2012

 

月一回くらいは、気まぐれに、日々のできごとなどを書いてみようかと思うけれど、
 しかし、誰かに見られてしまうという気持ちから、ここに書く文章には脚色や誇張が入りそうでこわい。
 そうならないようにと気をつけたいが、自分自身の心を素直な気持ちで見つめることが苦手なのは、もっと問題である。
 その点ご承知おきのうえ、ご覧くださるようお願いいたします。      

  平成23年8月

 

     
5月6日
「香貫山展望台」
   

 4月下旬、八重桜がまだ綺麗な頃、香貫山に登った。沼津市にあるそれほど高くない山だ。標高は193m。

 登山道で年輩の男性に出会った。少し言葉を交わしたことで、展望台まで二人で登ることになった。聞けば、この方は、香貫山には何回となく登っていらっしゃるということだった。それで、登山道のこと、植物のこと、その他いろいろとこの山の情報にお詳しい。そのお話のなかでうれしくなることがあった。それは、展望台の近くに立つはずだったアンテナのことだ。

 以前、展望台に登ったとき、がっかりしたことがあった。それは、展望台の北側に高いアンテナを立てる工事をしていたからだ。大きなアンテナが立てば、ここからの眺望は台無しである。けれども、そのとき、もう工事は始まっていた。なんてことをするんだ、と思った。誰が何のために立てるのかは分からない。しかし、計画の段階で現地調査をし(もちろん美意識のある者を同行して)、地域住民や登山者の意見の聞き取りがあったっていいじゃないか。いや、そういうものがあってしかるべきだろう。だが、この世の中、この日本、そんなもんだろうと、あきらめていた。以来、香貫に登っていない。

 しかし、である。一緒に登った男性の話によれば、その計画は変更になっていた。この計画を知った、或いは工事を目にしたどなたかが、しかるべきところに抗議したらしい。詳細は分からないが、その後、計画は変更され、建設のデザインは大きく変わった。

 展望台のあるところに着くと、大きなアンテナは立っていた。しかし、アンテナは展望台に囲まれて立っていた。アンテナ設置場所を展望台の真ん中に変更したのだ。

 展望台からの眺望は相変わらず素晴らしい。おまけに、狭かった展望台の通路も階段も新しく広くなっていた。記念に写真を撮ろうとしたが、携帯のバッテリー切れでだめだった。

 これには余分なお金と時間を遣ったかもしれない。でも、これには誰でも、「よかったじゃん」と、言うはずだ。計画に待ったをかけた人と計画変更を断行した誰かに拍手を送りたい。

 香貫山展望台のようなダイナミックなデザインが、これからの日本にもできるものだろうか。国民が「いいじゃん」と思えるようなデザインを、トップダウンばっかしで、ボトム切り捨ての、今の日本を動かしている方達に期待するのは無理かなあ。 

       
       
Shibacho−caffe official homepage