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果て無き夢へ
果て無き夢へ登場人物


第四話  時雨VSクリス







審判:「ストライク!バッターアウト!!」
3番打者のベテラン今村ですら、内側に食い込んでくるシンカーに空振りを許す。
条辺はなんと初回をパーフェクト、14球で3連続奪三振を奪った。
仲嶋:「修吾」
ベンチに戻る途中、センターとライトから戻ってきた大西と仲嶋に声をかけられる。
大西:「条辺さんの呼び名、なんていうか知ってる?」
修吾:「いいえ、まったく・・・」
大西:「徳島のドクターK」
仲嶋:「あの人、毎年毎年奪三振率が高いらしいんだよね〜。タイトルまでには届かないんだけど・・・」
大西:「ちなみに、彼のここ3年間の奪三振率は普通の投手の2倍以上」
修吾:「ふへぇ。アンダースローに加え、ドクターKの異名まで・・・」
世界は広い。それが、プロとしての公式戦の1回表を終えて感じたことだった。
修吾:「(でも、この世界でやっていける。俺は全力疾走でいく・・・)」










同じ頃、千葉。
時雨 渉があと一人コールを受けていた。
試合は、主砲の清川の2ランホームランと6番衣笠のタイムリーで3−0。
時雨はなんと今までの29人に対し、無安打3四死球と、まさにノーヒットノーラン目前だった。
時雨:「(ここまで積み上げてきた努力。半端じゃねぇしな・・・すべては、愛する女性のために!!)」
ここでチェリーズベンチが動く。
代打のようだった。
時雨:「(いよいよ来るってわけか・・・。チェリーズのラスボスが・・・)」











アナウンス:「バッター、・・・に変わりまして・・・クリス、バッター・クリス。背番号00・・・」
ベンチからアイマスクをしていた男が、それをはずす。
日本語がわかるのか、通訳がそばにいない。
男は、バットケースからシルバーにペイントされた自分専用のバットを持ち出し左バッターボックスへと入った。
男がヘルメットの下に見せた鋭い眼光。まるで獲物を捕らえるライオンのような、不吉な目。
しかし時雨もひるまない。愛に燃える男、勝負に燃える男。
そして時雨は、ノーヒットノーランを目前にしている。
時雨:「逃げるわけねぇよ・・・貴様の実力はわからねぇけど、正面からぶっ潰す!!」
クリス:「・・・ふっ・・・威勢だけはいいようだな・・・」
時雨:「何?」
クリス:「ふん。貴様のウィニングショットが私に通用しなければどうということはない。カモン」
時雨:「(へへっ・・・うわさには聞いていたが口も達者な用で・・・)」
古木:「(まて!サインを出していない!早まるな!!)」
時雨:「なによりだぜ!この野郎!!」
時雨はサイドスローから思いっきり自分のウィニングショット・・・高速スライダーを投げ込んだ。
それは左バッターボックスのクリスの内角へと食い込んでいく・・・が・・・
クリス:「なかなかくさくていいコースだ。だが、私にとってこのコース・・・インサイドはジャスト・ポイント!!」
時雨:「!!」





閃光・・・まさに快音が響いたときにはクリスは振り終わり、ピッチャー時雨の顔面左を高速でかけていく光のように飛んでいく。
時雨の自慢の蒼い髪の毛が、2,3本はらりと舞った。だが、次の瞬間・・・







パシッ!!







軽快なキャッチの音。
みると、センターの助っ人外国人バーク・ミーテリアがそれをキャッチしている。
バーク:「(わが国の国民の代表としてジャパンへ来た。実力を侮らないでほしいな)」
クリス:「(ふっ。まぁ、こんなデビューも悪くはないだろう・・・)」
センターライナー。この瞬間、ランナウェイズの開幕勝利が確定。
だが、時雨の表情は喜んではいなかった。
時雨:「(俺の決め球の高速スライダーが・・・いや、そんなことは前にも何回もあった・・・あのスイングの早さ・・・尋常じゃねぇ・・・)」
クリスはバットケースにバットを放り込む。
だが、次の瞬間手元のドリンクケースを取ろうとした瞬間、両手に痺れを感じた。
クリス:「(なっ・・・痺れ・・・?・・・なるほどな・・・)」
クリスはヒーローインタビューを受けている時雨を遠い目で見ながら、想う。
クリス:「(時雨とかいったか・・・。奴は近々、わが国と対戦することになるだろう。わが国と“国際大会”にて・・・。間違いなく、時雨は代表入りしてくる。奴のスライダーには球の重さと想いの強さが重なっていた。あんなボールを打ったのは初めてだ・・・スタンドに届かなくて、当然・・・というわけか?)」
ふっ、と軽く笑うと、クリスはロッカールームへと引き上げていった。







時雨がノーヒットノーランの偉業を達成した最中、キラーズではアクシデントが発生していた。
蔵田:「ひゃはははは」
マウンド上で蔵田が嘲笑している。冷徹な顔だ。
それに対して、バッターボックスの仲嶋は腹を押さえている。
仲嶋:「(く・・・ぐぅ・・・)」
蔵田:「おーい、早くたってくれねぇか?」
蔵田はボールを受け取ると、投球モーションに入ろうとしている。
蔵田:「さっさと終わらせようぜ?裏切り者のチームとの試合なんてよぉ」









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