2003年



4月/5月

5月21日  南アルプスH川本流  晴れ  水温12度〜10度    
ようやくチャンスが訪れた。今年は各渓流ともに雪代と季節はずれの長雨に新緑のベストシーズンを棒に振るところだった。最も、一昔前まではこのクラスの山岳渓流はまだフライそれもドライにはとても早く、6月の声を待つのが定例だったが、昨年のシーズン前倒しとなった暖かさにより、5月から足を運びたくなるのは私だけではないだろう。というわけで過去2回は自然の掟に逆らえず涙をのんだのだが、今回は前日から入っていた友人の情報もありようやく本流に立つことができた。

友人の野営地に6時半過ぎに到着。支度を済ませ上流へ車を走らせる。車止めに着いたときには8時近くなっていた。釣り人らしき車はみえない。久しぶりのMTBで早速出発。トレーニング不足で二人ともゼイゼイいいながらも、覚悟していた増水がうそのように治まっている流れをみては気力を取り戻し入渓点にたどり着く。さっそく川に降り立つと流れは澄んでいて水温も12度と絶好の条件。早速釣り上がることにした。

アマゴすぐにあったやや水深があり底石のみえるフラットな流れに16番のアダムスパラシュートをキャストするといきなりのヒット!しかも久しぶりの本流アマゴだった。サイズこそ20cm強と小振りではあったが背が張り始めたまさしく本流アマゴ。秋口になるとさらに楽しい釣りができそうな気がした。幸先の良いスタートに気分は爽快。その後も水深のある流れではかなり反応があり、昨年に比べアマゴの魚影の多さを感じた。友人のルアーにも次々とアマゴがヒットする。このあたりでこれほどアマゴが出たことは今まで無かったという。

小振りでも砲弾型の魚体と背の張りが本流育ちを証明する。





ポイントその後もアマゴ中心だったが、途中からやはりイワナ域に入りアマゴのアタリがグッと減ってきた。またフライへの反応も悪くなって行く。しかしルアーで底から引きずり出すように友人はヒットを続ける。水温を測ると10度とアマゴの出たエリアより2度も低い。ここまで来るとまだ雪代増水の名残があるようだ。ニンフに替える気が全くなかったのでそのまま釣り上がる。それでも3尾ほどのイワナがヒット。気がつくと釣り上がり予定地点までまだ少しあるが5時を廻っていることに気づく。ここまで来たらイブニングをと開き直って釣り続けると、やはり6時頃からカディスパターンに反応するようになった。サイズは今ひとつだったが最後まで愉しむことが出来、充実した1日となった。


こんな瀬からアマゴが飛び出した

但し帰りは暗闇の上、MTBのチェーンがハズれ手を真っ黒にして修理するというおまけが付いたが気分が悪くなることはなかった。帰宅11:30分。さすがにちょっと疲れたが、明日は元気に仕事に行くぞ(^^)



5月18日  大井川支流寸又川支流  曇り  水温未計測    
畑薙上への今期初釣行、先週末までの雨とまだ治まりきらない雪代で期待は半々だが、行くだけ行ってみようと午前3時に起床半年ぶりのMTBを車に積み込み出発した。道路に沿って流れる大井川本流はやや濁りがあり、水量も多めではあるが治まりつつあることがみてとれる。期待は高まるものの途中のダムの放水量にやや不安感。ようやく車止めのゲートに着いたのが5時30分。しかし駐車スペースには5台ほどの車が...しかもそのうち3台は間違いなく釣り人のものだった。さらにバイクの準備をしているエサ釣り師が3組追加され、早朝のゲート前は賑やかになってきた。

エサ師に様子を聞くと、先週の雨と雪代で上はかなり増水しているとのこと。しかも雪代まじりなので通常のウェーダーでなく、ウェットスーツが必須だと言っていた。崖も自転車、バイクがようやく通れる程度とのこと。ここまできたものの、多くの先行者と増水、雪代、濁り、MTBと考えるとすぐ戻ることになりそうな予感がして、本日はあきらめ他へ移動することにした。アマゴの里、東河内などは釣りにならず、一気に下流へ移動し寸又川を覗くことにした。

