緊急性と個別性への対応    (生徒指導の課題)
「生徒指導体勢の確立と学校経営」より
◆緊急性
研究から実践へ    (生徒指導は研究より実践)
生徒指導の研究には極めて熱心
・学級指導等の年間計画はしっかりできている

・生徒や父母の意識調査もある
・家庭訪問、関係機関との
          連絡の計画もできている





現実に多発している問題行動を
         減少させばならない
・問題状況に、即刻、機敏に
         全校教職員で対応する
・研究の成果は、実践活動を
         もとにして高められる 
共 通 理 解 か ら 共 同 行 動 へ
 生徒指導は、全校教職員が職務を分担しながら、全校教職員で共同実践するものである。

 ★生徒指導部(発言力、腕力の強い教師)ばかりが熱心で、他は傍観的態度になってはいないか。
   領域的には主として−−−学級担任はすべて生徒指導の係
   機能的には主として−−−授業における生徒と教師の触れ合い
 ★暴力生徒に対して
   仲間の教師も総立ちして、暴力生徒を説輸する教師の指導姿勢と同一行動でなければならない。
   暴力の事態によっては、「正当防衛」、「緊急非難行動」で向かうぐらいほしい。
 ★教育行政機関としてできる、しなければならない責任範囲を教職員に示す必要がある。
   ただ、教職員の自覚や意識の高揚を説いていても、学校はしらけるのみ。
 
「 お だ て 」 「 お も ね る 」 論 理 の 排 除
 「非行は宝」であるという、生徒を<おだて><おもねる>論理を許してならない
 ★生徒の問題行動が、その生徒の責任でなく彼を取り巻く社会や家庭の環境に問題があるとし、彼はその犠牲者だと片付けてしまう。
 ★「非行は宝である。警察その他関係機関に連絡をとることは生徒を売ることになる」という。果してそうなのか。環境その他の条件はあるにしても、その生徒行動責任は問わなければならない。 
◆個別性
指導の過程を重視
 関係機関と連絡し合うことが必要な場合もあるが、しかし、その必要は単に形式的に措置するのではなく
 個々のケースに対して具体的に措置しなければならない。(この選択が難しい)
 連絡は、 ・生徒の立ち直りをあくまでも念頭においた連絡であること
      ・立ち直らせるために学校や教師が努力したプロセスを十分ふまえること
      ・学校外との連絡には、保護者との連絡を優先すること
      ・学校長の判断を待って責任をもって行うこと
 
個 別 指 導 に お け る 受 容 と 共 感
 どうしても手に負えない生徒に対する対処の仕方???
                    −−−結局は学校の誠意と教師の熱意である
外部のワルと手を切らせる

家庭の理解を求める(でも、放任的、あきらめ)
 
 ☆どこまでも友達になり、交わってやる人間としての教師の努力(教師という裃を取り除いた裸の人間としての交わり)
 ☆人生指導、人格指導というよりむしろ人間指導に徹した取り組み
 「悪事を働いてほめられるとは、子供たちは思っていない。その場で毅然と『叱る』教師を期待しているのが、今の子供の甘えである。本気で叱って『くれる』か『くれない』か、相手の出方を待っている。 といった方が適切かもしれない。現代非行の恐ろしさは、『非行を甘やかす』ことではないか。
                   <町田市忠生中学校、長谷川義縁校長>
悪いと分かっていて、それでもやってしまう、やらなければならない彼等の寂しさを、どう理解していくか