2001年



7月

7月22日   早川本流  水温18度(日中)  晴れ 
友人のフライマンと久々に早川へ出かけた。本流は今期なんとはじめてである。連休最後の日曜日ということで、人出は多少少ないことを期待して52号から南アルプス街道に入った。下流部は相変わらずの水量だが西山温泉下あたりはいつもより若干水量がある。しかし何の濁りかわからないがかなり濁りが強く、そのせいか釣り人もみえない。支流の湯川はいつも濁り気味なのでそのせいかと思ったがもう少し上からのようだ。湯川は温泉脇からだと釣り上がり区間があまりないようだが、先行者が入っているようだった。

われわれは奈良田の上に入ることにした。ただしこちらは入渓ポイントが限られるので先行者があると厳しい。トンネルを抜けたところの最初の入渓口にはやはり先行者の車があったのでここをパスして次のポイントへ。しばらく走ると次の入渓点が見えてきた。車はない。すぐに支度をし、斜面をすべりおりるようにくだる。本流に降り立つと目の前のプールで魚影が走る。期待してしまったのが間違いと気づくのにはたいして時間はかからなかった。はじめの2時間ほどは全く反応もない。しばらくしてようやく反応が出始めたものの、全早川イワナくフッキングしない。ゆるめの流れではじっくりとフライを見られてしまう。かなりスレているようだ。

狙うポイントを意図的に落ち込みの脇の小さな流れ込みや、本筋でない脇の小さな流れなどにかえてみたらようやくヒット!型もまずまずの25cm。やはり連休で責め立てられているようで思わぬポイントに良型が隠れていた。その後もしばらくは反応があるもののいらいらするほどにフッキングせず、ティペットをおとしてみたりフライサイズを変えてみたりといろいろ試すものの、結果は変わらず。

巨岩エリアに入る頃にはいつしかイブニングタイムに近くなってしまった。しかしこの頃から状況が変わってきた。友人も脇の流れをおとさないように攻めていたが、バラシが混じるようになり徐々に状況は良くなってきているのがわかった。大きめのプールで2尾続けてヒット。友人もヒットが続き始めた。良型も混じり楽しいイブニングタイムが始まった。喰早川イワナいは完全には戻らないものの、それまでとは比べものにならないほど魚達が岩の下や白泡の中から飛び出してくる。しかし暗くなる前に道に上がれるポイントまで進む必要もあったので後ろ髪を引かれつつも早足で釣り上がることになってしまった。

結果的には楽しいイブニングタイムを少しだけでもやることができたので、厳しい条件を考えたら上出来と思うことにした。イブニングをじっくりやってみたいものだ。夏休みには実現できるかな。しかし本流のイワナはよく太っている。


7月18日  釜無川水系某支流  水温13度  晴れのち曇りのち豪雨 
このところ、釣りに関してはついているので、平日休みの今日はじっくり愉しもうと思っていた。どこに入ろうか迷っていたが、友人からの情報もあり、昨年1度入った渓で、結果は出なかったものの、印象の良かった山梨の釜無川水系のとある支流の上流に出かけることにした。天気予報では午前中は晴れ、午後はところにより雷雨ということだったが、8時に着いた現地の空は白い雲が少し混じるものの、青空が大半を占めていた。上流域ということで気温は20度と下界では考えられない気温である。風が格別に心地よい。

上流部の方が魚影があるとの情報ではあったが、今日はここで終わろうと思っていたので、車を止めた地点から入渓した。白い岩と砂、透き通った水の流れは、釣る前から気分を良くさせてくれた。水温は13度、木漏れ日が創る光の帯が別世界に誘ってくれているようだ。

山梨イワナの渓そんな景色とはうらはらにブッシュの覆い被さるこの渓はフライマン泣かせである。タワーキャストと膝を突いてのサイドキャストを駆使しながらの釣り上がりとなったが、はじめの2時間ほどは全く反応がない。ときおり稚魚らしき魚影が水中を横切るがフライは何事もなく流れるばかり。さらに30分ほどいったところで初めてのアタックがあった。落ち込みの肩でドラッグがかかる寸前に喰ってきた。22cmほどのイワナであった。朱点あざやかなヤマトとニッコウイワナのハイブリットだった。

しかし、この時点まで反応がほとんどなく、しかもブッシュに覆われキャストにはかなりテクニックがいるとなると普通のフライマンならあきらめるところだ。林道に出られることもあり、この辺で上がる人が多いと思われる。自分たちも昨年はこのあたりであきらめた記憶がある。ところが(だからかな)ここからがこの渓の本来の姿なのだろう。ポイントと思われるところから必ずと言っていいほどイワナが顔を出し始めた。
ただしポイントは小さい。写真の岩の上の小さな肩の部分など、確実に攻める必要がある。

