そうして、可憐たちみんなのお弁当のお味を見てくれたお兄ちゃんは、
「どれも、みんな、とってもおいしいお弁当だよ!それじゃあ、みんなでいただくとしようか!」
「はい!いただきます」
「いただきますですのっ!」
「いただきまーす」
白雪ちゃんのお弁当は、ちょっと辛いのや刺激の強いのが多いけど、そのあとに亞里亞ちゃんのあま〜い
サンドイッチを食べると、お口のなかがスゥ〜っとやわらかくなるからフシギです♪
それに可憐が作ったお寿司もけっこう出来がよかったみたいで、みんなよく食べてくれてるし・・・よかった!
実は・・・その・・・ナイショなんだけど・・・ひとつだけ違うかたちで握ったお寿司があって・・・その・・・ハートの
かたちをしたお寿司なんだけど・・・もしお兄ちゃんがそれを見つけてくれて食べてくれたら、可憐とお兄ちゃんは
・・・・・・なんて、おまじないを・・・可憐はしているんだけど・・・・・・。
そう考えていると・・・。
「あれ?!なんだろ?・・・これひとつだけかたちが違うな・・・・・・」
えっ?!お、お兄ちゃんが・・・本当に?!・・・ど、どうしよう・・・・・・。
だんだんと可憐の胸の中が・・・ドキドキしてきています・・・・・・。
「あら?!本当ですの!ハート型のお寿司ですのっ!!」
「ハートのお寿司〜〜♪」
あっ!白雪ちゃんと亞里亞ちゃんにも見つかっちゃたみたい・・・。
「にいさま!そのお寿司は・・・きっと特別な愛が詰まったお寿司ですのよ〜!」
や、やだ・・・白雪ちゃんたら♪
「そ、そうなのかい?可憐・・・・・・」
え〜・・・、ど、どうしよう・・・可憐の今のお顔・・・きっと、真っ赤かだよね・・・・・・。
その・・・お兄ちゃんに何て言えば・・・・・・。
「じゃあ・・・可憐。このお寿司・・・お兄ちゃんがもらうね!」
ほ、本当に?お兄ちゃん・・・・・・。
もしお兄ちゃんがそのお寿司を食べてくれなかったら、可憐どうしようって思っていたけど・・・・・・。
「うん!ごちそうさま。可憐の真心のこもったお弁当、おいしかったよ!もちろん白雪と亞里亞のお弁当もね!」
「お兄ちゃん、ありがとう!!」
「にいさま、ありがとうですのー!!」
「兄や〜、ありがとうなの〜〜♪♪」

 そして・・・・・・とっても楽しいお弁当のお時間が終わりを告げようとするころ・・・・・・。
「きゃーー!!姫、お食事のあとのデザートを用意するの・・・すっかり忘れてましたですのっ!!」
白雪ちゃん・・・ちょっとごめんなさいって感じになっちゃって・・・なんだかかわいそう・・・・・・。
でも、ちょうどその時、ここの下のほうで車の止まる音がしました。
見てみると、それは・・・ここに来るまでに可憐たちが乗ってきた、じいやさんの運転するお車でした。
じいやさん・・・何か両手でトレーを持っているみたいです。
じいやさんは、すぐに可憐たちのいるところまで来てくれました。
そして、トレーの上には、きれいなお皿の上に、とってもおいしそうにカットされたメロンが載っていました。
「実は、このメロン・・・私が入ったあの喫茶店の店主の方からいただいたんです。そのお方がメロンの栽培も
なされていて、しかも今日採れた一番おいしいのをわけてもらえましたので、ぜひみなさんにもと思いまして・・・」
それを聞いた白雪ちゃんは、
「うわ〜ん!!じいやさん、ありがとうございますですのーー!!姫、食後のデザートを用意し忘れていて・・・」
「それでしたら、ちょうどグッドタイミングだったわけですね!」
「じいやさん、ありがとうございます。僕のほうからもお礼を言います。それじゃ、せっかくじいやさんがここまで
運んできてくれたわけだし、ありがたくいただくことにしよう!」
「そうですね。それでは、いただきますね!」
「亞里亞、はやく・・・あま〜い、あま〜いメロンが食べたいの〜♪」
そうして、それからしばらくのあと・・・高原での楽しい楽しいお弁当会は終わりを告げたのでした。


 そして・・・それから、数日後にお兄ちゃんからお手紙が届きました。
その中には数枚のお写真も入っていました。
お兄ちゃんは、その日カメラを持ってきてくれていて、可憐たちを時々撮ってくれていました。
でも最後に、じいやさんがお兄ちゃんも入れて撮ってあげますよと言ってくれて、お兄ちゃんを中心にしてお写
真を撮ることになりました。
まずお兄ちゃんの前には亞里亞ちゃんが、そして右側に白雪ちゃん・・・そしてお兄ちゃんの左側には・・・・・・
こっそりお兄ちゃんと腕を組んじゃってる可憐が・・・・・・キャッ!
これって、もしかすると・・・あのおまじないが効いたのかな♪・・・・・・えへへっ!
だから・・・このお写真は・・・可憐の・・・とっても大切な大切なお写真です!!


 (おしまい)
(あとがき)いかがだったでしょうか?今回は、また新たな手法を試してみました。場合によるとSSとは呼べない
      かもしれません。マルチストーリーとか?(笑)さらに視点まで変わってしまうし・・・(爆)。
      こういうのは賛否両論あるかもしれませんが、もしあれば“掲示板”にでも書き込んでいただければ幸
      いに思います。
      ちなみに、(ご案内)での視点の設定に関する説明で、可憐ちゃん視点とせずに妹視点とあるのは、
      こういう時のためにあります(笑)。
      ところで、今回じいやさんも出てきましたが、当初は登場させる予定はありませんでした。しかし、高原
      までの移動を考えると、亞里亞がいるならやはりじいやさんの運転する車で・・・ということになりました。
      しかも、第3期の連載を見ると、亞里亞の付き添いにじいやさんがいることが多かったですから!(笑)
      ただ、問題があって、妹たちとじいやさんのお互いのやりとり(呼び方とか)が不明確なので、そこは勝
      手に想像&設定しました(苦笑)。
      それでは、また何かやるかもしれませんが、次回のお話をお楽しみに〜♪

      (’02年5月26日追記)
       それぞれの選択肢内のお話を、かなりボリュームアップさせました。(当社比3倍増です!!(笑)
      21日にアップした時点ではあれで限界だったのですが、あとから見てみるとまだまだ言い足りないとこ
      ろが見えてきたり、さらに掲示板でも同様のご指摘をいただいたりしましたので、それならばということ
      で加筆修正をすることにしました。
      あと、亞里亞が自分の姉たちのことをどう呼ぶのかもまだ不明なので、そこはじいやさんの件と同様に
      勝手に想像&設定しました。というか、「姉や」しか考えられんです!!(爆)
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