■梅雨明け 山へ! 中央アルプス・越百山 2008.07.20 中央アルプスは地理学的には木曽山脈をいう。その主脈の南端に越百山がある。「こすも」と読むのだが、英語の「cosmo=宇宙」となる。なんとステキな名前だろう。中央アルプスには宝剣(ホーケン:ドイツ語風)、檜尾(ヒノキオ:イタリア語風)、空木(ウツギ)と響きがよい山名が多い。そんな越百山に一泊二日の予定で出掛けた。 いつも通り仕事あがりに出掛ける。今回は登山口まで300km以上ありそうなので高速道路を頭から利用した。東名・清水ICから乗り、岡崎あたりで30分ほど渋滞にはまるが、豊田JTCからの東海環状自動車道は快適、土岐JCTから中央道に入り、中津川ICで下りる。国道19号を北進すること50分ほどで大桑村・須原宿に着く。伊奈川沿いの道を探すのに時間ロスしたが、22:50に登山口の駐車場に着けた。ビールを飲んで就寝。 5時に目が覚める。身支度を整え、6時に出発した。ゲート脇の幅40cmほどの通路を通り、橋を渡ると林道の分岐。左は長い林道歩きを経て空木岳に続く道。林道を右に進む。数カ所ある橋で今朝沢の両岸を行ったり来たりしながら45分ほどで福栃橋に着く。左に南駒ケ岳への林道を分けて右の福栃沢を遡る。すぐ堰堤にぶつかり、脇をジグザグに急登する。しだいに沢音は小さくなり薄暗い樹林に入るとパイプが引かれた水場が現れる。のどをうるおし、更に登る。ベンチのある下のコルを過ぎると尾根道らしくなる。「やせた馬の背」、「五合目」と標識を見送り「六合目」で小休止。この付近には幽霊茸ともいわれるギンリョウソウが小群生していた。 |
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登山道のすぐ脇にあるものは初めてだ。このあたりまでは脚もよく上り、ジョギングの成果が出ている気でいた。水場のある七合目で下山のパーティーに会い、情報を聞いた。が、よくあることでマユツバものだった。一旦急登し、福栃山のピークを巻き、登った分下ったところが越百小屋だ。ここから目指す越百山、南駒ケ岳が高い。ガイドブックには「小屋から往復1時間ほど」とあるが怪しいものだ。水場を聞くと「往復20分で70度の斜面を下る」とのこと。仕方なく水場へ向かった。「70度」は大袈裟だったが、体力を大分使ってしまった。登山道に戻ったが脚は前に進まなかった。潅木帯となり夏の日差しが体力をどんどん奪っていく。いつもの牛歩となる。しかもBSEを発症した牛の如し だ。頂上直下になると元気を取り戻し、ハイマツのプロムナードを通って越百山(2613m)頂上に着けた。小屋から約70分だ。標識は頂上から一段下がった平にあり、山頂の三角点標石は抜けていた。あたりはガスがかかり、となりの仙涯嶺、南駒ケ岳すら見えない。それらを周って摺鉢窪非難小屋まで行こうとも考えたが、体力を考慮し、越百小屋泊りを選択した。来た道を下る。小屋まで45分かかった。小屋のオヤジに宿泊の意思を伝えようとすると「今日は予約がいっぱいなんだよねえ」。私は素泊まりなのだが、迷惑そうな素振り。カチン!ときた私は「そうですか」と睨み返事をして下山を開始した。気は勇んでいたが体力は残り少なだった私は下山の始めが登りであることを怨んだ。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
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巻き道から下りにかかる。このあたりから私と同じペースで歩く男性と前後するようになる。下のコルで話をすると「小屋のオヤジが気に入らなかった」と同じ理由で下山しているのだった。福栃橋からの林道歩きでいろいろなお話を聞かせてもらった。健脚の大竹氏は高校から始めて山歴55年、計算では御歳70超。木道がない頃の尾瀬の話、地元赤城山の話 など興味深いものばかりだった。歩行時間12時間で駐車場に着く。ああ、疲れた。 中央アルプス南部は稜線上に水場が極端に少ない。水確保が縦走最大の課題なのだ。 |
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道路事情 往路 静岡市瀬名川−清水IC−豊田JCT−土岐JTC−中津川IC−大桑村 (東名高速道路、東海環状自動道、中央道、一般道) 312.4km 5時間35分 復路 大桑村−木曽福島−伊那市−辰野−諏訪−韮崎−身延−富士宮 (すべて一般道) 234.2km 5時間15分 |