| (1)国民年金概要 |
国民年金の概要を大まかにまとめると次のように表すことができます。
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厚生年金保険や共済年金被保険者を含め全国民が適用を受ける。 |
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老齢、障害、死亡に対して必要な給付が行われる。 |
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原則として、満20歳から満60歳まで40年間保険料を納付すると、満65歳から老齢給付(老齢基礎年金)を受けることができる。 |
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老齢基礎年金を受けるためには保険料を納付した期間が25年以上必要である。すなわち、24年間保険料を納付しても老齢基礎年金は全く受けられない。(重要) |
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40年間保険料を納付した者は年額794,500円(平成16年度)の老齢基礎年金を受けることができる。 |
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保険料納付済期間が短い(40年に満たない)と老齢基礎年金額は減額される。 |
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| (2)国民年金の目的 |
国民年金制度は、日本国憲法第25条第2項(国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。)の理念に基づき、老齢、障害、死亡によって国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によって防止し、もって健全な国民生活の維持、向上に寄与することを目的とします。
国民年金は、上記目的にあるように、保険事故として長期にわたって国民に所得の喪失をもたらす老齢による収入減、又は心身障害による収入困難、生計中心者の死亡による遺族の収入の途絶に対して年金の形で所得を保障する制度です。 |
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| (3)国民年金制度の沿革及び新法と旧法 |
国民年金制度(国民年金法)は、それまで年金が適用されていなかった自営業者、零細企業労働者等を対象に昭和34年11月に施行されました。施行と同時に満70歳を超えている者に無拠出型の老齢福祉年金の支給を開始、昭和36年4月から拠出型年金がスタートしました。その後、昭和61年4月より制度が大きく変わり、全国民が国民年金の適用を受けることになりました。
昭和36年4月1日から昭和61年3月31日までの国民年金法を旧法、昭和61年4月1日から施行されたものを新法といいます。昭和61年4月1日はこれからも頻繁に出てきますが、支給要件等をみる場合重要な年月日です。 |
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| (4)公的年金制度の仕組 |
国民年金は老齢、障害、死亡について、すべての者に共通する基礎年金を支給します。民間サラリーマンは基礎年金である国民年金に厚生年金が上乗せ給付として支給されます。「私は厚生年金に加入しているので国民年金には加入していない。」と思われている方が多いと思いますが、現行制度(昭和61年4月1日以降)では厚生年金保険に加入している者はすべて国民年金にも加入していることになります。
同様に、公務員(国家公務員共済組合、地方公務員等共済組合)は基礎年金である国民年金に共済年金が上乗せ給付として支給されます。私立学校の教職員(日本市立学校振興・共済事業団)も同様です。
自営業者やサラリーマンの配偶者は、基礎年金である国民年金だけの加入になります。従って、支給される年金額も民間サラリーマン等と比較すると少なくなります。 |
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| (5)国民年金の給付 |
国民年金は、保険事故が生じた場合には必要な給付を行い、制度の目的を達成することになります。保険事故には、老齢、障害、死亡の3つがあります。この3つの保険事故が発生した場合、老齢については老齢基礎年金及び付加年金、障害については障害基礎年金、死亡については遺族基礎年金、寡婦年金及び死亡一時金が支給されます。
老齢基礎年金の受給権者が付加保険料を納付している場合は、老齢基礎年金受給の際に、付加保険料を納付した月数に応じた付加年金が支給されます。付加年金と寡婦年金及び死亡一時金は国民年金の第1号被保険者(農業、自営業者等)に対する独自給付です。従って、民間サラリーマンや公務員には支給されません。 |
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| (6)保険者 |
国民年金事業は政府が管掌します。また、国民年金事務は社会保険庁長官が行いますが、一部は共済組合等に行わせたり、市町村長(特別区の区長を含む)が行うこととすることができます。
具体的な事務の内容は次の通りです。
(1)社会保険庁長官:国民年金原簿の管理、裁定、国民年金手帳の作成・交付等
(2)市町村長:届出の受理・審査・報告等
国民年金を政府の管掌としたのは、法律によって多数の被保険者の意思のいかんにかかわらず強制的に加入させ、長期にわたって保険料を徴収するとともに、保険事故が生じたときは長期にわたって年金を支給して被保険者及びその遺族の生活を保障することを目的とする社会保険制度であるためです。また、これらを行うためには巨額の積立金を必要とするため、その安全な運用をはかるためにも政府が国民年金の運営に当たるのが妥当と考えられます。 |
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| (7)被保険者 |
国民年金制度は、原則として、社会保険方式をとっています。すなわち、一定の法定要件に該当する者はすべて強制的に被保険者とされ、保険料の納付義務を負わされます。その一方で、これらの者に老齢、障害、死亡といった事故が発生した場合には、保険料の納付実績に基づいて給付を行うという仕組みです。
国民年金の被保険者には、強制加入被保険者と任意加入被保険者があります。強制加入被保険者は、さらに第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者に区分されます。それぞれについて、国内居住要件、年齢要件、資格得喪の時期が異なります。 |
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| (8)強制被保険者(1) |
