■花を目当てに行ったのに  霧ケ峰・八島ヶ原湿原〜車山   2006.06.17

今回の山行は読書がきっかけで計画した。いつもの梓林太郎「霧ケ峰殺人事件」だ。宿泊予定地は強清水。そこから「八島ヶ原湿原に行って来る」と言って出かけた女が行方不明になる。彼女は「霧ケ峰の自然を守る会」の会員。捜索の結果、遺体で発見される。さて、現場へ行くとするか。そろそろ湿原の花も咲いていることだろう。

富士宮を朝5:20に出発。R139から精進湖道路を抜け、甲府に出る。R20に入り、韮崎で県道17号に入る。この道路は「八里岩ライン」と言われ、岩盤の上に引かれた道路だ。中央本線と平行して走る。途中、「日野春駅」(名前がイイ)の前を通り小淵沢に抜ける。ほとんど信号が無く、快適に走れる。原村を過ぎて、茅野に入る。北山から大門街道を登り、白樺湖先で左折、ビーナスラインで八島ヶ原湿原まで入る。無料駐車場はすいていた。

木道が整備されているので登山靴に履き替えないで歩きはじめた。トンネルの歩道をくぐり、看板のある入り口に出る。花の気配はない。ひたすら木道を歩いていく。ところどころに赤橙色のレンゲツツジがあるだけだ。下りきったところにヒュッテ御射山が見える。ヒュッテへの道を右に見送って進む。木道が尽きて砂利の道となる。このあたりにシロバナヘビイチゴの白い花が見られたが、それ以外はこれといった花は見られなかった。鎌ヶ池に出て、南を望むと苔などで中央が盛り上がりレンズ状をなしているのがわかる。一周を約一時間で歩いてしまった。

遊歩道の入り口

もっとも大きい八島ヶ池

木道の先に主峰・車山が見える

駐車場に戻り、ビーナスラインを戻る。車山の肩に車を止め、霧ケ峰の主峰・車山を目指す。気象庁の施設用運搬路を登っていく。登山道もあるようだが、荒れていて通行止めだ。だらだらとザレた道の先に気象レーダードームがある。スキー場側から見ると小さく見えたが、どうして立派な建物だ。その裏側に祠があり、頂上(1925m)らしい雰囲気になっている。ここまで30分で来てしまったので、脚を伸ばしてみることにした。スポーツマン・コースの急斜面を下り、分岐を左折する。少し行ってメインコースを避けるように右折し、山彦谷(エコーバレー)方面に進む。ほとんどアップダウンのない稜線は気持ちがイイ。雲が流れ去り、蓼科山もくっきりと見えるようになった。スキーリフトの下り場を右に見ながら南の耳目指して歩く。このあたりで草原をつきぬける道があるだろうと予想していたが、全く見当たらない。すると笹枯れの中に踏み跡をみつけた。(自然破壊を認めつつ)これを進んで物見岩に出る。メインコースに出て、車山に戻る。肩の小屋が見えればもうすぐだ。

殿城山分岐。稜線先のピークが南の耳

ランドマーク・物見岩

結局、花は車山の南斜面にレンゲツツジと早咲きのニッコウキスゲがポツポツと咲いているだけだった。キスゲにはまだ2週間ほど早いのではないか。その頃になると人、ヒト、ひととなって混雑するらしいが。

白樺湖まで下り、日帰り温泉「すずらんの湯」に浸かって、霧ケ峰を後にした。

白樺湖温泉 すずらんの湯
白樺湖畔にある観光協会が運営する日帰り温泉。昔、湖畔にあった狭い施設をリニューアルしたものだろう。泉質はナトリウム‐塩化物・硫酸塩温泉。源泉35.2℃(加温かけ流し・内湯は循環)バイブラバス、露天、サウナとひととおりある。大人700円


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