ワン チャンス

まだエンジンがノーマルだった頃・・・



このバイクには早速夢を見せられちまった。

なぜって???

俺にとって200km/hの重みさえこのバイクには余裕な通過点であった事!
このバイクに跨った時世界は変わった!!

250km/hすら通過点である。乗ってる本人には逃げ出せない拷問な世界だが・・・

ある程度予想していたがやはり俺の中の常識がひっくり返されていく感じである。
もう漫画である。シャレになってない!
信じる奴なんていない・・・
たとえそれだけの性能があったとしてもその世界で人が走ったってことが信じられないのらしい・・・何を言っても仕方がないのでカメラを持つこととした。

百聞は一見にしかず!!コレが俺の最大の切り札!
しかし・・・現実とは残酷な???そんな現実が待ってるとも知らず・・・

1993年だっただろうか?こんなクダラン遊びを始めたと記憶する。

ZX−10B1
<<ノーマルカラーの頃>>
<<ヘビー級バイクもいいぜ>>

マシンに火を入れる!今まで考えていた事を実行する為頭の中でシミュレーションしたことを何度も何度も反復していた。

そして・・・

マシンタンク上にカメラを直接ガムテープで固定するという安易な考えから
このプロジェクトは始まった。
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1989年MB誌にて佐藤信哉という男が300km/hプロジェクトを完遂させていた。
彼はアウトバーンにGSXR改を持ちこんでのチャレンジであったが
俺もその世界がどうしても頭からはなれなくてこんな凶器とも呼べるエンジンを積んだ
物騒なオモチャを買っちまった。マシンの名はZX−10!
切れる刀ほど気を付けるというが・・・
万が一の事故を予想したときにミンチにだってなれそうな気もする。
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マシンにガムテープで使い捨てカメラ写るんですを固定し終わるとカメラ位置確認をおこなう。

写るんですならガムテープでグルグル巻きにしても苦にならないし・・・
(現像に出す時見苦しいのが厄介であるが・・・)
他に注意した点はフラッシュ!
コレはスピードメーターのガラスに反射してしまい写真が撮れないことが予想されるのだ。
まだ自分が試した事のない世界!
何が起こるかわからない。

もう一度カメラの位置を最終確認する!
この行為が何も知らない
路上で通過していく車達には不思議な光景に見えたであろう。

そして・・・<マシンに火を入れスタート>

景色を見てる余裕はない。この使用するカメラは”写るんです”コイツは自動巻きではないから1走行1チャンス!なのだ。

バイクに乗りながら200km/h以上の世界で写真を次のフィルムへ巻けば何回でも撮れる!だけど俺にはそんな腕も度胸もないぜ!

ワンチャンスでモノにするのである。ヘタレな自分には厳しい作業であった。


早朝
<<タイヤサイズFタイヤ120/70R17 Rタイヤ160/60R18・・・前後ノーマルサイズを使用 >>
<<スピードメーターはZX−10、 B1純正300km/h>>


*注
こちらの写真は写真の上からデジカメで2重に撮影したものを使いました。 赤く光ってる点はカメラに装備された機能による影響だと思われます。
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