アナログメディア関連 アナログ音源再生計画
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ポータブル電畜とソノシート

この記事はPart1「レコード」・特集4「TSUNAMI・・・」についての補足内容です。
メディア年表」からもこのページにリンクしています。


「ポータブル電畜」を知っていますか?デンチクと入力しても一発変換できない昔の代物です。

「ポータブル電畜」というのはターンテーブルがシングルレコードサイズで、通常のレコードプレーヤに比べても一回り小さく、アンプとスピーカが内蔵されたもの。電畜は「電気蓄音機」の略称です。写真のように取っ手がついておりスーツケースを小さくしたような外観で、電源さえあればどこへも持ち運べました。

1960年代には、どこの家庭にもありました。裕福な家庭では本格的なステレオセットもあった時代で、レコード鑑賞の入門機のような役割を果たしていたように思います。

我が家にあったのは、アンプが真空管式の電畜で、父親がよくこれで戦前戦後の懐メロや浪曲を聞いてました。
 まさか、もう無いだろうと思って倉庫を漁ったところナント見つかりました。婆様(管理人の母親)もナント物持ちのいいことか(^^;

早速コンセントに差し込むとターンテーブルは動かなかったが、真空管は健在で、手で回すとスピーカーからちゃんと増幅された懐かしい音が聞こえました!!

スピードは45・33回転以外にSPの78回転、さらに特殊レコード用の4段階に分かれています。ただし現存しているのは2台目で、私の記憶では初代はケースが赤だったと思う。

小学生の頃、例の「隠密剣士」や「風のフジ丸」などのソノシートを良く聞いた記憶があります。ソノシートは子供向けのテレビアニメやドラマの主題歌などが録音されたものが主流でしたが、我が家にあった極めつけは、今は亡き三波春夫先生のもの。ソノシート4枚組、7曲入りで380円ですから当時のレコードの値段としては安かった。祖祖母が三波春夫ファンで私がよく再生して聞かせていました。

電畜はプラスチックのアームで針圧なんて何グラムかかっているかわからない。これでシングル盤を再生すると10回も聞けば溝がすり減ってスクラッチノイズが聞こえてくる。ましてやソノシートは、極論すると「音が残っていない」程、溝が削り取られてしまいます(-_-;)

リサイクルショップなどで、60年代のレアなシングル盤を見つけたとしても、大抵はこんな代物で聞いていたので「激レアじゃぁ」と喜んで購入しても、CDを聞き慣れた方には歪みとノイズだらけで愕然とするのではないでしょうかね(^^;


特集4「TSUNAMI・・・」ではそんなサウンドづくりを目指した訳です。

それでもアナログオヤヂの皆さんは歌詞を空で覚えるためにすり切れるまで聞いたヒット曲があった筈(古すぎるか(^^;)



Last Update 2003.4

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