受信機と周辺資料の発掘調査

FM・短波・中波受信機や周辺資料を探してみる
レコードやテープのような記録メディアと性質は異なりますが受信機も忘れてはならないアナログ・メディアです。どこの家庭にも複数台はあると思いますが、大抵はラジカセ・ミニコンポ付属のものでは?あるいは記念品などでもらって、聞かない安物ラジオ(^^;があるのが一般的か?

ここではもっと本格的?な「単体」としての受信機を発掘してみようという話題です。古い真空管式ラジオからアナログチューニングのFMチューナーまで、箱に入れて保管してあれば関連資料も見つかる可能性が大きい。ただし他の再生機器と違いほったらかしで、案外家具の棚の上などでほこりをかぶったまま発掘される事もある。

受信機はモーター駆動部分が無いためトランジスタになってからは最も壊れにくい家電製品になりました。電池やコンセントに差し込めば懐かしい音を聞かせてくれると思います。

古いFM雑誌なども発掘できればFMエアチェック華やかなりし頃の録音の想い出がよみがえってくるはずです。機器自体は記録メディアと違って発掘しても「おっ懐かしい」と一瞬思うだけですが雑誌などの周辺資料は、つい読みふけってしまうと思いますよ。古い録音データの資料としても使えるかも知れません。

※資料や受信メディアの話題は改めて「メディア年表」に掲載予定です。

POINT
■FM雑誌やBCLカードなど機器以上に周辺資料を念入りに探してみる。
■市販されていた真空管式ラジオなら壊れていてもレトロな飾りに使える。
■チューナーはOKでもFMはアンテナをつながないと聞けない(^^;
■FM局間ノイズのPC録音で音質のチェックをしてみましょう



発掘・動作可能性

★★★★★(星印が多い方が発掘が容易・動作可能性大)
発掘可能性  
発掘物 機器 周辺資料 動作可能性
球式受信機 ★☆    ★★
石式受信機 ★★★★☆ ★★★ ★★★★☆
FM受信機 ★★★★☆ ★★? ★★★★☆
※球は真空管式、石はトランジスタ
可能性は管理人の勝手な予想。最初から無い場合を除きます(^^;
[発掘予想]
★FMチューナーは古いものを譲ったり売ったりしていなければ発掘可能性大。トランジスタラジオも同様。真空管式ラジオは自作経験者以外、家自体が旧家(笑)でなければ発掘困難か?再生は望み薄。
★周辺資料はFM誌のように週間雑誌は新しい年代でも発掘が難しいか?まして70年代前半の雑誌の発掘は困難を極めるであろう。むしろBCLカードなどは大切に保管されている可能性大。

短波(SW)〜自作受信機・マルチバンド受信機


↑電波少年時代に製作した短波受信機。現在は抜け殻が現存する(^^;




元勤め先で現役使用中のマルチバンドラジオ。外国メーカーらしい。短波が3バンド、AM、FM、TVと多彩。勤務していた当時これで良く聞いてました。
1960〜70年代、昭和でいうと40年代は結構短波が人気ありました。FMが普及していない時代にはAMに次いで短波も聞かれていましたから大抵「ラジオ」と名前が付けば短波放送も受信できました。競馬・株式以外での受信目的は海外の日本語放送、一方でアマチュア無線のバンドウォッチです。

管理人は中学の半ば頃まではバリバリの「アンチハイファイ」派で自作の短波受信機を作っては壊し、改造し、いかに遠くの微少電波を混信無くワッチするかに腐心していました。

混信を無くすには周波数帯域の分離度を上げるので当然音質は悪くなる。要はいかに「音を悪くするか」という事を熱心にやっていたようです(^^;

完全自作とまではいかなくても、結構トランジスタラジオのキットのようなものも出回っていました。また、市販でも「マルチバンドラジオ」なる短波の受信帯域が複数切り替えできる受信機もありましたので、探してみると結構どこの家庭でも見つかるかも知れない。
 他の家電は壊れて買い換えるがラジオはめったに壊れないので、使わなくなっても捨てないで押し入れや倉庫に眠っている可能性があるからです。

