第12回 「ラブリーフェイス」
 数日前のお休みの日、ショッピングセンターの中にある大きなお店に、可憐はお買い物に来ていました。
なぜ数日前かと言うと、ちょうど数日後は鈴凛ちゃんのお誕生日だからなんです!
「鈴凛ちゃんのお誕生日プレゼントは何がいいのかな〜・・・?」
可憐は、今・・・もう目の前に近づいてきている鈴凛ちゃんのお誕生日プレゼントを選びにきています。
・・・・・・でも、可憐・・・なかなか鈴凛ちゃんの好みが分からなくて、プレゼントは何がいいのか迷っています。
だから、可憐は1人では決められそうもなかったので、四葉ちゃんといっしょに来て決めることにしました。
「う〜ん・・・・・・鈴凛ちゃんが喜んでくれそうなものって・・・・・・ちょっと難しいかもしれないデス・・・・・・」
四葉ちゃんも少し困っているみたいです・・・・・・。
本当は鈴凛ちゃんが貰って喜んでもらえるものは、可憐も四葉ちゃんも知ってはいるんだけど・・・・・・。
でも、せっかくのお誕生日プレゼントだし、できればもっと違うもので喜んでほしいな〜・・・って思っているんです。
だから、可憐たちは今いるフロワーから別のフロアーに移ることにしました。
鈴凛ちゃんの好みや趣味に合わせるのもいいかもしれないけれど、もっと別の形で喜んでもらえたら・・・って
思ってもいます!
可憐は、迷ったり、四葉ちゃんといっしょに相談したりもしました。
「ねえ、四葉ちゃん!これなんかどう?」
「わぁ〜!とってもいいデス!!これなら、きっと鈴凛ちゃんに似合うと思います!!」
・・・・・・でも、大きさが大丈夫かが気になったので・・・・・・。
「だけど、これだと・・・鈴凛ちゃんのサイズに合うかどうかがちょっと心配ね・・・・・・」
そう、ちょっと不安げな表情になった可憐を見て、四葉ちゃんは・・・・・・。
「可憐ちゃん、そのことについては四葉におまかせなのデス!!」
「えっ!?四葉ちゃん、もしかして鈴凛ちゃんの知ってるの!?」
「ハイ!四葉、この前に鈴凛ちゃんのお家にお泊まりした時に、鈴凛ちゃんといっしょにお風呂に
入ったのデスが・・・・・・、実はその時に偶然チェキできたのデス!!」
「えっ!?・・・四葉ちゃん、それは・・・どうやって・・・・・・?」
可憐が四葉ちゃんにそう尋ねると、四葉ちゃんは可憐のすぐ真後ろに移ったかと思うと、体をピッタリと
くっつけてきて、可憐は四葉ちゃんの両腕でギュッと抱きしめられるような形になりました!
可憐・・・ちょっとビックリして・・・・・・。
「キャッ!・・・四葉ちゃん・・・・・・こ、これは・・・・・・」
「可憐ちゃん、少しだけジッとしててください!」
四葉ちゃんはそう言うと、それから位置をずらして、何回か同じようにして可憐のことをギュッとするのでした!
そのあと、四葉ちゃんは可憐のサイズを聞いてきたので、答えてあげることにしましたが、
それを聞いた四葉ちゃんはウンウンと納得して、頷いて・・・それから少し考えた末に・・・・・・。
「うん、このサイズで大丈夫みたいデスね!」
という四葉ちゃんの答えが出たので、可憐はちょっと不思議な感じがしたものの・・・・・・、
可憐たちは・・・これを鈴凛ちゃんへのプレゼントにすることに決めたのでした☆