緑は美しいが、写真の岩を上がると木の枝が頭にあたる。キャスティングはなかなかつらいものがある。
それでも反応が出始めたので気分は上々。時折ブッシュにフライをつままれるものの気温のせいか蜘蛛の巣がないのでストレスにはならない。水深のないポイントでは若干サイズが落ちるものの魚影は濃い。

イワナ達は少ない流化物を待っているのか、透き通った水を通してその魚体が確認できる。ライズはしていないがあきらかに流れてくるエサを待っているようだったので、背後からサイドキャストでイワナの上流へビートルパターンを送り込む。イワナの影がすかさず食らいついた。ヒット!寄せてみるとオレンジの腹が見事な美形のイワナであった。23cmほどで、朱点あざやかで背中の模様から、これもヤマトとのハイブリットと思われる。岩の色のせいかこの川のイワナは白っぽい。ヒレも大きくオレンジに染まった尾鰭がとても綺麗だ。
山梨のイワナ2
同じポイントで再度流すと、再びアタックがあったが乗ってこない。しかしイワナはポイントで流下物を待っている。フライをアントに変え再びキャスト。フライに近づいたものの見切られてしまった。こうなると始末が悪い。なんとしても釣りたいという気持ちがわいてきて、足が完全に止まってしまった。ティペットを7Xにし、CDCのソラックスダンを結ぶ。バックに気をつけながらキャスト。今度は迷わずくわえてくれた。思ったより大きく7Xなので岩にかからないよう注意しながらのランディング。

24cmの色白の見事なイワナであったが、よく見ると、今までの魚体とは異なりニッコウイワナの白点がほとんどなく、背中の模様からもどうやらヤマトイワナと思われた。ただし100%ではないかもしれない。でもとてもうれしい。体側のオレンジの斑点もあざやかで、魚体の後半では側線の上にもみられるのでその点でもヤマトに近い。

山梨のイワナ3この後もポイントから次々とイワナが顔を出す。ほとんどが22〜24cmと大物はでないもののまずまずのサイズで、この中にもヤマトと思われるものが混じっていた。心地よかったせいと、魚の反応のおかげで、5時間ちかく水を口にすることもなくまた昼食も忘れ、ひたすら釣り上がっていた。8尾をキャッチしバラシ3,4尾、二桁はいけるぞと思っていたらにわかに空の色が変わり、雷の音とともに大きな雨粒が落ちてきた。雷雨の予想があったので今回はバンブーロッドにしていたがやはり雷は気持ちが悪い。雨は益々強くなり止みそうな気配がなくなってきた。途中崖崩れも数カ所みかけたので、惜しい気もしたがここで終了とした。

バラのやぶをかきわけ何とか林道に出た。林道が川になりつつある。雨はさらに強くなってきた。小走りで車を目指す。こんな時、体力のなさがうらめしい。何とか車にたどり着きそのまま飛び乗る。車中で着替えをして山を下り始めた。下流部で雨の中これから始めようとする5人ほどのグループがいたがこの雨と雷はつらい。健闘を祈りつつ帰途についた。山を降りると雨は止んでいた。コンビニのドリンクがひときわうまかった。次回はつづきをやってみよう。


ヤマトイワナとおぼしき綺麗な魚体、24cm。      左のイワナの胃内容物、これだけだった。7mmほど。ビートルは正解。
ヤマトイワナ?ストマック






7月11日   大井川支流  水温未計測  晴れ 
早川へ出かけたいと思っていたが、朝方所用ができてしまい、近場に変更せざるを得なくなってしまった。天気予報では曇りで幾分下降気味ということであったので少しは日中でも大丈夫だろうと昼前に出かけた。大井川の本流狙いで出かけたものの予報に反して青空と太陽が頑張っている。広い河原は魚にも人にもつらい。急遽予定を変更して以前良かった支流へ入ることにした。先行者もなさそうなので前回と同じところから入渓した。

9寸アマゴ前回もそうだったがここは下流部に魚が意外といる駐車スペースの関係かもしれないがこの渓の一般的な入渓点がもう少し上らしい。竿抜けしているようだ。というのも、今回も入ってまもなくのポイントでいきなりのヒット。しかも尺にあとわずかという28cm9寸のアマゴ。丸々太っていたのでなかなかのパワーをみせてくれた。フライはフォームアント。今回はもうテレストリアルと決めてかかったがアタリだった。フックサイズは#14、フォームでうまくできると浮力もあってなかなか具合がいい。

水量はさすがに雨不足で減水気味の上、こけが大分増えていて川底が茶色になっている。これ以上減ると釣りは厳しい。というわけで、水深のあるポイントを丹念にせめてゆく。前回よりはやはり反応が少ない。それでもここにはいるだろうと思うようなポイントではそこそこ反応があった。食い込みはやはりもう一つだが、それでも綺麗なイワナが顔を見せてくれた。前回よりサイズがアップしている。

