三球儀 (月と金星の満ち欠け)
 小学校では、月の動きについて学習するが、特に、満ち欠けについて、太陽・地球・月の相対的位置については学習しない。
中学校では、金星の満ち欠けについて、太陽・地球・金星の相対的位置を学習し、その学習または発展的学習として、月の満ち欠けの相対的位置について学習する。
 天体の学習において、子供が難解なことは、空間と時間の概念であるが、さらに、理解する上での座標の原点をどこにおくかで、子供はとまどう。
 この学習を助けるために、三球儀などいろいろなモデルがあるが、演示実験が多いため、それを見る座標の原点は、依然として教師、つまり子供にない。
 そこで、子供一人一人が手に持ち、様々な座標の原点を通して、月や金星の運動を理解できるよう三球儀を工夫してみた。
1 工夫したところ
@ 月の太陽で明るくなる側が、太陽側になるように、太陽と月を輪ゴムを使ってつないだ。
しかし、そのために、公転する月の面が、地球に対していつも同じになるようにはなっていない。
A 子供が手にもっても、いろいろな方向から観察可能な大きさにした。
2 材料
 角材 12mm角 長さ 50cm、30cm、15cm  各1本
 発泡スチロール球 各1
 3mmφねじ 長さ 5cm と 4cm 各2
 3mmφナット 6本
 ヒートン と アルミニウム管(内径3mmφ) 2本と少々
 輪ゴム 2本
3 作り方  
@ 右の図のように、3種類の角材をねじでとめる。
A
発泡スチロールの各球の中心にアルミニウム管を通す。
B 太陽と、金星(月としても使う)になる球にヒートン管をつける。
C 2本の輪ゴムの輪を切って1本とする。それを2本つなげて、太陽と金星のヒートン管にかける。
4 使い方
@ 右の写真のように、金星に見立てた球を、太陽のまわりに回転させ、いつも地球の方から見るようにする。
A 金星の位置によって、金星の形と見かけの大きさがわかる。
B 月の場合は、上の写真のように、地球のまわりに回転させる。このとき、輪ゴムの働きで、いつも月の明るい側が太陽の方へ向く。