アナログメディア関連 アナログ音源再生計画
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オープンリールテープの現況

この記事はPart1「オープン」・特集5「70年代音楽用カセットの現状と音質・オマケ徹底比較」についての補足内容です



特集5で70年代音楽用カセットの現状について掲載しましたがほとんど当時期に購入したオープンリールテープの現況を補足情報としてまとめてみました。

オープンリールも、国産メーカーではSONYを筆頭にマクセル・TDK・FUJIがLHタイプ製品を発売して覇を競っていました。特にSONYのSLH(Super Lownois Hi-output)は磁性面の逆側が滑り止めのようなコーティングを施してあり大ヒットしました。バイアス調整は不要だったがSLHポジションのあるSONYのデッキ以外では録音するとハイ上がりになるので嫌うファンもいましたが。。。

オープンリールはカセットと違い、その性質上磁性面が走行系のガイドに接触する部分が多い、再生スピードが早い、早送り時にもガイドに接触するというデメリットがあるため摩耗が激しい。そのためトラブルも最初から非常に多かった。

デッキ自体の録音特性も購入当初から1年もたつと劣化してきてヘッドを始め部品の交換やらバイアス調整まで自分でしなければならず扱いづらい機器でした。

[テープ鳴き]
SLHを筆頭にテープ鳴きには悩まされました。カセットでTDKのD・SDがハーフ鳴きしたのと同様、購入してしばらくしてキーキー鳴き出します。こっちが泣きたくなった(-_-;)
デッキのテンション(張力)によるものですが、鳴き出したものは良くなりません。録再ヘッドまで伝わりビリビリいう音が再生されてしまいます。大変貴重なテープでどうしてもデジタル化したかったモノは走行部分にガムテープを貼ってスベリを良くしたり、ありとあらゆる手段で何回も再生してなんとか鳴き歪みが再生時に入らないレベルでできたものもあり、ダメだったものもありです。

対策:ちょっとした加減なのですが立てて使うデッキを横にすると収まる場合もありましたので、お持ちの方は試してみて下さい。

[接着テープ切れ]
これは甚だしかった。手持ちの2トラック38cmのTEACのデッキでの早送りではことごとく接着部分でテープが切れました。
再生・早送りなどのスピード、テンションの強さからいってしかたないのかも知れません。
先頭と最後のリーダー部分が切れてもオープンの性格上あまり影響はありません。ある程度無音部分を作ってあるからです。問題は途中で切れる事。2トラックテープは片方向のみの再生ですから曲ごとにテープを切って編集するのは当たり前の作業でした。そのため10号リールで編集した曲が1曲ごとに全部切れまくった時は「もう、やーめた」と言いたかった(^^;

対策:オープンはカセットとちがいテープは剥き出しですから「接着テープ」と名が付くモノならとりあえず接着するのは簡単です。リーダーテープは切れても別段再生に影響は無い。

[磁性体の剥げ落ち]
これも一部のテープで見られました。音飛びがしてしまう。修復はアナログのままでは不可能。

対策:一部分ならデジタル化してサウンド編集ソフトで繋げたり小さくなった波形をその部分だけ増幅することもできます。


オープンは保存は気をつけていたつもりでした。ビニール袋が付いてくる7号は袋に入れて箱に保管しておいたのですが、状態に関係なくダメなものはダメ。同時期に購入した同種の品番でも状態に差が出ました。1本ごとにバラツキがあるのか、使用頻度によるものかは今となっては判断が付きません。

オープンリールは学生時代は随分とマイクでの生録音に使いましたが社会人になってからは、もっぱらFMエアチェックのカセット編集用マスタになってしまいました。何回も同じテープを繰り返し録音再生をしてきたためへたった部分もあるのかと思います。

その分カセット自体のダビングは殆ど行わず重ね録りテープは非常に少ない。そのあたりも状態の差に現れているのかも知れません。いずれにしても録音テープには失ってしまうと二度と聞けない貴重な音源が必ず入っているはず。早めのチェックをおこたりなく、という事でしょうか。モチロン自分への戒めです(^^;




Last Update 2004.5

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