これまでの学生たちの卒論

英語の題目、学務係に届け出ている日本語題目、(簡単な説明)の順に並んでいます。

2001年3月卒業

A Study of The Homesick Garden 母・娘・愛 研究 (Kate Cruise O’Brienというアイルランドの作家の小説The Homesick Garden について、この作品のテーマは主人公である娘とその母の間の関係であって、娘が成長に伴って母の人格を認めることができるようになっていくと解釈した論文)

A Study of Pride and Prejudice 『高慢と偏見』研究 (お馴染みJane Austenの代表作を手堅く研究。)

A Study of Frankenstein 『フランケンシュタイン』の研究 (Mary Shelleyの作品について、作品中の人間の野心と破滅と、作者自身の野心とそれへの警戒心を並行させて考察した論文)

A Study of Wuthering Heights 『嵐が丘』の研究 (Emily Bronte)



2002年3月卒業

Marriages in Sense and Sensibility 『分別と多感』における結婚 (Jane Austenの『分別と多感』に登場する9組のカップルの婚姻関係あるいは結婚話について考え、結婚は登場人物の価値観をもっともよく表すものとしてとらえることができると分析。)

The World of Masks in Amelia 『アミーリア』における仮面の世界 (18世紀に流行した仮面舞踏会の衣装に注目しながら、Henry Fieldingの『アミーリア』において仮面舞踏会で作り出される世界が果たしている役割を考察。衣装の世界と文学の世界をとても巧みに考察。)

Football Hooligan フットボールフーリガン (歴史的背景をふまえて現在のイギリスのフーリガンをとらえ、日本にやって来るかもしれなかったフーリガン対策についても考えた。参考文献探しがかなり難しく、ネット上のサイトを多用したが、単に情報を集めただけでなく方針とまとまり・考察のある論文になった。)

A Study of The Queen and I 『女王様と私』の研究 (イギリスが突如王制を廃止した、エリザベス女王やチャールズ皇太子ダイアナ妃をはじめとして王室の人々はどんな行動にでるかと想定して書かれたSue Townsendの小説の面白みについて))



2003年3月卒業

A Crime too Perfect 完全すぎた犯罪 (Agatha Christieの『そして誰もいなくなった』を題材に完全犯罪を完全犯罪のままにすることができず告白する犯罪者の心理を分析。)

Riddles and Secrecy in Emma 『エマ』における謎解き (Jane Austen)

Our Heroine Bridget Jones 私達のヒロイン ブリジット・ジョーンズ (Helen Fieldingの『ブリジット・ジョーンズの日記』を題材に、現代のイギリス人女性の生き方、彼女はなぜこんなにも人気を集めたのか、について考察。)



2004年3月卒業 

An Ideal in Pygmalion 『ピグマリオン』における理想 (G.B.Shawの『ピグマリオン』。『マイフェアレディ』のもとになった作品であるが、エライザとヒギンズの関係は、最後で『マイフェアレディ』とは決定的に違っていて、別のことを考えさせ、別の楽しみ方をすることができるものである。)


Change-Ringing and Human Beings めぐる因果と鳴鐘術 (アガサ・クリスティと同時代に活躍したドロシー・セイヤーズのThe Nine Tailorsをとりあげ、村の教会の鐘がもっているように思われる不思議な力と人間の関係、Sayersが目指した推理小説について)

The Attractions of My Fair Lady マイフェアレディの魅力

Love Letters,Judy,and Her Dearest ジュディの最愛の人--重なる二つの影 (『あしながおじさん』は、全体がジュディのラブ・レターだった!それに、Judyは最後の最後でジャービー坊ちゃまがあしながおじさんであると気づいたのではない。どの時点で既にわかっているのかを特定し、児童文学であるかのように扱われるこの作品が実はもっている力を指摘。)

Poirot: A Whimsical Detective? ポアロの決断 (アガサ・クリスティ『オリエント急行殺人事件』 ポアロは日頃の方針を曲げてなぜ真犯人をかばう行動をとったのか。1930年代のLindbergの子ども誘拐事件(アメリカ)をめぐるイギリスでの報道を参照しながら。)

2005年3月卒業

Getting Caught in the Artist's Realm 画家と少女が出会う場所(Tracy Chevalier, 『真珠の耳飾りの少女』フェルメールを題材にしたフィクションについて、その主題が、GrietとVermeerの間の恋愛というよりも、よりGriet自身の変化と成長にあると考えた。絵画と日常生活、沈黙と巡る想い、カトリックとプロテスタント、父母兄妹との別れ、芸術的才能の共有と隔絶・・・)

