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消せないロザリオ
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消せないロザリオ


† プロローグ †


暗雲なんて、どこからやってくるのかわからない。












「やだっ、放してください!」








一人の女性の声が、暗い夜道にこだまする。
男の集団の中に囲まれた彼女は、必死に声を出すが、明らかにその声は震えていた。
「いいじゃん。お姉さん、僕たちと遊ぼうよ」
一人の男が、ポケットに手を突っ込みながら、ふらふらと彼女に近づいていく。
彼女はおびえながら、悲鳴を上げた。








消せないロザリオ








キャンパスは広かった。
想った以上に広かった。
そう、彼はこの大学に入学してきた一年生。
ここ、王京大学に入学してきた、期待と不安が頭の中を交差している一人の青年。
足取りはその固まった顔にシンクロするように重く、なかなか足が前へと動いてはくれない。
「ちっくしょ〜。入学式が終わったっていうのに、初日からこれかよ」
彼は、自分の頭をぽかぽかと殴った。入学式だけでも、緊張して声が裏返ってしまったほどだ。
周囲の受けはよかったようだが・・・本人はそれどころではなかった。
「この大学、野球部ないじゃん〜よ〜」
遥かなソラへ向かって、青年は思いっきり叫んでみた。
江良 自由。彼はつくづく自分の入った大学と行動を後悔した。








王京大学には野球部がない。
理由は謎だが、王京大学の野球部は、リーグの中では強豪クラスで、何度もリーグ優勝をし、社会人野球のチームを破った実績すら持っている。
自由は、そんな歴史ある伝統の古豪に入学し、ここからプロを目指そうと想った。
だが実際にいざ門をくぐってみたら、野球部はない。
それどころか、倉庫には野球のボールすら入っていなかった。
「どういうことですか、これは」
彼は非常に落胆していた。入る場所を間違えた。そう。








「こんな環境じゃ、プロはおろか、卒業まで持っていけるかどうか・・・」
彼は非常に頭の出来が悪い。この大学に入ったのも、体育推薦でだ。
もしも自由が運動音痴だったら、一億パーセント、彼はここにいない。断言してもいいほどである。
「さーて、どうしたものか」
もちろん、彼の脳みそでは編入試験なんぞハイカラなものは受けても結果が見えている。不合格だ。
社会人野球チームに入ったところで、重要な仕事ができないので即刻解雇だろう。
彼に残された選択肢は、「野球をあきらめること」そして・・・








考えながらふらついていたら、いつの間にか階段の前に来ていた。
「今日は講習はないし・・・。ん?」
彼はボーっとしながら階段の横にある扉が気になった。
銀色の扉である。昔からこういうところは、たいがいは倉庫とか、変なものが入っていたりするくらい空間である。
しかし自由は、入ってみたいという衝動に駆られる。まさに自由な発想、天真爛漫だ。
がチャリと、ドアノブに手を伸ばす。
やはり中は暗かったが、そこには驚くものが見えた。
「はっ?!地下室へ続く階段?!」
わかりやすく、扉の裏側に「この先地下室、関係者以外立ち入り禁止」とかかれていた。
「関係者じゃないけど・・・お邪魔しマース」
自由は、あたりを確認してから、そっと扉の中にある階段を下りていった。
この後、自分が「野球部」のために奔走するであろうことも知らずに・・・。



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