2002年



7月/8月

8月20〜22日  三峰川本流  晴れ  日中水温15 
夏の最後の連休を使って友人のF氏とキャンプ&フィッシングを計画。長野方面ということだけで特に目的の川を決めていなかったのだが、ガイドブックを眺めていたら、以前そばまで行って入れなかった三峰川が目に入ってきた。また偶然に掲示板でSKさんが行って来たばかりというコメントを見て、早速様子を聞いた。Sさんの情報から釣果への期待もあったが、それにもまして川の魅力を感じ、3日のうち1日は必ずここにしようと話がまとまった。

久しぶりのキャンプということもあり準備に時間がかかってしまいかなりゆっくり家を出た。現地周辺へはイブニングタイムになりそうだったので、太田切川を覗いてみることにした。渇水はしているだろうが、先日の台風余波で中央アルプス側にも多少雨があれば楽しめるかもしれないと期待していたのだが着いてびっくり。川は細々とした流れしかなく、しかもそこかしこで水遊びグループが楽しそうな声をあげている。ここは今は釣り場といえない。

太田切をあきらめ三峰川へ。山を越え宇津木の集落を過ぎると一気に林道へ入る。地図を頼りに上流へ向かうが今夜の寝場所の確保がままならない。途中川の近くまで車で降りることのできる場所があり、そこをベースに三峰川釣行をスタートすることにした。テントの準備を早々に終え、イブニングを少しだけ愉しむことにした。このアタリはまずまずの渓相であるが、少し上に大きな崩落箇所がありそこの土砂が流れてきているようで川底の様子はあまり芳しくなく、予想通り反応は今ひとつだった。

明日に期待し晩餐会に入る。山中でのキャンプは久しぶりなのと、河原でみた驚くほど多くのカモシカの足跡が動物を身近に感じさせ、少し緊張したが、ビールと途中で買った地酒で気分がほぐれた。しかしこの頃からぐんぐん気温が下がりだし重ね着の上にウィンドブレーカーが必要な程になってきた。ラーメンで体を温めて就寝。カモシカの鳴き声が近くに響く。友人はすぐに寝入ってしまったが、エアーマットがなかなかなじまないのと、明日への期待などでほとんど寝ることができずに朝を迎えた。

テントから出ると朝の気持ちの良い光と空気が迎えてくれた。しかし寒い。また辺りは霜が降りていたようにぐっしょりと濡れている。気温をみるとなんと9度。山中とはいえまだ8月だ。この寒さはどうしたことだろう。暖かな玉子がゆとなめこ汁がうまかったのは言うまでもない。朝飯を食べながら今日の釣りの計画を練る。せっかくのキャンプ&フィッシングなのでこんな時しか入れないかもしれない上流に行こうということになり、車止めまで一気に上がった。途中噂のダム建設予定地を過ぎ、土砂崩れ跡2カ所ほどを通過。しかしこの川は傾斜が緩やかだ。道路がほとんど平坦なのに驚く。

ダムを作ったらかなり上流まで水は溜まるだろう。この川は完全に無くなるだろうことが予測できた。作らなくてすむのなら是非そうして欲しい。いろいろな川を見ている分、こんなにすばらしい渓を殺してしまいたくないと本気で思った。車止めからは今年から活躍しているMTBの登場だ。林道の終点までSさんの情報によれば1時間15分、早川に比べれば勾配はなだらかだが初心者同様の私のペダルでは30分以上余分にかかってしまった。

そして終点にようやく到着。ここからは河原を歩く。目的の支流までどのくらいの時間がかかるかわからない。渓相が良いのでつい竿を出したくなる。しかし反応は今ひとつ。思ったよりかなり距離がありそうなので途中から一気に上がる。2時間ほど歩いただろうか、ようやく支流に着いた。本流より太い流れの見事な支流である。渓相は言うことなし。期待に胸躍りながら突入。しかし反応がない。水温は13度。昨夜の冷え込みで下がっているようだ。しばらく釣り上がるが二人とも全く反応なし。また魚影すらみえず状況が悪いと判断。残念ながらこの支流は次回の楽しみとあきらめた。