[メンテナンス]
市販されていた真空管式の5球スーパーなどがあれば非常に貴重です。スーパーヘテロダイン式の真空管はもう手に入りませんがもしフィラメントが切れていなければコンデンサなどを替えれば聞こえるかも。動かなくても側をキレイに磨けばレトロ調の飾りになります。



英BBCに次いで人気のあったラジオオーストラリアのBCLカード

[周辺資料] BCL、QSLカード、作成したログノートなど
短波関連の周辺資料としては外国の日本向け放送などを受信してもらえるBCLカード、アマチュア無線家が発行するQSLカードがあります。

外国局の日本語放送(国内の放送局も同じですが)は、受信ログを外国へ送ると放送局からBCLカードを送付してくれます。アマ無線ではQSLカードを交付してくれるのがエチケットですが義務は無いので手に入れるのが困難な場合もありました。

海外のBCLカードは各国とも、いかに日本に自国をPRするかに主眼がおかれていましたからカードやプログラム以外に色々なパンフレットも郵送してくれました。

これらのカードは同じ局でも発行年代によりデザインが変わることもあります。もし頂いた覚えがあれば受信機以上に是非発掘しておきたいものです。

中波(AM)〜ポータブルラジオ
これも古い話題になりますがラジカセが登場するまではポータブルラジオが学生の「必需品」でした。写真は30年以上前に買った”名機”SONYのIC-11(アイシーイレブン)です。なぜ名機かといえば現在も仕事場で聞いているからです(爆)。

ボリュームもガリッているしチューニングメーターもうまくは回らないが、とにかくスポーツ中継などはこれで聞いてます。現在の「3バンドラジオ」といえば中波・FM・TV音声ですが当時はTV音声ではなくSW(短波)でした。


管理人の現役最古の持ち物(^^;サッカー・野球・相撲etc.
スポーツ中継は今でも、これでよく聞いてます。

[メンテナンス]
ポータブルラジオはトランジスタ(IC)になってから、めったに故障する事が無くなった。大抵は入れっぱなしにした電池の液漏れで接触部が錆び付いている。電池を替えて接触部を磨けば聞こえるのではないでしょうか?

ボリュームがガリッている場合は何回か回せば多少ききやすくなります。IC-11も長く「引退」したままでしたが3〜4年前、事務所でラジオ放送が聞けなくなったので引っぱり出したモノです。普段は仕事場ではCDを流していますが、やはり何かというときはラジオも必要になってきます。

災害時にも役に立ちますからラジカセ以外にも常に手持ちのラジオはメンテナンスしておきたいものです。

※このラジオが”名機”だというのは冗談のつもりで書いたのですが、後でネットオークションで見かけました。さらに従兄が2001年の「ハムフェア」で5000円で売っているのを見たそうです。「お前のと違いピカピカに磨いてあったぞ」と言われた(^^;

[周辺資料] BCLカード、プログラムなど

1972年のTBSラジオのプログラムの一部。人気深夜放送「パックインミュージック」のパーソナリティーは小島一慶・愛川欽也・南こうせつ・野沢那智&白石冬美・山本コータローとなっています。当時聞いていた方にとっては懐かしい顔ぶれです。
当時管理人はニッポン放送の「オールナイトニッポン」を聞く方が多かった。。。

AM放送も短波同様BCLカードの収集が流行った時代がありました。中波も夜になるとフェージング現象のため遠方の地方局が受信できるようになります。そのため全国各地の放送局のカードを収集した方も多かった筈。必ずカード以外に番組表をくれたので当時のプログラムなど発掘できれば貴重な資料となるでしょう。

国内の放送局は、それぞれローカル色豊かなカードを発行していましたが、私は「アンチHiFi」から転向して「録音」に足を突っ込み始めた時期だったので遠方の地方局のカードは1枚も持ってません。関東・関西のキー局のプログラムが欲しかったのでニッポン放送などに「プログラム下さい」と書いてハガキで送ったりして(^^;どの局も必ず無料で郵送してくれました。今でもスポンサー向けに発行していると思いますが一般人でももらえるのか不明です。

