Memories・追憶の山旅

蓮華岳

 後立山連峰の最南端、鋭角的、男性的な針ノ木岳に対峙し、対照的に円やかで女性的な山容を見せる。
山頂を埋め尽くすこの山のコマクサは凄い。(正確には、凄かった。現在どうなっているか判らない。)
花をアップで撮るために目線を下げる、ファインダー一杯にコマクサ畑が広がる。
ファインダーから目を離し、這い蹲って額を砂礫に押しつけて目を上げると本当に凄い。コマクサの畑となる。
この山の名前の由来は本当はどうか知らないが、コマクサ畑が蓮華畑と同じような景観を見せる。
これで蓮華岳という名前が着いたもの信じている。

 後立山縦走の締めくくりとして種池から針ノ木までの縦走をU氏と行う。
当時この辺りは雷鳥が多かったが現在(1996年)は全く見ない。
翌日針ノ木岳を目指して南下する。
天候は次第に回復するが剣岳は離れて行き、迫力を失ってしまった。
最後の針ノ木岳の登りを頑張ると後立山縦走も終わりとなり、針ノ木峠に下る。

 翌日は、下るのみだからと小屋でゆっくりしていると小屋の人にここまで来て蓮華岳に行かない手はないよ。
頂上のコマクサは見事だからぜひ行ってらっしゃいよ。と勧められる。
朝食後余り期待していなくて重い腰を上げる。U氏は大股で先に行ってしまう。
ゆっくりと周りを見ながら登ると程なく円くて大きな頂上の一角に登り着く。
と、途方もない光景が広がる。コマクサの畑だ、広い頂上全体がコマクサに覆われている。
特に目線を地上すれすれに下げると冒頭の光景になる。

 その後30年再訪できないでいる、コマクサは当時のままなのか、恐くて行けない。
針ノ木峠に戻り思ったよりも急傾斜の針ノ木雪渓を下り、松本に出て帰る。


コマクサ・山野草の盗掘について
このページにたどり着いた人は、本当に自然を愛している人だと思いますので敢えて言うことはないのですが、 やっぱりここで触れておかなければならないかなと思っています。
コマクサの育成環境は非常に厳しく2000メートル以上の高地で、常に強風に曝されて、 土中の栄養分の少ない砂礫地にしか生えていません。なんでこんな所に生きているのが不思議です。
だからこの環境を平地で再現するのは不可能で、コマクサを育成する事は出来ないと思います。
また、コマクサにしろその他の高山植物は、その場所にあって一番美しいと思います。
ですから例え一株でも持ち帰ることは絶対にやってはいけないことです。
自分自身の目に焼き付いたものを大切にして下さい。
 それでも自分の身近に置きたい人は、写真、ビデオ、スケッチ等自分で表現できる方法で身近に置いて下さい。
また体にハンディのある人がその場に行く、例えば車椅子で登れる山、なんて理想もありますが、 2次体験としての優れた写真集など本がたくさんあります。
また、インターネットのホームページにも自然をこよなく愛する人のページがあります。
私のページもそのような人が画面に向かい、ページを開くと眼前にその光景が広がり、
一緒に行っていただいた気分になればと思って作っています。

 元に戻ってコマクサ・高山植物・山野草の持ち帰りは、絶対にやめて下さい。


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このページの制作者は 大石 幸雄 Yukio Oishi です。

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