第11回 「もっと近くに・・・」
 これは・・・いったい・・・・・・四葉はどうしちゃったのデスか・・・・・・?
今の四葉は・・・・・・なんだかフシギな感じがして・・・・・・まるでフワフワしてて気持ちがいいの〜♪
・・・・・・もしかして・・・・・・四葉は・・・まだ夢の中に・・・・・・いるのかな?
だって、四葉の体・・・・・・フワッと浮いているみたい・・・・・・。
それに・・・・・・天井がいつもよりも近くに見えるし・・・・・・。
だから、四葉は体を引っくり返して下を見ることにしました・・・・・・。
そこには・・・四葉のベッドには・・・・・・四葉の寝ている体があったのデス!?
・・・・・・四葉は、ベッドに近寄り・・・・・・四葉の体をじっと見ると、手を差し伸べてみました。
でも・・・四葉の手はスゥッ〜となっちゃって・・・・・・。
これって・・・もしかして・・・・・・四葉は透明人間さんになっちゃったのデスか!?
キャッホー!これなら四葉・・・どこでも誰にも見つからずに探偵活動ができちゃうのデス!!
そして、そして・・・兄チャマのことはもうチェキし放題デス〜♪
・・・・・・あれ?・・・四葉、もっと大事なことを忘れているような気がするのデスが・・・・・・。
でも、今の四葉にはそんなことは関係ナッシングデス!!

 ということで、四葉はお家を出て兄チャマのお家に向かうことにしました。
四葉は途中でいろんな人たちにすれ違ったけど・・・・・・やっぱりフシギなの!?
だって四葉がぼうっとして歩いていても、他の誰かにぶつかっちゃうことがないの・・・・・・?
四葉のことは見えていないはずなのに・・・変デスね・・・クフフフゥ☆

 そうしているうちに・・・四葉は兄チャマのお家に着いたので、早速玄関の扉を潜り抜けて、
兄チャマのお家の中に潜入することにしました。
兄チャマ、兄チャマは・・・どこデスか〜?
・・・アレ!?他にも誰か来ているみたいデスね!?
玄関には女の子の靴が1組、綺麗に揃えて置かれているデス!!
・・・・・・う〜ん、1階には誰もいないみたい・・・・・・。
やっぱり2階の兄チャマのお部屋なのかな・・・・・・。
四葉は2階に上がって、兄チャマのお部屋の前まで来ました。
お部屋の中からは、兄チャマと女の子の可愛い声がしてきました!!
ま、まさか・・・兄チャマ、四葉の知らないうちに・・・・・・。
四葉はドキドキしてきて、ドアのノブを手に取ろうとしましたが・・・・・。
ちょうどその時、そのドアが開いて、中から兄チャマが出てきました!
「可憐、少し待ってて。お茶を入れてくるからね」
「はい、お兄ちゃん・・・じゃあ、可憐は待ってますね♪」
四葉、ちょっと安心しました!女の子の正体は可憐ちゃんでした!!
兄チャマのお部屋には・・・兄チャマが出て行って、可憐ちゃん1人になったのデスが・・・・・・。
四葉は、せっかくだから可憐ちゃんのこともチェキしようとして、可憐ちゃんの周りをグルグルと
回っていたのデスが・・・・・・。
「あれ!?誰か可憐の側にいるのかな・・・・・・?
・・・・・・気のせい・・・よね?」
あっ!?・・・もしかして可憐ちゃんには四葉のことがわかるのデスか?
さすがは可憐ちゃん!・・・侮れないデス!!
はやくチェキを済ませないと、可憐ちゃんに見つかっちゃうかも・・・・・・。
それで四葉はちょっと慌て気味になって、可憐ちゃんの体に重なるようになったのデスが・・・・・・。
四葉の体は、可憐ちゃんの体の中に吸い込まれるように溶け込んでいきました・・・・・・。

