2001年
8月
この時期、日中はまだ厳しい上、台風による増水の影響で早川、井川あたりは厳しいだろうと、比較的近場ではあるが久しぶりに富士川水系の佐野川にやってきた。春先は雑誌などの影響でかなりの入渓者があったようだが、増水、平日などの条件を考えるとそれほどでもないだろうと、ゆっくり目の入渓とした。8時頃だったと思うが支流に一人、本流に二人の先行者があった。かなり増水はしているものの、水は澄んでいるので素晴らしい渓相となっている。先行者はこれから入渓だったので、上流部に十分の距離を置いて入ることにした。 ←増水でなかなか良い渓相である。 甲府営林署のゲートがあるが、お盆前後だけ通行止めになるようだ。ここから入ることにした。渓相から判断するとかなり深い川のようで、行けるところまでいってみたい衝動にかられる。ただし、営林署関係の車が結構頻繁に通るので注意しよう。 友人のルアーマンと二人で期待しながら渓にたった。水温は16度と悪くない。増水はしているが濁りは全くない。ただし、台風時かなりの水が出た形跡があるので、釣果はやってみないとわからない。ポイントと思われるところが無数にある。二人で釣り上がるが反応が全くないし、魚影も確認できない。通常のこの辺りの魚影がわからないのでなんともいえないが、それにしても反応が無い。 1時間ほど釣り上がったところでようやくアタックがあった。岩陰からキャストしたパラシュートアントにかなり遠くからアタックしてきた。25cm前後のイワナのようだったが、ヒットせず。その後はそれでも小型のアマゴがフライをつつくようになってきた。活性が悪いようにはみえないので、魚影自体が少ないのかもしれない。 フライをクイルボディパラシュートに変えて一投目、着水と同時にパシッとヤマメらしいアタックがあり、ようやく本日の1尾目となった。サイズは15cm程と小ぶりではあったが、#2のショートロッドだったので引きは楽しめた。この後も落ち込みの肩で良型をバラす。今日のような反応だとバラシは特にくやしい。 上流の様子を見に行っていた友人が戻ってきた。ポイントは多いがルアーにはほとんど反応がないようだった。フライの方が少しは良いようだ。全く逆の時もよくある。状況的にはニンフを試すべきなんだろうけど、ドライにこだわってしまった。このあと写真のポイントで本日の2尾目がヒットした。今回もアマゴ。18cmほどで、先ほどより少し大きい。ただし魚体はネイティブかと思われるほどに綺麗で、パーマークも大きく何よりも胸鰭の大きさに感心してしまった。小型でもこんなアマゴにあうとうれしいものだ。 アマゴは写真のもっとも左の流れと真ん中の流れとが合流するあたりでヒットしたが、一番右の流れが強いのと真ん中の流れにリーダーをとられやすくキャストはやや難しかった。最終的には左のガレ場の水面寄りにリーダーを乗せてドラッグを回避したらパシャンと出てくれた。今回使ったロッドはラインコントロールがとてもしやすいのでますます気に入ってしまった。 この後も大きめのポイントで良型がフライについてくるがUターンされるということがあった。フライを替えるたびに1度は見に来るのだが、戻ってしまう。スレていたのかもしれない。しかし、正味5時間ほどで、二人で2尾は厳しい。でも良い川なので来シーズンに期待したいと思う。小さいのは結構いるので春になれば回復するでしょう。ここはリリースすれば増えそうな川である。 ←胸鰭が見事な美形アマゴ |
前回期待はずれに終わってしまった野呂川下流部だが、渓相の良さと魚影の濃さに再チャレンジしたくなった。また早川本流のイブニングも捨てがたく、午前中を野呂川で、イブニングを早川でというコースで出かけることにした。 南アルプス街道を快調に走る。いつもなら釣り人の姿が見え始める西山温泉下あたりから目的地まで釣り人の姿はない。どうやら先行者はなさそうだ、と思ったのが間違いだった。入渓点でフライマンが上流側から歩いてきた。声を掛けるとすでに3時間ほどやってきたとのこと。また下流部にはエサの人が3人ほど入っているらしい。さすがに人気がある。どうしたものかと考えたが時間が経っているのでとりあえず上流へ向かうことにした。 ←野呂川下流部入渓点付近から上流を望む。ゴツゴツした岩は野呂川の代名詞とでも言おうか。 釣り始めて間もなく20cmほどのイワナがパラシュートアントに飛び出してきた。どうやら行けそうな感触に顔がほころぶ。水温は16度、風が少しあり思ったほど暑くない。期待しよう。しかし、ここからが思惑違いとなってしまった。さっきのイワナは竿抜けポイントだったようで、その後はほぼ全くと言って良いほど反応がない。3時間ほど釣り上がったが小さい反応が2度ほどあったのみで全くの完敗。これだけ見事に無視されたのも久しぶりである。 車に戻り軽い昼食をとる。午後は早川本流でのイブニングなので上流の出渓点に車をおいて下流に歩いて下ることにした。南アルプス街道は無燈のトンネルが多数あり、電気なしで抜けるのは危険かつ気味が悪いので今回は大きめのライトを持参した。前回はミニマグライトだったので不安だったがさすがに今回はOKだ。 トンネルをいくつかパスし、降りられそうなポイントをさがすが、このあたりは落差が大きく、迂闊には降りることはできない。一カ所尾根伝いに踏み後があったのでそこから入ることにした。しかし途中から道がわからなくなり、無理して斜面を降りていったがロッド片手は厳しいのとかなり危険になってきたのでやむなく引き返すことになってしまった。無理はよそう。戻ってから入り口に花が生けてあることに気づいた。(^^; 別の降り口を探したがよくわからなかったので、車に戻ることにした。川通しで下がり時間がきたら釣り上がることにした。しかしここの巨岩は見事である。野呂川中流部より険しいかもしれない。でも大岩が作り出す連瀑帯が魚達を守り育んでいるのだろう。C&Rを是非お願いしたいところです。 さてそろそろの頃合いとみて釣り始めたものの、ライズがあるわけではない。暗くなる前に車にたどりつく必要があるのでとにかく進むことにした。前回反応が良かったポイントでじっくりと攻めてみたが今回は反応がない。肩や開きに魚影が感じられない。大岩の陰から落ち込みの脇を狙う。水深があるのでキャスト、ピックを繰り返し誘う。すると数回目にガボッと出た。一気に底へ潜り込む。7Xだったので岩に擦れないようロッドを寝かせながら魚を中央へと引き出した。尾鰭の見事な26cmのイワナだった。しかしこのあと2時間ほどでアマゴ含み3尾と期待通りと言うわけにはいかなかったが、それでもなかなか楽しいフィールドであることに間違いはない。懲りずに又くることになるだろう。 巨岩帯で落ち込みの脇から引き出した26cn。尾鰭が見事!→ |