MTBで戻る途中、来るときに魚影を見かけたポイントで竿を出してみることにした。どうやらいつもは渇水しているような流れだがとにかくやってみることにした。するとすぐのポイントで数尾の魚影を確認。期待が高まる。続くポイントで、落ち込みの泡の切れ目から3mほどフライを流したところでスポッとフライが消えた。合わせると魚の手応え。しかしこのあと魚は上流へ一気に上がろうとする。かなりいいサイズを確認。7Xなので岩に潜られたら難しい。少し強引に寄せようとしたら、痛恨です。そうです、ラインブレイク。残念!ちなみにこの魚の後ろに2尾ほど続く影もあった。

この跡もポイント毎に魚影は確認できたが、警戒心が強くヒットにはなかなか至らず、川を上がる直前に20cmほどのヤマトイワナをそれぞれキャッチしてこの場を離れた。通常は水が少ないエリアだと思われるので、増水で瀬に出ていたのだろう。サイズはかなり良いようだった。

車まで戻るとすでに日は落ちかけていた。食料買い出しに山を降りる。しかし店がない。コンビニ?とんでもない。10km以上先まで無いという。閉め掛かっていた酒屋でなんとか明日の食料と飲み物を確保、真っ暗になった山に再び戻る。酒屋の女将が心配してくれた。ようやくテントにたどり着く。寒さは昨晩ほどではない。レトルトのドライカレーを作った。これはほんとにうまかった。今日は歩いて走って釣って疲れた。明日に期待し就寝。でも私はやはりよく眠れず。

三峰川結局今回の釣行はこの川だけになってしまったが、釣果は別として、川のすばらしさと、空気、景色のよさ、久しぶりのキャンプ、カモシカなど楽しめる要素がたくさんあったので不思議とこの時点でも満足感があった。それでも最終日半日コースではあるが、魚に会えれば上等という気持ちで望んだ。Sさんの情報でこの川では魚影の濃いエリアといわれるところに入ることにした。この日の朝、テントのそばに地元のエサ釣りのおじいさんがMTBで登場。いろいろな話をしてくれた。この川は釣れる日と釣れない日がはっきりしていて、釣れない日はとにかく全く釣れないらしい。昨日はそんな日に当たったのかなと思った。

いわれたポイントの少し下流から入渓。このアタリでもかなりの土砂が出ているのが気になったがとにかく釣り上がることにした。流れは少し細いがアルプスの山々と緑、蒼い空が気持ちいい。そうしている内にF氏にヒット。ハイブリットのイワナだった。このエリアまで下がるとさすがにヤマトはいないか。


三峰川のイワナこのあとは反応なしが続く。大岩がまとまっているポイントが現れる。上流部はいかにもといった好ポイント。F氏が攻めるが反応はない。少し遅れてきた私は岸際の岩影の小さなポイントが気になったのであまり近寄らないように気をつけながらフライをポトンと落とした。黒い影がヌッと現れ静かにフライを吸い込んだ。岩に囲まれているポイントだったのでロッドを上に合わせ、ティペットを岩にこすらせないように小走りに近づく。潜られないように岩の間から瀬側に魚を引き出す。思っていたよりかなりいいサイズのイワナ。まるまると太っていて大井川、野呂川の魚体とは違う。サイズをはかると27cmあった。

最後にグッドサイズに出会え、厳しい中にも印象に残る楽しい釣行をうまく締めくくることができた。自宅から往復600kmの旅だったが又きたくなった。帰りにはいつもの温泉で疲れを癒す。心は十分爆釣した3日間だった。



8月05日  早川本流  外気温25度  晴れ 水温19度
もう少しだけいい釣りがしたい。そんな感じのこのところの釣行だったので、今回は平日ということもあったが、現地5時を目安に家を出た。入渓点をどこにするかが釣果を左右する。前回入れなかったが情報の良かった本流のkポイントから入渓した。今日は1人なので釣り上がりは時間が掛かりそうだ。予め釣り上がる予定のポイント付近に自転車を置き入渓点に戻る。

暑くなりそうだったので500mlのペットボトル2本を背中に釣り上がる。やはり少し重い。渓に降り立つと前回に比べかなり水量が少なく、水中の岩がこけで赤くなっているのが少し気になった。ポイントにはかなり慎重にに近づくように心がけたが反応は今ひとつ。時折ちびイワナ、チビアマゴが反応する程度である。2時間ほど釣り上がると何となく先行者の気配。全く反応が無くなってきたので間隔はそれほど開いていないようだ。これは厳しい。少し休んで間をあけることにした。

