分社する際の故事に因む行事である。境内にはスギ、ヒノキなど目通り3m以上の巨木が27本立っている。2002年撮影のヒノキは見つからず、宮司さんも探してくれたがどの木は分からない。裏山に1本枯れて1本残った桧があり、是ではないかということになった。
木曾福島に着いたのは、16時を回っていたので、キャンセルしてなかった民宿「むらちや」に泊まる。ヒノキ風呂が気持ちよかった。
郡上市美並町山田にある熊野神社に向かう。東海北陸自動車道山田トンネル南口の西700mの所にあるというが、ナビでは高速道路の反対側に来てしまい、うろうろする。高速の下をくぐり抜けるガードの道を見つけ、神社にたどり着く。神社の前は広場になっているが、境内は金網で囲われている。「ご自由にどうぞ」と書かれているので、開けて中に入る。案内板によると、紀州熊野の比丘尼俊応が、夢告により滝の権現を祀ったのが始まり。熊野から持参した杖を地面に挿したのが根付いて、この大杉になったと伝承されている。ウラスギの仲間らしく、太い横枝を何本も伸ばしている。
郡上市大和町栗巣にある領家のモミジに向かう。今回の最大の目的で、観光協会に問い合わせをして日にちを調節し、見頃になったというので、今日出発することにした。
栗巣川に沿って上流を目指し、三田の先で左折し、県道318(寒水徳永線)と別れ、(ここに領家のもみじの看板がある。)栗巣川を北上する。左手に白山神社があり、そこに川の向こう側に渡る道があり、すぐ先で橋を渡り、道なりに行くとログハウスを見下ろす道路脇にモミジが立っている。外側は色付いていたが、中の方はまだ緑で、少し早かったようだ。
高山市高根町大古井に向かう。国道361号を走り、高根第2ダムを過ぎると、左手に道後神社が鎮座する。ダムによる水没で高い位置に遷座したらしい。その神社の右隣に「千本桂入り口280m」の案内板がある。高根中学昭和61年度生徒会が設置したものである。山道を抜けると、空間が広がり、千本桂が現れる。桂は主幹が失われている木が多いが、この木は主幹もしっかりしている。2005年撮影の写真に写っている大枝は折れて下に落ち、祠は残骸が残っていた。
樹高 23m
目通り幹囲 7.6m
樹齢 推定1000年
神ノ御杖スギ
神迎え杉・このスギを「番太杉」ともいう。このスギの傍に番太郎の家があった。神帰りスギ迄の233mを神社の横大門といい、この桜並木は篠脇城の馬場跡である。
樹高 15m
目通り幹囲 8.0m
樹齢 伝承1000年
国指定天然記念物
鹿島神社で近くの人に神明神社の位置を聞く。19号を戻り、右に入る道があるので、そこでガードをくぐり、道なり行く。行き過ぎて戻ったりしたが、ガードをくぐるとすぐに左下に入る細い道があり、下ると神社があった。石段の両脇に大杉が立つ。特に左の杉は巨木である。神社の下に線路の下を通るトンネルがあり、歩く人はそこから神社に来れるようになっている。街道を歩いている夫婦が来たが、興味がないのかすぐに行ってしまった。私は中山道を歩いた時にここに立ち寄っている。
ダム沿いのモミジの紅葉
樹高 43m
目通り幹囲 9.6m
樹齢 伝承700年
県指定天然記念物
高山市丹生川町下保(しもぼ)にある千光寺に向かう。千光寺に向かう山道を走ると、右手に千光寺の五本スギの案内板と駐車場がある。車を止めて、道を上ると左手に杉の案内が出ている。下って行くと、大きな杉があらわれた。杉は、「 四国88ヶ所 西国33ヶ所」霊場巡りの道の起点になっており、祠が立っている。完全な合体木で、5本の杉が癒着して生長したのものであろう。全ての幹がそろって天に向かって伸びている。どこから見ても4本しか確認できないが、5本のスギである。
樹高 33m
目通り幹囲 10.3m
樹齢 推定1000年
国指定天然記念物
高山市朝日町甲にある七本サワラに向かう。甲集落のほぼ中央、低い塚の上にサワラの木が立つ。傍らには小さな釈迦堂と、安永3年(1774)大原騒動で斬首された義人・市左衛門墓標がある。案内板によると、昔、この村に文作という者がいて、剣の道を志した。ある時、諸国修行で村を出たがその後僧になって村に帰ってきた。彼には7人の男子がいて、長男文左衛門が父の遺骸と経書をここに埋め、7人兄弟に擬してサワラ6本とサクラ1本を植えて墓標とした。大正末期にサクラは枯死した。
樹高 不明
目通り幹囲 7.8m
樹齢 推定800年
大桑村指定天然記念物
須原鹿島神社のスギ
長野県木曽郡大桑村須原に向かう。神明神社を探していて、この神社に来てしまった。国道19号を上郷の先で須原駅の方に入る。駅を過ぎ左手に曲がり坂を上がると大杉が立つ。鹿島神社の境内もゆるい傾斜を山地に向けて広がり、御神木の大杉は境内の一番端にある。
野麦のコブシ
樹高 35m
目通り幹囲 16.2m
樹齢 300年以上
県指定天然記念物
2日目
領家のモミジ
獅子の寝床岩
両面宿儺
北野農村公園
神明神社の大杉
4日目
平湯大ネズコ
神帰り杉・神迎え杉