FM〜ステレオチューナーとアンテナ

使わなくなったチューナーでFM局間ノイズをPC録音中。PC画面は「wave spectra」

貸しレコード店が登場するまで録音ソースとしてもっとも多かったのがFM放送でしょう。「FMエアチェック」という言葉ができたほどです。音楽用カセットの高性能化に伴い70年代半ば以降FMチューナーといえば録音と切っても切れない関係になりました。

現在でもFMファンは大勢いると思います。今は全てデジタルチューニングですが管理人はアナログチューニング式のモノを引っぱり出してみました。当時FM東京(現TOKYO FM)とNHKの2局の局間が離れていてチューニングが面倒だった。

チューナー自体は使わなくなっても押入から引っぱり出してスイッチを入れれば大抵正常に明かりがつくはず。

[アンテナのメンテナンス]
問題はアンテナです。これが無いとFMは全く聞けません。放送局(電波塔)のある都市近郊ではT字のアンテナでも十分聞こえるが少し距離が離れるとTVよりサイズの大きなアンテナの設置が必要になります。
[T字アンテナ]
フィーダーをT字に接続しただけの安直なもの(^^;FMチューナーを買うと必ず付いていましたが、電波を送信するラジオ局のある都市部でないとほとんど使えません。
[八木アンテナ]
FMを音質よくノイズレスで聞くには屋外にアンテナを立てるのが常識。しかし、今さらFMを聞くのにアンテナを立てるという方は少ないのでは?私も高校の頃、屋根に登ってテレビアンテナより重くて大きい8素子のFMアンテナを設置しましたが家族からは「雨漏りがする」「見場が悪い」とさんざん文句を言われました(^^;

 現在ではマンションを始め新築住宅では有線を引き込んでテレビアンテナや電線など美観を損なうものを屋根に設置しないので、なおの事です。

※管理人もチューナーを引っぱり出したのですが、アンテナが無くて結局FM受信はアキラメました(^^;写真のようにFM局間ノイズをPCに取り込んで録音機能のテストに使いました。昔はテープの録音特性をチェックした方法です。この話題については別ページで詳しく掲載予定です。
[周辺資料] FM雑誌など
これは何といってもFM雑誌でしょう。
FM放送が本格化した70年代は、まさに録音ブームの時代でした。
FM専門の週刊誌も発行され、新聞にさえ1週間分のFM番組表が掲載されていました。最盛期4誌(FMfan・FMレコパル・週間FM・FMステーション)が発刊されていましたが90年代に次々に廃刊となり、最後まで残った「FMfan」も2001年12月に最終号となりFM雑誌は姿を消しました。時代を感じさせますね。。。

私はこれらの雑誌は全て処分してしまったようで現在まで1冊も見つかりませんでした。カセットのケース用のページだけは切り取ってあったので何枚か出てきただけでした。一時、毎週のように買っていましたから、たまると次々処分してしまったようです。今となっては本当に残念でしかたありません(涙)


←数次に渡る調査の結果、発掘されたのは週間FMのオリジナルカセットレーベルのページだけ。ここだけ数枚カセット用に取ってあったらしい。

受信機の保存と処分
電池式のポータブルラジオは聞こえる事が確認できたら古い、新しいを問わず、身近においておきましょう。災害時だけでなく何かと役に立ちます。しまい込む場合は必ず電池を抜いておく。管理人のIC-11も再登板する時に入れっぱなしの電池が液漏れをおこしていました。

壊れたラジオは捨てるしか無いが真空管式のものならレトロなアクセサリーに(^^;ちょっと器用な方なら中身をトランジスタ式に入れ替えて使うことも可能。

チューナーはなかなか壊れないので手放せない。。。アナログチューニングメーターは、あのぼーっとした照明が独自のレトロムードをかもしだします。是非寝室の照明代わりに。。。城達也さんが生きていれば、あのソフトな語り口がアナタを心地よい眠りに誘ってくれたのにネ(合掌)


[TOP]
Last Update 2002.9