Memories・追憶の山旅 |
鹿島槍ヶ岳 |
一番好きな山は、と聞かれたら何処と答えよう。 一番難しい質問だ。それぞれの山域で好きな山があり、それぞれの魅力を持っている。 北アルプスでは、後立山・鹿島槍ヶ岳。剣岳。常念岳。 南アルプスでは、北岳。聖岳。白根南嶺・笊ヶ岳。深南部・不動岳。とある。 それをあえて一つに絞り込むと鹿島槍ヶ岳となる、この山の良さは、その姿にある。
まず、ビューポイントは、南方から爺ケ岳から見た朝、夕。冷乗越の朝。
1960年代の後半の夏、梅雨明け10日の晴天を狙ってU氏と鹿島槍ヶ岳を目指す。 梅雨末期の集中豪雨のため梓川が増水し、橋が流されて大糸線が不通になっている。 静岡駅では、松本までの切符しか売ってくれない。もし駄目なら松本から他の山を目指すことにして出かける。 身延線の最終で甲府に出て、中央線の夜行列車に乗り換えて松本へ行く。 行ってみると大糸線の流失した橋の部分は、バス連絡で開通していた。
大町からバスで扇沢の手前、種池への入口で下車する。扇沢沿いの道でなく、新しく開かれた柏原新道を行く。 右手下に冷池小屋の赤い屋根が見えてくる。
安心して山頂で休憩していると、アッ、鹿島槍ヶ岳だ、双耳峰が一瞬現れて消える。
この6本のレンズを岩の上に並べてとっかえ、ひっかえで夢中で撮影する。
気が付くと辺りは、薄暗くなりかけていた、急いで冷池山荘にかけ下る。
翌日は、鹿島槍ヶ岳を越えて五竜岳に登り、五竜山荘泊まりとなる。
次の日も天候に恵まれ、右手に鹿島槍ヶ岳、左手に白馬の連山を見て、快適に下る。 |
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