ゴルジュここはかなり久しぶりだ。本流を覗くとまだ濁りがあり、上流部でないと厳しそうなので前から一度やってみたいと思っていた支流に入ることにした。日曜日だったが入渓点には軽トラックが1台のみ。釣り師のものかはわからない。水量水質とも申し分ないのでとにかくやってみることにした。想像していたよりずっといい渓だった。意外と竿抜けする事が多い直後の流れにフライを落とすとすぐに反応があったが載らない。でも魚がいることがわかりうれしい気持ちになった。その後も2度ほど反応があり、1回はバラしてしまった。

しかしそのあとしばらくぱったりと反応がなくなったと思っていたら、上流からエサ釣り師が川通しで戻ってきた。エサ釣りの目印に反応していたのでフライなら出るかもといわれたが、このエリアは川沿いに道が無く、先行者は川通しで戻ってくるためあとを追っての釣りは難しそうで、その後は見事に反応無し。でも水量もそこそこあったせいか素晴らしい渓相を愉しむことが出来た。途中のゴルジュ帯を通して見た新緑が素晴らしかった。



渓相は愉しんだものの釣果には恵まれなかったのでここをあきらめ、本流を少しやってみることにした。濁りが強くドライでは厳しそうだったが、水深のないポイントを選んで釣り上がって行くと、時折小型のアマゴがフライに反応してくる。このあたりでも魚影があるので上流部を今度はやってみたいと思いながら先に進むと、左岸に小さな支流を発見。水量がままあるのと、落ち込みが続くみたところ良さそうな沢だったので竿を出してみた。するとすぐに小振りではあるが綺麗な18cm程のアマゴがフライをくわえた。本日初ヒット。水辺に咲いている黄色い花が綺麗だったので一緒に写真に収めた。今日はこれだけでも十分といえるような気分の良さだった。この沢ではその上のポイントでも魚影があった。釣り上がろうかとも思ったが、今日はこのまま納竿とした。
寸又支流寸又アマゴと野草


4月23日  大井川支流・下泉河内  雨  水温実計測    
下泉河内嵐の痕仕事で朝帰りになってしまい遠出は不可能。更に雨が降り始めているし上流部は雪代で大変なことになっているようなので、下流域の支流に入ることにした。久しぶりの下泉河内、水量は悪くない。雨の平日ということで先行者はいない。それでも久しぶりだったので上流部までゆっくりと車を走らせた。驚いたのは先日の大雨の時だろうか、かなり出水の跡が見られ川の上にはかなりの竹や樹木が倒れ込んでおり、ポイントには枝や枯れ木が溜まっている上に土砂もかなり出ている。回復にはしばらく時間がかかりそうだ。

←うまく見えないかもしれないがかなりの枝がじゃまをしていてロッドを持って通り抜けるのはかなりやっかいな状態だ。このほかにも電信柱並の幹が川を塞いでいる箇所が数ヶ所はあった。

チェックした中でも比較的に荒れ方が少ないエリアに入ることにした。この渓としては比較的下流寄りだが水量があるせいかポイントはそこそこある。

下泉チビアマゴ雨はかなり降っているがそれほど気にはならない。この程度だと虫のハッチもあり思わぬ釣りが出来ることもある。

とりあえずブラウンパラシュートで反応をみる。蜘蛛の巣が多いのが気になるのと、上から覆い被さる竹にやはりキャストはままならないものの、ここぞというポイントで反応があり14,5cmのチビアマゴが飛び出してくる。

フッキングが今ひとつなのと雨と暗さでフライが見づらく、ここでエルクヘアーカディスに替えてみた。視認性も高まったが、魚の反応も格段に良く、すぐに綺麗なチビアマゴがヒット。その後もチビながらそこそこ愉しませてくれた。渓は荒れ気味だが、平日で雨、貸し切りの小渓はそれはまたそれで十分満足させてくれた。


←体は小さいが美しさは格別だ。毎年こんな魚体に会えるのに、育った魚体にほとんど会えない。リリースしてくれたらなあ。

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