第1号被保険者は、日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者で、第2号被保険者及び第3号被保険者以外の者をいいます。何か分かりにくいですが、具体例を挙げると、自営業者、農林漁業従事者、国会議員・地方議員とその配偶者、20歳以上の学生等が該当します。
また、国籍要件はありません(第2号被保険者、第3号被保険者も同様に国籍要件はありません)ので、日本国籍を有しない者でも要件に該当すれば第1号被保険者になります。
ただし、被用者年金各法(厚生年金保険法、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法、私立学校教職員共済法)に基づく老齢給付等を受けることができる者を除きます。 |
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| (9)強制被保険者(2) |
第2号被保険者は、被用者年金各法(厚生年金保険法、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法、私立学校教職員共済法)の被保険者、組合員、加入者をいいます。第1号被保険者のように国内居住要件や年齢要件を問いませんので、20歳未満であっても就職したときは被保険者となります。ただし、65歳以上の被保険者等で、老齢基礎年金、老齢厚生年金、退職共済年金等の受給権(受給する権利)を有する者は第2号被保険者とはしません。
第3号被保険者は、第2号被保険者の被扶養配偶者で、20歳以上60歳未満の者をいいます。第2号被保険者の配偶者自身が厚生年金保険等の被用者年金各法の被保険者である場合は、所得に関係なく第3号被保険者ではなく第2号被保険者になります。 |
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| (10)被保険者から除かれる者 |
第1号被保険者の要件に該当した場合でも次の者は第1号被保険者にはなれません。ただし、第2号、第3号被保険者に該当する場合は第2号、第3号被保険者になることはできます。
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厚生年金保険法等の被用者年金各法に基づく老齢給付等の受給権者:老齢又は退職を支給事由とする年金給付を実際に受給している者 |
| (2) |
外国法令適用者:国民年金法による年金給付に相当する給付を行うことを目的とする外国法令の適用者 |
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| (11)任意加入被保険者 |
次のいずれかに該当する者(第2号被保険者及び第3号被保険者を除く)は、原則として適用除外となりますが、社会保険庁長官に申し出て被保険者になることができます。任意加入被保険者制度は、60歳に達したときに老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていない者(国民年金の保険料納付済期間と保険料免除期間を合算して25年以上ない者)を受給できるようにすることが可能、満額の老齢基礎年金に近づけることができる、日本国内に住所がなくても任意加入により帰国後受給権に結びつけることができるなどの意義があります。
任意加入被保険者となることができる者は次の通りです。
| (1) |
日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者であって、被用者年金各法に基づく老齢給付等を受けることができる者 |
| (2) |
日本国内に住所を有する60歳以上65台未満の者 |
| (3) |
日本国籍を有する者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上60歳未満の者 |
任意加入被保険者としての被保険者期間は、第1号被保険者としての被保険者期間とみなします。ただし、任意加入被保険者は、保険料の法定免除及び申請免除は適用されません。また、任意加入被保険者は、いつでも、社会保険庁長官に申し出て被保険者資格を喪失することができます。 |
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| (12)保険料納付済期間 |
保険料納付済期間とは、次の被保険者期間を合算した期間といいます。この期間によって国民年金の受給金額が変わりますので大変重要です。
| (1) |
第1号被保険者(自営業者等)期間のうち保険料を納付した期間(督促及び滞納処分により徴収された期間を含む。保険料半額免除の規定により半額を納付することを要しないものとされた期間のうち残りの半額のみを納付した期間を除く) |
| (2) |
第2号被保険者(民間サラリーマン、公務員等)としての被保険者期間 |
| (3) |
第3号被保険者(第2号被保険者の配偶者)としての被保険者期間 |
これから先、はじめて聞くような言葉がいくつか出てきますが、一度に説明することは難しいため少しずつ説明していきます。わからない部分は読み飛ばして下さい。 |
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| (13)保険料免除期間 |
保険料免除期間とは、保険料全額免除期間と保険料半額免除期間とを合算した期間をいいます。
保険料全額免除期間とは、第1号被保険者(自営業者等)としての被保険者期間であって、法定免除、申請免除、学生納付特例の規定により納付することを要しないとされた期間(追納された期間を除く)をいいます。追納とは、納付することを要しないとされた期間の保険料を後になって納付することをいいます。
保険料半額免除期間とは、第1号被保険者としての被保険者期間であって、保険料半額免除の規定により半額を納付することを要しないとされた期間(残りの半額を納付した期間に限る、追納された期間を除く)をいいます。
保険料全額免除期間は、老齢基礎年金に関しては保険料納付済期間の3分の1,保険料半額免除期間は3分の2に相当するものとして計算します。 |
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| (14)任意加入被保険者の特例 |
次のいずれかに該当する者(第2号被保険者を除く)で、老齢基礎年金、老齢厚生年金、退職共済年金の受給権を有しない者は、社会保険庁長官に申し出て国民年金の被保険者になることができます。
| (1) |
昭和30年4月1日以前生まれで、日本国内に住所を有する、65歳以上70歳未満の者 |
| (2) |
昭和30年4月1日以前生まれで、日本国籍を有し、日本国内に住所を有しない、65歳以上70歳未満の者 |
老齢基礎年金を受給するためには、20歳から60歳までの間に保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が25年以上あることが必要です。しかし、60歳に達しても25年以上の期間がない場合は任意加入被保険者として加入し25年以上の期間になれば受給することができます。65歳に達しても25年以上の期間にならない者が受給に結びつけることができるようにさらに特例による任意加入被保険者制度を設けてあります。 |