| 免疫 異常に対するからだの重要な反応 簡単な免疫のはなしその2 |
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| 咳と痰についてその1 | |
| 前回に引き続き、免疫の話になるが、今回の特徴は免疫と無縁であるように聞こえる漢方の話である。 前回にも話したが、免疫のいろいろな組成には「サイトカイン」という非常に膨大で複雑なタンパク質(あるいはタンパク質より小さいペプチットという物質)の大軍団がある。 われわれの体はこの「サイトカイン」の働きでさまざまな影響と上手くバランスを調節し、生存していることになる。これらのサイトカインには、次に掲載されている図に示されているように、さまざまな名称があり、それぞれ複雑な働きを持っている。最も有名なのはウイルス性肝炎の治療に使われているインターフェロンである。また、癌の治療や予防に使用されている腫瘍壊死因子(TNF)もよく耳にするようになっている。サイトカインは、はじめは基本的に白血球から造られていると考えられていたが、近年、白血球以外のさまざまな細胞からも造られていることが分かってきた。今後医学・薬学などの分野で、サイトカインについての研究はますます大きな比重を占めるようになっていく。 ところで、漢方と免疫とを結び付けたのはこのサイトカインである。世界各地の研究者、特に日本の研究者は多種多様な漢方薬について、サイトカインにどのような影響を与えているかを研究し、大きな成果が得られている。 いくつかの例を挙げてみよう: 1,補中益気湯の肺胞マクロファージのIL-12産生機能への作用 2,黄連、黄柏など常用生薬の抗炎症効果:IL-8産生抑制作用 3,小青竜湯のサイトカイン産生への抑制作用 4,気管支喘息患者のサイトカイン産生に対する柴朴湯の抑制作用 5,麦門冬湯の喘息モデルモルモットのIL-6への抑制作用 以上の他にも夥しい数の研究成果が挙げられているが、その内容は専門的であるので、ここでは省略する。一言で言えば、【数千年人々が経験的に「このような症状ではこの草や樹木の根っこが効く」のように使われてきた漢方薬は、その働く基本的な原理―いわゆる漢方薬の薬理】が現代科学的に分析されるようになってから、【サイトカインに対するさまざまな促進または抑制作用によって、からだのバランスを調節することである】ということが徐々に分かってきた。現在研究者たちは何万種類もある植物性や動物性、鉱物性の漢方薬をひとつひとつ地道に研究して、まず、どのようなサイトカインに作用しているかを調べている。その他、すべての漢方薬には共通な働きがあるかどうかについても懸命に研究を行っている。 現代薬の非常に単純な薬理作用と比べて、漢方薬の働きはその組成と同じように、比較的複雑で、作用するポイントも多く、効いてくる時間もかかるわけであると考えられている。 患者さんにとって、免疫や漢方薬の薬理云々については、恐らくあまり興味がないであろうと思うが、漢方薬については、ただ、数千年の歴史に残された伝統や、幾分迷信めいた信仰に近いものではなく、現代の科学的な見方からみても、ちゃんとした理にかなっている存在であることを、本文を通じて少しでも理解していただければ幸いであると考えている。 |
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