送 辞
八重桜の満開の季節を迎え、青葉若葉の映える新緑の季節に、私たちは富井堯先生とのお別れをすることになりました。富井先生は五年前より御殿場十字の園併設の御殿場十字の園診療所長としてお働きをいただきまして、入所されている107名の高齢者のそれぞれの方々の人生最期のステージを、医師として支えてくださいました。特別養護老人ホームは生活の場といわれています。長く生きてきたラストステージをどのように迎えていただくかは医療、看護、介護との連携から生まれてくるものです。ターミナルケアのあり方が注目されるようになりましたが、御殿場十字の園では富井堯先生の医療と看護、介護が協力してモデルとなるようなケアをすることができました。そのご功績とともに、御殿場十字の園の医療面からのお支えに心より感謝申しあげます。
私自身は、富井堯先生とは御殿場十字の園診療所長をお願いするときに共に食事をして歓談させていただいたときのほかはご挨拶程度でお話をする機会はありませんでしたので先生のことを十分に申し上げることはできませんが、東洋医学における多くの経験からきっとこれまで多くの人の人生を支え、生きる力を与えてこられたことと思います。ご家族にとりまして、特に奥様にとりましてはかけがえのない人とのお別れで寂しさも大きいことと思います。神様の慰めと励ましが豊かにありますよう心よりお祈りさせていただきます。
十字の園はキリスト教精神で運営している法人であり、施設でありますので、キリスト教でいえば「神の国」「天の国」が備えられています。本日、富井堯先生とお別れすることは御殿場十字の園の職員並びに入居者にとって寂しいことではありますが、「また会う日まで」と賛美歌で歌われるように、また会える日まで、どうぞ「神の国」「天の国」で安らかにお過ごしください。
富井家と御殿場十字の園との合同葬とさせていただきましたことから、社会福祉法人十字の園を代表してひとことお別れのことばを述べさせていただきますとともに、本日は、それぞれご多忙の中をご参列いただきまして感謝申し上げます。
平成二十年四月二十七日
社会福祉法人十字の園
理事長 平井 章