針灸治療はこんなによく効く!
     アレルギー性鼻炎
上海中医針灸室 院長  陶 強毅
東大生体防御機能学教室 宋 清華

◆アレルギー性鼻炎とは
 アレルギー性疾患のひとつで、原因物質であるアレルゲンが鼻に吸入されることにより起こる疾患です。アレルゲンが、鼻の中の肥満細胞の表面にある抗体と結合すると、その細胞からヒスタミンなどの化学物質が放出されて、頻発的なくしゃみの発作や、多量の水様性鼻汁、鼻づまりなどの症状を引き起こします。この他の症状としては、鼻咽頭腺などのかゆみ、全身倦怠感などがあります。
 原因としては、小児の場合ほとんどがハウスダスト、中でもチリダニの死骸や排泄物などが原因です。成人の場合はチリダニ以外に、スギ、イネ科、ブタクサなどの花粉が原因です。花粉が原因の場合、皆さんもよくご存じの花粉症と言うことになります。
 症状では、先に述べた代表的なもの以外にも数多くあり、特に花粉症では、目のかゆみや充血、喉の痛み、せき、頭痛、イライラ感、不眠など多彩な症状が加わります。
 西洋医学的な治療としては、抗アレルギー薬を予防用として使用したり、対症薬として抗ヒスタミン薬や局所用ステロイドなどを使用します。


◆東洋医学的な考え方
 東洋医学では、鼻閉、生臭い鼻汁、鼻覚減退を主な症状とする病状を「鼻淵」と表しています。漢方のバイブルとでも言うべき「黄帝内経」には「脳滲」、「脳漏」の記載があります。

◆主な病症と治療
1)肺気虚による鼻炎---虚証
 色々な原因により肺気虚となり、外部からの刺激を受けやすく、鼻炎を年中繰り返す場合もあります。
 症状としては、粘性のある鼻汁、鼻覚の減退、鼻づまり、くしゃみ等。
 治療の方針は、肺機能の向上が主となり、主な経穴としては、迎香、上星、肺兪、太淵、太谿を使用します。

2)肝胆の熱による鼻炎(実証)
 肝胆の熱が経絡に沿って脳を冒し脳汁が鼻から漏れるとされるタイプの鼻炎です。また、肺の熱が肝胆に伝わることで起こるものもあります。
 肝胆の熱が頭や顔面部に影響することによる頭痛、めまい、耳鳴り、難聴などの症状を引き起こします。
 症状としては、黄色く濁った、粘性のある鼻汁、鼻閉塞、鼻覚の減退などがあります。また、先に述べたように、頭痛、めまい、咽頭部の乾き、難聴などがあります。
 治療は肝胆の熱を落ち着かせることが重要です。主な経穴としては、太衝、風池、陽陵泉、迎香、上星などを使用します。