■梅雨の晴れ間に心の洗濯 霧ケ峰・車山、八島ヶ原湿原    2010.07.10

梅雨になると何故か「雨山行もいいかな」と思う。人も疎らな道を行く静かな山行、合羽に当る雨音、色を濃くした木々、遠近感を失った空…そんなのがイイ。

さて今回はニッコウキスゲが咲き始めた霧ケ峰を歩くことにした。同行はお久しぶりのピラタス横山氏。毎朝のウォーキングを続けているというから脚の心配はなさそうだ。

横山氏をピックアップして富士宮を出発。一般道だけで山梨を貫け、八ヶ岳の裾を回って霧ケ峰に入った。天気は予想に反して晴天だ。車山肩の駐車場は比較的空いていた。身支度を整え、まず車山頂上を目指す。気象ドームの機材搬入路を雷光状に登る。緩く30分ほど登れば車山(1925m)頂上だ。遠い日本アルプスはガスの中だが、霧ケ峰は箱庭のように脚下に見える。

   
(左)車山頂上からスキー場、白樺湖を望む  (中)ニッコウキスゲ  (右)北の耳 標柱

直下のリフト降り場に下り、急斜面(冬のスポーツマンコース)に付けられた階段を降りる。降り立った分岐が車山乗越。この付近にニッコウキスゲがちらほら咲いていた。右に進む。程なく丘の上に出る。そこはボウル状の山彦谷・南端で、ぐるりの眺望はこの山行随一の美しさだ。そのまま谷の上端部(山彦尾根)を北に進む。エコーバレースキー場のリフトを見ながら進み、緩く登ったところが南の耳(1838m)。先の北の耳(1829m)を目指す。鞍部から登りにかかったところで「ガサガサッ」と大型の鳥が飛び出してきた。キジだった。「ケーン」の一声もなく、寡黙なやつだった。男女倉山からは急下降(それほどでもないか)して八島ヶ原湿原・東端の鎌ヶ池キャンプ場に出る。多くのハイカーと共に反時計回りで遊歩道を一周する。中心部の泥炭地はアールの大きな半球状でなかなか美しい。遊歩道脇には高層湿原特有の夏花が多種みられた。
 

   
八島ヶ原湿原 木道、草原そして夏空

   
左から テガタチドリ、コバイケイソウ、ヤナギラン、ウツボグサ

  
(左)キバナノヤマオダマキ (右)バラの仲間(ノイバラ?)

ヒュッテ御射山先の分岐を右折。砂利路を緩く登り、車道に出るところが沢渡。ここから車山肩まで本日一番の登り。30分ほどの登りだったが、夏の日差しが恨めしくなった。斜面には咲き始めのニッコウキスゲの黄色が励ましてくれているようだった。あと十日もすれば黄色い絨毯になるんだろう。

雨中山行予定が予想外の晴天。多くの花に出会えた気持ちの良いハイキングだった。


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