■白馬三山から不帰嶮へ 後立山・白馬岳〜唐松岳 2006.08.13〜08.14 2日目
AM4時、風音で目が覚める。強風でガスが速く流れている。夜明けを待って食事の支度をする。五竜まで縦走するパーティーはもう出発だ。唐松までの予定の私は余裕を持って食事、身支度をする。気温が上がり、青空が見えてから出発した。
テン場のある窪地から縦走路に上がり、南を向いて歩き出す。剱岳、立山が顔を見せる。緩やかな丸山を越えると杓子岳が大きく見える。その山容は杓子というよりもマサカリの刃のようだ。鞍部まで下ると急斜面が迫ってくるようだ。巻道を左にそれてジグザグに急登する。ザレた道だが意外とアッサリ杓子岳(2812m)頂上に着ける。信州側がスッパリ落ちた頂稜は南北に長い。20mほどか?記念撮影をして下る。巻道に下りつく。差は30分ほどではないか。鞍部まで下り、見上げる斜面を一歩一歩登る。このあたりは高山植物をあまり見られないが、トウヤクリンドウやチシマギキョウが元気づけてくれる。2つ目のピークが鑓ヶ岳(2903m)頂上だ。
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白馬岳と杓子岳(鑓ヶ岳頂上付近から) |
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不帰一峰から難所・ニ峰を望む |
振り向くと白馬の観光ポスターまんまの景色だ。南にはこれから歩く縦走路が見える。小休止の後、気持ちの良い道を下って行く。鑓温泉の分岐を過ぎ、石畳状の道に変り、お花畑と雪田の天狗平に下り着く。天狗池のほとりに天狗山荘が建つ。雪田からの水は冷たくてウマイ!これを補給する。主稜線を緩く登ったところが天狗ノ頭。緩く下って行くと次第に道がやせて行く。ペンキを忠実に辿る。小さなピークに「これより天狗の大下り」の看板がある。すぐに鎖場だ。いくつかのパーティーで渋滞していた。大下り最後の鎖場で待っている間に落石を起こしてしまった。大事に至らずホッとする。ザレた斜面をジグザグに下る。やがて道がやせてくるが、傾斜は緩む。狭い鞍部が不帰キレットの底だ。黒部側、信州側どちらもはるか下まで切れ落ちている。ここで早目の昼食。メニューはコーンスープとフランスパン、チキンラーメン。これらをチャチャと摂る。さあ、不帰嶮(かえらずのけん)だ。最初に手を使って斜上する。その後は平坦地を通過。難なく不帰一峰に達する。ここから不帰二峰にとりつく4、5人のパーティーが見える。なかなか前に進まないようだ。鞍部まで下りて見上げると高度差はそれほど感じなかった。私を含めた3パーティーが鞍部にいる。誰も先んじようとしない。仕方なく私が登り始める。岩壁には新旧あわせて2セットずつ鎖が掛けられている。意外と安全に通過できる。ただし、荷が重いので体力は使う。鉄梯子を渡ると信州側に出て、最初の難所が終る。信州側の森林限界あたりを登り、鎖と梯子で岩場をこじ上がり、稜線を跨いだところが不帰二峰北峰だ。多くの人が休憩していた。小休止後、唐松岳を目指して南進する。二峰南峰、三峰はアッサリと通過する。傾斜は緩やかになり、ピークが大きく見えてくる。最後の斜面を登って唐松岳(2696m)頂上だ。
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唐松岳山頂で証拠写真(後にチョロッと五竜が) |
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なかなか綺麗なコマクサ |
今日歩いた道、霞んで入るが五竜、鹿島槍も見える。記念撮影だけで今日の宿泊地・唐松頂上山荘に向かう。10分ほどで山荘に着けた。しかし、幕営地は山荘下(黒部側)の斜面で平坦地はすでにないようだ。まだ午後2時前だったので、下山を決めた。下ろしたザックを背負い直し、八方尾根に入って行く。尾根の最上部はヤセ道があったり、崩壊地があったりですれ違い渋滞が起きる。白馬同様、かなりの軽装で唐松岳に登って来るパーティーがある。その人達が渋滞を作る。ハイマツの道になるとすれ違いも出来るようになる。植生が潅木にかわると丸山ケルンが現れる。ここで最後の水を飲みきってしまった。ダケカンバの斜面をジグザグに下る。扇雪渓で一瞬涼を得て、更に下る。亜高山帯の花が目立つようになり、人が多くなってくる。HAKUBA47スキー場が近くなり、人の声が聞こえてくる。八方池だ。振り返ると白馬三山が美しい。階段状の観光路を下る。やがて木道に変り、第一ケルンのある八方池山荘に着く。ここから2つのリフトとゴンドラで黒菱−兎平−八方と下ってくる。ゴンドラ八方駅から駐車場までが長く感じられた。なんたって歩行10時間半だったからね。八方第二の湯(鑓温泉から引いている)に浸かって2日間の山行をふりかえった。なかなかよかったんじゃあない!?
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ハクサンコザクラ(白馬大池で) |
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ウサギギク(白馬大池で) |
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タカネマツムシソウ(八方尾根で) |
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タカネナデシコ(小蓮華山で) |
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チシマギキョウ(白馬岳で) |
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着 |
発 |
頂上宿舎 |
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5:58 |
杓子岳 |
7:16 |
7:19 |
鑓ヶ岳 |
8:20 |
8:26 |
天狗山荘 |
9:09 |
9:20 |
不帰キレット |
10:50 |
11:07 |
不帰ニ峰北峰 |
12:19 |
12:33 |
唐松岳 |
13:28 |
13:35 |
唐松頂上山荘 |
13:47 |
13:53 |
第一ケルン |
14:35 |
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八方池山荘 |
15:44 |
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八方台駐車場 |
16:32 |
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天狗山荘
白馬鑓ヶ岳と天狗の頭の中間に建つ。雪田からの水は豊富。テン場指定地であり、なかなかよいロケーション。泊まってみたいものだ。八方アルペンライン
第一ケルン−黒菱平−兎平−八方駅 を結ぶ2つのリフトとゴンドラ。片道1400円。ゴンドラは夏季ナイター営業をしている。リフトは16時くらいまで。
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