肩幅より広い道  (ある「帰りの会」から) 
      
 「みんなは、道を歩くとき、どのくらいの道幅があったらよいと思うか。」
 ある日、そんなことを聞いた先生がいた。
 生徒の意見はいろいろあったが、
 「10cmあればよい。」とか、
 「でも、あぶないよ。自分の肩幅ぐらいは最低ほしいよ。」ということにほぼまとまりました。
 先生が「みんなの道はサーカスの綱渡りみたいだな。あぶなくないかな。」と言いました。
  とある生徒が、「肩幅の道では、むこうから来る人とすれ違うことができないや。」
とつぶやきました。
 クラスの生徒たちは、一瞬静かになりましが、
 「そうだ、2人で並んで歩くこともできないや。」
 「自転車にも乗れないや。」と、また、いろいろな意見が出ました。
 先生も「うんそうだな、すれ違えないな。」と言って話を続けました。
  肩幅の道では、傘をさすこともできません。もう少し幅が広くて、側に美しい花が咲いていたり、横にきれいな水が流れていたりする道の方がいいと思いませんか。
自分の肩幅分の必要なことだけ勉強するのでなく、自分の肩幅よりも広い豊かな道をつくり、そこを胸を張って堂々と歩けるようにしたいですね。