 そして、鈴凛ちゃんのお誕生日当日を迎えて・・・・・・。
可憐は四葉ちゃんといっしょに鈴凛ちゃんに渡すプレゼントを持って、鈴凛ちゃんのお家に来ていました。
実は準備の都合もあって、お誕生日パーティーが始まるよりもかなり早めに可憐たちは来ていましたが、
本当はお兄ちゃんたちが来る前に先に鈴凛ちゃんにプレゼントを手渡したかったからなんです。
準備がほぼ終わったところで、可憐と四葉ちゃんは少し早いけど、鈴凛ちゃんにお誕生日プレゼントを渡す
ことにしました。
「鈴凛ちゃん、お誕生日おめでとう!」
「鈴凛ちゃん、お誕生日おめでとうデス!」
さすがに鈴凛ちゃんはビックリして・・・・・・。
「えっ!?・・・でも、まだちょっと早いんじゃない・・・?」
「うん、ちょっと早いかもしれないんだけど・・・・・・」
「鈴凛ちゃん、中を開けてみてください!」
四葉ちゃんに促されて、鈴凛ちゃんは可憐たちからプレゼントが入った箱を受け取って、中を開けだしました。
すっかり開かれて、中から取り出されたプレゼントを見た鈴凛ちゃんは・・・・・・。
「え〜〜!!これを私に・・・!?・・・でも、何だか恥かしいな、こういうの・・・・・。私に似合う・・・のかな?」
少し不安げな様子の鈴凛ちゃんだったけど、可憐と四葉ちゃんは鈴凛ちゃんの不安を取り除くように・・・・・・
こう言いました。
「鈴凛ちゃん・・・大丈夫!鈴凛ちゃんは可愛いんだから、きっと似合うと思うよ!」
「そうデスよ、鈴凛ちゃん!可憐ちゃんの言う通りデス!!鈴凛ちゃんなら、きっと似合うと思います!!
兄チャマが見たら、きっと喜んでくれること間違いナッシングデス!!」
可憐たちの言葉で、鈴凛ちゃんは少し安心したみたいです・・・うふふっ☆
だから、可憐と四葉ちゃんは・・・・・・。
「あの・・・鈴凛ちゃん。もしよかったらでいいんだけど・・・、今日のパーティーはこれで出てみたらどうかな?」
「鈴凛ちゃんは今日の主役!お姫様なのデス!!だから、鈴凛ちゃんにはもっと輝いてほしいのデス!!」
すると、鈴凛ちゃんは意を決して、
「うん、わかったよ!じゃあ、今日は特別だよ!」
鈴凛ちゃんはそう言うと、可憐たちから受け取ったプレゼントを持って自室に戻っていきました。
すると、玄関の方から誰かが来た様子がしたので、代わりに可憐が見に行くと、そこには・・・お兄ちゃんたちが
来てくれていました♪
お兄ちゃんたちをパーティー会場となるリビングにご案内してしばらくすると、鈴凛ちゃんがみんなの前に
素敵な姿で登場してくれました!
それは・・・フリルが付いた真っ白なサマードレス姿の鈴凛ちゃん☆
鈴凛ちゃんは少しお顔を赤くしていたけど、みんなが鈴凛ちゃんのことを見つめていたので、さらにお顔が
赤くなったみたいでした!
でも、ちょっと驚いたことに、今度はお兄ちゃんが用意してきていたプレゼントを鈴凛ちゃんに手渡して、
中を開けてごらんと、鈴凛ちゃんに微笑みかけていました。
すると、中からは・・・真っ白なちょっと可愛い感じがするお帽子が出てきました!
鈴凛ちゃんは驚いたようにお兄ちゃんからのプレゼントを見ていましたが、お兄ちゃんがそっとそのお帽子を
手にすると、鈴凛ちゃんの頭の上にフワッと載せてあげたのでした☆
その鈴凛ちゃんの姿を目にしたお兄ちゃんや可憐たちは・・・・・・。
「鈴凛、よく似合っているよ!お誕生日おめでとう!!」
「鈴凛ちゃん、うふふふ・・・とっても、よく似合ってるよ♪改めて、お誕生日おめでとう!」
「鈴凛ちゃん、とっても、と〜っても似合ってるデスよ!!もう一回、お誕生日おめでとうデス!」
「ありがとう、アニキ、可憐ちゃん、四葉ちゃん、・・・・・・私、すっごくうれしいよ!!」
可憐たちは、最初はどうなるかちょっと心配だったけれど・・・・・、そのあとは鈴凛ちゃんがとっても可愛らしい
笑顔で微笑んでくれていたので、鈴凛ちゃんやみんなにとって、今日はとっても楽しくて素敵な一日になれた
ように感じられました・・・・・・・・・・・・。


 (おしまい) 
(まえがき)今回は7月9日に誕生日を迎えた鈴凛をみんなでお祝いしようというお話です。
       当初、登場するのは鈴凛と可憐と兄だけの予定でしたが、鈴凛と言えば、やっぱり四葉!
       ということで、四葉にも登場を願うこととなりました!(笑)
       ちなみに設定は、G’sでの連載がこの度の8月号で終了したことを受けて、原作版にすることに
       しました。
       で、視点を誰にするかで悩んだりもしましたが、ここはあえて可憐ちゃんでいくことにしました。
       鈴凛で・・・とも考えたのですが、妹代表でもある可憐ちゃんの立場から見た方が、かえって鈴凛の
       良さが引き出せるかもしれない・・・と感じましたので、そのように決定しました!(謎&笑)
       それでは、鈴凛お誕生日お祝い記念SSを、どうぞお楽しみください!!
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(あとがき)いかがでしたでしょうか?当初はあれもこれも、さらにはあんなことやこんなことも(謎&爆)考えては
      いたのですが、それらについてはすべてボツになりました(苦笑)。
      さすがに鈴凛と可憐だけでは難しいと思ったので、四葉を入れてみたのですが、今を思えば、もう少し
      四葉独自の活躍があってもよかったかな〜とも思っています。
      (出来れば加筆したいぐらいなのですが・・・(汗&笑)
      なお、今回は普段はどちらかと言うとカッコイイ系の鈴凛なのですが、実はその中に隠されている
      女の子らしい可愛さを少しでもより良く表現出来れば・・・という思いを込めて書いてみました。
      ところで、次回は8月15日の雛子の誕生日に合わせて書く予定でいますが、場合によっては今年も
      例の企画物になる可能性がありますので、そこのところはそれまでのお楽しみにということにして
      おきたいと思います!(微笑)

      (2003年7月16日追記)
       四葉のちょっとした活躍ぶり(謎&爆)を追加して、加筆修正をいたしました(微笑)。