デジタルメディア関連 アナログ音源再生計画


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CD-Rメディアの寿命・耐用年数

この記事はPart3「CD-Rへの保存のススメ」についての補足内容です。
以下の記事は2001年に掲載したものです。若干加筆訂正してありますが、さらに追加するとデジタルメディアといっても保存媒体は物理的なものである限り必ず寿命はくるという事。その寿命は保存状態で倍近く差が出ると思われます。

これは管理人が30年以上前の録音テープを数多く復刻した経験からの私見です。メディアの寿命という話題は、材質とか焼き方、ドライブの品質など、どうしても技術的な視点で語られる事が多いが実は保存状態こそがその長さを決めるといって過言では無い。これらの話題についてはPart2の「デジタルメディアの整理・保存・処分」を是非ご覧下さい。

また、製造メーカーによって品質と寿命に差がある事は必ず認識しておいて下さい。CD-Rに「無印良品」はありません。90年代〜00年代前半のアジア産メディアに焼いたものは要チェック。

2006.5


せっかく苦労してデジタル化してCD-Rに焼いた貴重なアナログ音源や大切なデータ。
 いったいどの程度持つのかと考えた事ありませんか?それとも、『もうデジタル化したから大丈夫』と安心している方もいるかも知れませんネ。

CD-Rはシアニン・フタロシアニン・アゾなどの色素にデータが書き込まれ、反射層は銀か金が使用され、盤はいずれも眼鏡にも使用されているポリカーボネートという非常に変形が少ないプラスチック系の素材です。シアニン系色素は紫外線に弱く太陽光の下で放置すると数時間で読めなくなるといわれてます。

そのためCD-Rはあまり長持ちしないんじゃないかという情報も伝わってきます。
それでは「半永久的」は無理として、どの程度で寿命が来るのか?
これには諸説あります。

[楽観・長持ち論]
当然メーカー発表が多い。
太陽誘電のパンフレットでは「通常の使用環境で100年以上の耐久性を誇る・・・」
 根拠はいわゆる加速度試験(湿度や温度を通常ではありえない条件にして数週間放置するとか色々な手法があるようです)によるデータにもとづくものだそうです。

[悲観・短命論]
古くからCD-Rを使っているベテラン、たくさん焼いているマニアなどに多い。
「10〜20年程度」「10年ももたない」など。
 根拠は、シアニンなどの色素が割合早く変質するだろう、という説。なるほど、シアニン系のメディアは青く見える。あの顔色では長持ちしそうにない(笑)と思わせます。
 あとはレーベル側が剥がれおちてしまうのではとか、ポリカーボネートの方が変質してダメになる等々。

[私見]
30年以上は持つだろう。
根拠は現在のアナログメディアの現況で30年以上昔のテープ(アセテート)が丈夫でいる、素材のポリカーボネートはもっと持つだろう、自分の身体の色素(シミ)は消えないどころか濃くなって来るぞ(爆)
CD-Rがカセットの寿命に負けるはず無い、など根拠はないのですが、30年以上は持って欲しいという希望ですかね。。。

[寿命が来るとどうなるのか?]

これについては書籍や他のHP記事でも読んだことがありません。管理人の予想では、「なんか色が変わったようだ」から始まり「時々プレーヤーで読めない」→「Aの機器では読めるがBでは読めない」という現象がおきて、徐々に読み取りができなくなり、最後はCDプレーヤーだろうがCD-ROM、CD-Rのすべてのドライブで読みとり不可能の状態になって一巻の終わりになるのでは無いでしょうか?

[回避策はあるのか?]

重要なデータや音源はどこかにしまっておいても、10年程度たった時点で確認する方が良い。悲観論的に考えるなら10〜20年経過する間にコピーしておく。

ただし、今から10年後にはCD-RやDVDメディアに代わる書き換え不可能で長持ちするメディアが出現していることは十分考えられるし、今のメディアの耐用年数は改良により明らかに向上してると思います。

さらにハードはデータ読み取り性能とエラー訂正機能も向上して、さほど困る事は無くなっているでしょう。

したがって信頼できるメディアに焼いておけば遠い先を心配する事はないでしょう。
色素はシアニンよりフタロ・アゾ系が長持ちするとか色々いわれますが、古いメディアの保存の現況をみると、私は素材ではなく製造メーカーの品質の差が寿命に影響すると考えます。

盤面が金色だろうが銀色だろうが「きんさんぎんさん」程は保たないのは確実。
メディアの寿命を気にするより自分の寿命を気にする方が間違いなく先決でしょうな(^^;



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