ヤマトイワナ一休みしたあと、竿抜けしそうな小さなポイントも見逃さず丹念に攻めていくとようやく反応らしい反応がありヒット!かなりパワーがあり岩の下に潜られそうになる。グッドサイズかと期待したが上がってきたのは24cmほどのイワナ。しかし尾鰭が驚くほど大きい。パワーの正体はこのしっぽだった。そしてよくみるとまさしくヤマトイワナ、久しぶりのご対面であった。このエリアではあまり釣れることがないので珍しい。


←この尾鰭の大きさはすごい!パワー十分で愉しませてくれた。



しかしこのあとも反応が続かない。やはり先行者の影響だろうか。少ししてようやく2度目の反応があった。20cmほどのニッコウイワナだった。こちらもよくひいてくれた。
ポイントこの後も反応が無く、疲労感がつのってきたので残念だが終了とした。14時なのでイブニングはまだ先だ。でもイブニングはきっと楽しいに違いない。次回は是非やってみたい。


帰りのMTBは今回も最高だった。風を顔で切るというのはこんなに気持ちがいいものだということを実感した。次にまた期待しよう。


←減水で水中の岩にコケが...
  そして魚は白泡の中。


7月24日  野呂川  外気温20度  晴れ 水温15度
野呂川連続した台風の余波は、出かけたいと思っているフィールドの状況を読み切れないかたちで自分の中に残っていた。でも良いほうに考える性格ではあるので、今回も友人のルアーマンF氏といつもの川へ向かう。平日とは言うものの、雨に閉じこめられストレスの溜まった釣り師は多いはず。というわけでいつもより早めに出かけた。途中の本流は釣り人を惑わせるには十分な水量と泥濁り。しかし上流に入るとその不安はなくなった。いつもの透明な流れと匂うような緑、そして抜けるような真夏の青空が待っていた。

←空が青い!中央左の大岩の手前にF氏がいる。(リュック背負って向こう向き)

入渓ポイントに近づく。先行車が見えた。パスしようとすると呼び止める声と見慣れた顔。釣り仲間だった。偶然の出会いである。我々はさらに上流を攻めることにしてその場を分かれる。しかしこれが今日の運命の分かれ道だったかもしれないことをあとで思い知ることになる。

我々二人の入渓ポイントには平日の6時前だというのにすでに4台の車が...。ここは判断のしどころではある。結局川沿いの道を下流へ歩き、下流へ入った先行者を確認しつつその下から時間をおいて入ることにした。途中であった先行者はエサ釣り師の二人組であった。入渓地点を確認し、さらに下流へ歩く。下がれない堰堤のポイントから釣り上がる。

水量はやや多めではあるが、渓相も素晴らしく期待してしまう。しかし反応がなかなかない。少ししてようやく本日の第一号。しかしかわいいチビイワナであった。その後も反応は少なくしばらくして何とか2尾目。サイズは少しアップし18cm程度。同行のF氏のルアーには全く反応がない。先行したエサ釣り師達が入渓した地点の少し手前で22cmと更にサイズアップしたイワナがヒットした。オレンジの腹とピンと張った尾が見事だった。そのすぐ後に20cmほどのやはりイワナをキャッチ。

イワナその後は先行者の後を追う形となったが、間も大分あいているということと、水量の多さ渓相の良さに何とかなるだろうと釣り上がるものの全くと言っていいほど反応がなく、その後の3〜4時間はさすがにつらい状況となってしまった。F氏はさすがにポツポツとヒットさせたものの、いつもの釣りにはほど遠い状況となってしまった。

←ヤマトの血が少し入っているようだ。でも尾が大きくパワフルなイワナだった。
遅めの昼食を済ませたあと、久しぶりに野呂川上流を覗いてみることにした。しかしこちらは想像以上の水量でほとんど釣りにならない。これほどの水量の野呂川は見たことがない。ダブル台風の威力はやはりすごかった。しかしこの水が引いた後が狙い目になりそうではある。結局あきらめてここで納竿。帰りの温泉で朝の二人にまたもや偶然に再会。こちらは二人で爆釣だったようだ。しかし翌日はポイントが逆転することも良くある。これも運だし、それをも愉しむようにしよう。

ps。日除け付きの帽子が役立った。夏の釣りは太陽とも戦わなければならない。でも水は本当に気持ちがいい。


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