イワナ上流にゆくに従って反応が少なくなってきた。新しい足跡がみかけられる。どうやら途中から上には朝方人が入っていたようだ。どうりで反応が鈍い。それでも足跡の位置から判断するとエサ釣り師らしいので、とばしそうなポイントをしっかり拾うようにしたら再びヒットしはじめた。イワナばかりではあるが20cm〜22cmくらいあるので十分楽しい。結局キャッチはその後4尾だったがバラシも3〜4回あった(へたくそ)ので日中の釣りとしては上等だろう。今回の注意点としては、魚はほとんど白泡の中から飛び出してきたので、開きには出ていない。一旦白泡の中に潜っても再び浮き上がってくるような浮力のあるフライに効果があった。大きめのフォームビートルでも反応は変わらなかった。





7月04日   大田切川C&R区間  水温14度  晴れ 
最近、積極的に設置が進むC&R区間のある川の中でも、魚影の濃さ、アクセスの容易さで道志川と並び人気の高い、長野県天竜川水系の大田切川C&R区間へ初めて釣行した。私の住む町からは南アルプスを挟み反対側にあたるので、ルート選択に迷ったが、距離よりも時間をとり甲府側から中央高速で諏訪を経るコースをとった。早朝の時間帯で3時間30分250kmと日帰りコースの限界ではあったがそれほど苦には感じなかったので通えそうである。

駒ヶ根インターを降りるとすぐに川が目に入ってくる。信じられないアクセスの良さだ。釣り券の旗もすぐに目に入ってきた。地域ぐるみでC&Rに前向きに対応しようとしているのがよくわかる。店の人に駐車スペースを確認したがあちこち可能なようなので適当に車を走らせてみたら、川辺に出たのですんなり入渓となった。しかしここでうっかりドリンクを買い忘れたのがあとで効いてくる。

大田切川初めての大田切は思っていたよりもかなり川幅もある良い川であった。水温もこの時期にあって14度と適温で魚の活性の高さも頷ける。しかし水量がすごい。渇水気味の川ばかり見ている私には勝手の違う川である。それにしても多いがいつもとの比較ができないので何ともいえないが、遡行は苦労しそうだ。メインの流れは濁りこそないが写真のように白泡と囂々という音とともに川のパワーをアピールしている。

岩によってできた小さな流れのポイントにフライを落とす。気温も高く晴れているのでテレストリアルを選択したが早速反応があった。ちびイワナだろうか12番のフォームビートルにはフッキングせず。本流の流れの脇に落とすと20cm程のイワナが食いついてきた。ルアーマンのF氏も同サイズをヒットさせたようだ。

よく見ると前方に先行者の影がみえる。今日は遡行コースが限られているので厳しいと見て少し間隔をおいて上流に入ったが、水量が多く少し上がったところで遡行不能となってしまった。小さなポイントも拾ってはフライを落とす。先ほどと同じくらいのイワナがヒットした。今回はオレンジ色の斑点が多く模様も不明瞭でヤマトイワナ風であった。
太田切イワナ
F氏に尺イワナがヒットした。しゃくれ顎のオスで少し離れていたが体高があるのがよくわかった。こちらにもと期待だけはするものの反応が減ってきた。堰堤まできたところで上流に先行者がみえたので時間をあけようとランチタイムにした。川からあがりしばらく歩くと通りにすぐに出る。こんなに近くに集積があるのが信じられない。川は増水しているがこちらはひどい渇水状態なので、とにかく食事のできるところをさがしたが、地ビールの看板が出ているレストランしかない。ビールはのみたいがウェーダーにベスト、しかも手にはロッド」を持っている。こんな格好でレストランに入れるのかなとおそるおそるドアを開け店員にそっときいてみたら、にっこりOKの返事。丁度テラスの席が空いていたのでそこにすわりまずは地ビールをオーダー。渇水状態だったのと半額キャンペーン中だったのでピッチャーで頼んでしまった。そしてこのビールがこれまたうまい。

しっかり地ビールで水分を補給したので午後は頑張るぞ、と思ったのが大間違い。暑さは尋常ではなく、さらに水もなしで再び始めてしまったので途中でビールの酔いと暑さで参ってしまった。私は自販機を求めて20分、F氏は大田切のミネラルウォーターを耐えられずにいただいてしまったらしい。
いずれにしても午後は堰堤から上は人が絶えず、下流部に移動したがこちらも人影を見ながらの釣りで今ひとつであった。
でも少し水が落ち着けばかなり愉しませてくれそうであった。またきたいと思う。次回は地ビールに温泉付きで。


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