‘Not One of Us': Ben and Violence in Doris Lessing 私たちとは異質なもの (Doris Lessingの The Fifth Child 1988, その続編のBen, in the World, 2000について、異様なほどに暴力的な主人公Benと家族や周囲に人々との間の憎愛、同情、裏切りを考察。)



2005年3月修了(修士課程)--参考

Robert Burns

2006年3月卒業

English Education at School 日本の英語教育 (日本の中学校・高校での英語教育のあり方を方法論別に考察。)

The Eternal Attraction in Pride and Prejudice and Bridget Jones's Diary 『高慢と偏見』と『ブリジット・ジョーンズの日記』の魅力(おなじみJane AustenとHelen Fieldingの作品それぞれの魅力を丁寧に考察。)

2006年3月修了(修士課程)--参考

J. Webster

2007年3月卒業

Oliver Twist, `Sturdy Spirit' and the Happy Ending
(ディケンズの『オリヴァー・ツイスト』について、主人公オリヴァーが最終的には幸福をつかむことができる設定になっているのは何が意図されているからであるのかを考察。中間発表会(2006年7月)、学生発表会(2006年12月)でのプレゼンテーションも力が入っていたし、面白かった。)

Women and Politics: Georgiana, Duchess of Devonshire
(18世紀末に政治の世界と密接な関係をもち、そしてまたファッション・リーダーとしても有名なデヴォンシャ公爵夫人に関する考察。)

2008年3月卒業

`Britannia's Great Party': Punch and the Great Exhibition of 1851 (1851年のロンドン万博と、雑誌『パンチ』に注目して、万国博覧会というものを開催することの意味と、メディアの役割について)

Nineteenth-Century Britain and Vanity Fair (Thackerayの小説『虚栄の市』が題材。非常に特徴をもったナレーターを使って描き出されている世界が、一見とらえどころもまとまりもないように思えるものの、人間社会を「虚栄の市」としてとらえる視点に立ってみると、登場人物の作り方、時代設定、細部の描写、ナレーターの役割、すべてがその視点を見事に支えて物語を成立させているということが見えてくる。)


Another World of Harry Potter (他のファンタジー作品とハリー・ポッターの世界は何を共有しているのか、あるいは何が違うのか)



2009年3月卒業

Sense and Passion: Women and Marriage in Pride and Prejudice
『高慢と偏見』に表れる女性観・結婚観 (オースティンを考察の中心に据えて、主に『高慢と偏見』を扱うが、ウルストンクラフトとの類似点及び相違点を丁寧に論じた。)

Through the Well to the Wonderland: Alice in Wonderland in Meiji Japan
明治時代の「アリス」 (明治時代の翻訳は、今の翻訳に比べて、制約が多いようでいて自由で巧みで工夫に富んでいた。、うさぎ穴は井戸になり、アリスは愛ちゃんに。さて、チェシャ・キャットは・・・。翻訳というものの難しさと面白さという着眼点がとても良かった。)

A Study of The Importance of Being Earnest: A Trivial Comedy for Serious Wilde?
『The Importance of Being Earnest』に見るOscar Wildeの理想と現実 (執筆していたころのワイルドの伝記的事実を詳細に追い、芝居の展開を通じてワイルドが求めていたものを探った。)

Harry Potter and the Trick of Gender
ハリー・ポッターとジェンダーの仕掛け (ローリングは、ジェンダーの問題について、非常に注意深く登場人物や出来事を設定し、あからさまに規範への反抗をするわけではないが、読者が既存の状況の不平等や不公正に気づき、再考するのを助けるような配慮を用意している。)

Amusement and Instruction in Charlie and the Chocolate Factory
チャーリーとチョコレート工場からの伝言 

2010年3月卒業

Jonathan Swift: A Struggling Dean
『闘う聖堂参事会長ジョナサン・スウィフト』

Peter Pan’s Magic: The Importance of Childhood for J.M. Barrie

2011年3月卒業

A Study of Draco Malfoy ~A boy Harry “hated more than Dudley”

2011年9月卒業
The Progress of Bonsai in Japan and Britain
日本とイギリスにおける盆栽Bonsai

2012年3月卒業
Paddington Goes beyond the Border
越境する児童文学―「くまのパディントン」の可能性

Tolkien’s Hope: Bilbo in The Hobbit
「ホビットの冒険」におけるトールキンのビルボへの思い

The Significance of Tom’s Strolling
トムの散策の意義

Down the Rabbit-Hole: an Invitation to Alice’s Perspective
ウサギ穴への招待

Haunted woods in A Midsummer Night’s Dream the Concord of the Discord
『夏の夜の夢』における混乱と和解

Chatsworth: A Stately Home Opening to the World
世界を魅了するチャッツワース

Winnie-the-Pooh for grown-ups
大人のためのくまのプーさん