| Dermatology 皮膚の病気 皮膚炎の知識 疥癬 |
富井医院 副院長 皮膚科専門医 富井直子 |
| ◆疥癬とは | |
| 疥癬は疥癬虫(ヒゼダニともいいます)という小さなダニが皮膚の角層に寄生してできる、かゆみの激しい皮膚病です。そして、人から人にうつります。 疥癬は第2時世界大戦直後には、皮膚科を訪れる患者さんの1/3を超えるほど高頻度の病気でしたが、その後、姿を消しました。しかし、1974年頃より再び増加傾向にあり、この頃は海外旅行で不潔性交して家庭内に広げたこと、1985年以降からは特に環境条件の不良、非衛生生活者、長期臥床者、栄養不良者などのいる家庭や施設等に多発することが主な原因になってきました。 |
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| ◆症状は? | |
| 疥癬の特徴は激しいかゆみを伴うことで、特に夜ひどくなり、よく眠れなくなるほどかゆくなることもあります。人に疥癬が寄生してから激しいかゆみが出現するまでの期間は約1ヶ月とされています。 皮膚の症状としてオヘソを中心とする下腹部、脇の下、胸や大腿部などに赤いぶつぶつが、また陰部に赤茶色のかたいシコリ、手や指などには小さな水ぶくれや線状のごく小さなスジができます。(このスジの中で疥癬虫のメスが卵を生みます。) |
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| ◆どのようにうつる? | |
| 疥癬虫が寄生している人から、他の人にうつる可能性があるのは次のような場合です。 1)人の肌から肌へ直接、または長時間、畳の部屋などで寝起きを共にした場合。 2)布団、ベッドなどの寝具、あるいはコタツを介して。 3)疥癬虫は、人の体温より低い温度では動きが鈍く、通常の社会生活で並んで座ったという程度では他の人から疥癬虫がうつる可能性はほとんどありません。 4)時に老人病院などで集団発生することもあります。 |
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| ◆診断と治療は? | |
| KOH法で虫体、虫卵の証明をすれば確定診断がつきますが、症状、病歴(家族、集団発生有無等)も重要な診断の根拠になります。 治療薬には、硫黄剤、クロタミトン、安息香酸ベンジルアルコールなどがあります。各々に若干使い方に違いがありますので、受け持ちの先生の言うことをよく聞いて治療してください。なお、どの薬を用いる場合にも下記のような共通する注意点があります。 1)薬は首から下の全身に、くまなく塗ってください。かゆいところだけに疥癬虫がいるとは限りません。特に、手や指、陰部はメスが卵を生むところですから入念に塗ってください。 2)人に疥癬虫が寄生してから激しいかゆみが出現するまでに約1ヶ月かかります。疥癬虫がうつった可能性のある人は、かゆみの有無に関わらず一家全員で一斉に治療してください。 3)疥癬虫は床に落ちていると数日で死にますので、掃除機でよく掃除をすれば殺虫剤を部屋に散布する必要はありません。 4)疥癬虫が生きている間は、副腎皮質ホルモン(ステロイド)の入った塗り薬を使わないのが原則です。しかし、症状によっては使うこともありますので受け持ちの先生の指示に従ってください。 5)ムトウハップ(硫黄)浴は効き目がありますが、入浴しすぎたり浴槽に多く入れすぎたりすると、肌が荒れることがあるので注意してください。 布団日光浴、衣類、住宅の清潔化を心がけましょう(虫体は、50度以上で死滅します) |
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| 参考文献: 日本臨床皮膚科学会リーフレット「疥癬」 皮膚科学 上野賢一著 金芳堂 |
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