三段目の石段 ______ |
あの神社の石段、こわれそうだね。 ほら、上から3段目がななめってる。 重たい人は通れないね。 何キロぐらい、かなぁ? いや、体の重さじゃなくてさ。 じゃなに? いろんなものが、肩に乗っかっているから。 夢とか希望とか、ねたみとか、うらやみとか。 それでも、100と8つ、ぐらいなら、許してもらえるかも。 じゃぁ、みんな許してもらえる? 人をおとしいれたり、苦しめたりしなければね。 私 むり。 |
追憶への謝罪 |
いまさら、謝ってもらっても 昔に戻ることなど、できないから 許すことなど、できないけど 進む事しか、できないなら 今までやらなかったことを 一緒に、やっていくしかない 生活が苦しくて 出来なかったことも、たくさんあるし そのことで、ケンカしたこともあるでしょ | |||
| ||||||
迷子の掃除機 |
ある日、迷子の自動掃除機が見つかった 雨に打たれて、さまよい回った彼に 悲しい過去があるなんて・・・ 誰も思わないだろうし 事件の臭いすら感じない それは、留守中に起きた 「犬 フン ペイント事件」 だった 彼に、事情聴取してみましょう 「僕は悪くないと思います」 (粗相をした犬のことを言っているらしい) 「でも、君がやったんでしょ」 「はい、そうです」 |
伝言 望みのさきの希望 |
地球の最期が見れるかも知れないね 無責任でごめん 命を作ることが、できないから つなぐことでしか、存続できないから 命をつないでは、いるけれど 何の約束も、できない 善悪のない望みのさきの希望 遺伝子は滅びる事を恐れ、秩序と言う縛りを記憶させた。 記録をむさぼり、知識として、人の名を知り、友として。 知ることを喜びと感じさせ、生きる事で満たされると。 周囲に気を配ることも、振り返ることもなく。 全力で進み、多くを傷つけた事にも気づかず。 | |||
| ||||||
いる場所 |
そこに居れば、その場所を選んだことになる 何もいわなければ、認めたことになる 安住の地がほしくば、根城を作るしかない 認めずば、戦うしか道はない そばにいれば、選んだことになる 無責に、自然に、居心地がよければ それは、相手が望んだこと それとも、自分が望んだこと 重荷にらないこと、負担をかけないこと 望まないこと、たよらないこと 自分でやること、それが最良の方法 相手を幸せにすることと、信じて されど、誰にも愛されず 誰も幸せにできず 無邪気にあまえて、わがままを言って 意地悪いって、いたずらをして 人に頼んで、人をたよって 必要とすることで、幸せで それでも、皆に愛されて そこに、いることを望まれて |
こわす事でしか守れない |
殺す(奪う)事でしか生きられないことを、宿命されしもの。 種の存続のために、遺伝子が武器をまとわせる。 知恵という異質の武器を身に付けし者は その理由付けなしでは、正常な精神を保てない。 やがて、直接手を下すだけが、生きる方法でもないことを知る。 巧妙な企み、良心という束縛で、自らをも 死に至らしめさせる、技を身につけている。 飢えと、苦痛、そして絶望の中で、罪を犯す事への恐れだけが 今の世を支えている。 罪を恐れし者どもに、安らぎはあるのか。 自ら死え、追い込ませることで、勝利し者どもの 欲望の果てに、安らぎはあるのか。 もし、その者どもが、罪を犯したとして、罪人として裁けても 悪人として裁けるか。 英知の果ての、コンピューターという機械に その者どもを裁けるのか。 裁くものの心に、悪と同じだけの神はあるのか。 | |||
| ||||||
ゆれる影 |
やまない震えに、黒い波 強火をのがれ、気がつけば 家族も、親しき友もなく ふり向けば、わが家も、町もない ふり向かないで、生きる意味さえ、うばわれる 友よ、大地よ安らかに おこさないで、苦しむだけなら め覚めれば、見知らぬ人と町 ふり向けば、生きる力が、うばわれる ふり向かないで、見えない光が、闇をさく やまない震えに、白い空 寒さをのがれ、うずもれば 心も、この身の置き場もない ふり向けば、白いベールが、ない町に ふり向かないで、心も体も、こおりつく |
最後かもしれない |
満開の桜はめでる者もなく 花びらがそよぐ風に運ばれていく 時はゆっくりと静かに流れて 退屈な日々とも違う 穏やかな時間の中で とじこめられていく心と体に 思考は戸惑いゆらめく魂の 生きるためのかっとうを待つ | |||
|