 そのすぐ後に気がつくと、四葉は・・・なぜか白のワンピースを着ていました・・・・・・。
でも・・・それって、さっきまで可憐ちゃんが着ていたのと同じ服・・・みたいデス!
どうして、四葉は可憐ちゃんの服を着ているデスか?
あれ!?四葉・・・髪がいつのまにか長くなっています!?
それに三つ編みまで・・・・・・!?
四葉は立ち上がって、兄チャマのお部屋にある鏡を見たのデスが、お顔は・・・・・・
可憐ちゃんそっくりになっていました!?
四葉は・・・可憐ちゃんに変身しちゃったみたいデス!?
あれ・・・じゃあ、本物の可憐ちゃんはどこに行っちゃったのかな・・・・・・?
というよりも、四葉がさっきまで感じていたフワフワな感じは、なぜか今はなくなっていました。
そう考えていると、四葉の頭の中から、聞き覚えのある声がしてきました。
『う〜ん・・・あれ!?可憐・・・どうしちゃったのかな!?・・・手と足がうまく動かせないみたい・・・・・・』
『あれれ!?その声は・・・可憐ちゃんデスか!?』
『え、えぇ・・・・・・えっ!?その声は・・・四葉ちゃん!?』
『はいデス!四葉です!・・・可憐ちゃんにはバレちゃいました・・・ね』
『でも、どうして可憐の中に四葉ちゃんが・・・・・・?』
四葉は可憐ちゃんに、今日のこれまでのことを全部話すことにしました。
可憐ちゃんは、フシギそうに思いながらも、黙って四葉の言うことを全部聞いてくれました。
『あのね、可憐ちゃん。四葉・・・兄チャマのこと・・・もっともっとチェキしたくて・・・・・・
だから・・・今日一日だけでいいから、四葉のお願い・・・聞いてください・・・・・・』
その四葉のお願いというのは・・・・・・今日一日だけでいいから、可憐ちゃんでいさせてください
・・・・・ということだったのデスが・・・・・・。
その時、兄チャマがお部屋に戻ってきたので、可憐ちゃんとのお話は一旦途切れてしまいました。
「可憐、お待たせ!紅茶でよかったかな?」
「うわ〜、兄チャマ!四・・・」
『きゃあー!四葉ちゃん!!』
『えっ!?・・・あっ!いけないデス!そうでした!・・・今は四葉・・・可憐ちゃんなのデスね!』
兄チャマはキョトンとしたお顔を四葉に・・・いや、可憐ちゃんに向けているようみたいなので、
四葉は改めて兄チャマに言い直すことにしました。
「わぁ〜、お兄ちゃん。可憐は、紅茶・・・とっても大好きよ!」
『可憐ちゃん・・・こんな感じでいいデスか?』
『やだ・・・もう、四葉ちゃんったら!!』
とりあえず、一応は兄チャマの中の疑問は消えたみたいで、四葉も可憐ちゃんもホッとなりました。
兄チャマが持ってきてくれた紅茶を飲んで、しばらくすると兄チャマは・・・・・・。
「そうそう、今日は今度の四葉の誕生日パーティーのことを決めるんだったよね?」
『!!』
「えっ!?」
その四葉・・・いや、兄チャマには可憐ちゃんだけど、その言葉を聞いて・・・・・・。
「だって、今日は可憐が、僕と四葉の誕生日パーティーのことを打ち合わせしたいからって、
来たんじゃなかったっけ・・・・・・?」
「・・・あ、あぁ・・・そ、そう・・・でしたね・・・・・・」
『あの・・・可憐ちゃん・・・今日はそういうことだったのデスね!」
『あ〜ん、可憐の方こそ、四葉ちゃんにバレちゃった・・・・・・ね』
「可憐・・・・・・どうしたの?・・・今日はなんだかいつもと様子が違うみたいだけど・・・・・・?」
四葉・・・このままここにいるといけないような気がしてきました。
『可憐ちゃん・・・四葉、今日はもうこれで帰ることにします。
あとは、よろしくお願いしますデス!』
そう言って、四葉は可憐ちゃんの体から離れると、急に意識が遠のいて・・・・・・。
その後に目を覚ました時は、四葉はいつもの普通の四葉に戻っていました・・・・・・。

 そして、四葉の誕生日当日・・・・・・。
兄チャマや可憐ちゃんたちが四葉のお家に来てくれて、四葉のお誕生日パーティーを開いてくれることに
なりました!
あの日のことを後から可憐ちゃんから聞いた兄チャマは、
「あはは・・・。四葉・・・何もそこまでしなくたって・・・・・・」
「だって、四葉・・・兄チャマのこと、もっともっと知りたかったから・・・・・・」
「大丈夫だよ!・・・四葉、お誕生日おめでとう!!」
「・・・兄チャマ、ありがとう!・・・四葉、とってもとってもうれしいデス!!」
そして、可憐ちゃんからも・・・・・・。
「うふふふ・・・四葉ちゃん、お誕生日おめでとう!!」
「可憐ちゃん、ありがとうデス!!・・・四葉、可憐ちゃんにはとってもサンキューな気持ちでいっぱいデス!!」
可憐ちゃんたちからもお祝いしてもらって、とってもとってもハッピーな四葉でしたが、
その場で千影ちゃんに、その時のことを可憐ちゃんといっしょに話してみたのですが・・・・・・。
その人の想いがとても強いと、時にはそれが思念体となって肉体から離れ、行動を起こすこともある
・・・・・・ということなのでした!!
そして、四葉が可憐ちゃんの中に入れたのは、同じ姉妹ということもあるけれど、四葉と可憐ちゃんの波長が
合ったからだそうデス!
きっと可憐ちゃんも四葉のように兄チャマのことをチェキ・・・・・・。
ううん、それよりも・・・・・・もっと兄チャマの近くにいたい・・・いさせてほしいという気持ちが
強かったのかもしれない・・・・・・と、四葉は感じてしまったのでした・・・・・・・・・・・・。


 (おしまい) 
(まえがき)前回から毎月の妹誕生日記念として、SSを書いていくことになったのですが、
      今回はその第2弾として6月21日の誕生日を迎えた四葉が登場のお話となります。
      そして、今回も同じく可憐ちゃんも登場いたします!
      なお、設定も同じくゲーム「シスプリ」&「シスプリ2」となっています!
      それでは、四葉と可憐の「チェキかれ」SSを、どうぞお楽しみください!!
SSトップに戻る
(あとがき)いかがでしたでしょうか?
      四葉の誕生日の日に“日記(6/21付)”にてダイジェスト版なるものを掲載してみたのですが、
      あれからいくつかは考えていたお話の内容が変わったりもしました(苦笑)。
      特に今回は視点を全部四葉にするという試みを実行してしまいましたが(笑)、ある意味
      これを読んでいる皆さんの反応が恐かったりもします(汗&笑)。
      まあ、可憐ちゃんも重要な役目を果たしているので、良しとしてください・・・・・・(逃)
      それから、今回のお話は某PCゲームの影響も受けているような気がしないわけでもないですが、
      さらにそこは大目にみてもらえると助かったりします(笑)。
      (タイトル名が似ているような似ていないような・・・(謎&笑)
      次回は7月9日の鈴凛の誕生日に合わせてSSを書く予定でいますのでお楽しみに〜!!
      (鈴凛&可憐は、ちょっと難しそうですが・・・・・・(汗&笑)