我が家の失敗
思い起こせば5年前のこと。のぶさんは実は私と付き合う少し前に自宅の隣の土地を購入していた為(事情は色々あるがここでは触れない)、結婚後いずれはその場所に家を建てるつもりでいたのだが、ふとみた市の広報誌に「市街化調整区域には今後建物が建てられなくなることになります」という記事が載っているのを発見したのが始まり。そう、のぶさんの購入した地域は市街化調整区域にあてはまる。市街化調整区域というのは市で決められるものでそこに指定されると新しい家は建てられなくなるのだが、以前はそれほど管理は厳しくなく、申請すればすぐに建てられるのであまり問題にもされていなかったのです。が、それがなぜかその年の五月から厳しくなるのだという、そういう記事だったのです。
当時はまだ新婚一年目で「いずれは…」とすぐに建てるつもりはなかったのですが、この記事をみて急遽慌てて建築計画を開始。なんの知識もなく大手メーカー(Fハウス)と契約してしまったのでした。
Fハウスにした理由は簡単。ここの営業の方が一番親切&フットワークが軽かったから。計画を進めていく途中で、実は申請さえしておけば最大五年間家を建てる期限が延長できる事などが分かってきたのだけど、もうこの頃には断れない雰囲気になってしまっていた…。なんせその期限延長の抜け穴を調べてくれたのもその営業さんなら実際に司法書士事務所に頼んで申請をしてくれたのもその人だからです。
期限が延長できるならしばらくは建てるつもりのない私達だったが、この営業さんの熱意に負け、「今すぐ建てなくてもかまいませんので」という営業さんの言葉に半分納得して契約してしまったのです。
それから4年後
あれから4年間もそのままになっていた我が家の建築計画。申請期限まであと一年というところになりようやく家を建て始めようと動き出す。が、当然のごとく4年間で色々な事が変わってきた。
まずは営業の担当者に対する不信感。契約時は「これから実際に建築を始めるまでまだまだ時間があるのですから一緒に勉強していきましょう」と話していた割にはその後全く姿をみせず。年賀状こそよこしたが、それこそ年賀状だけという年もあった。
そしてもう一つは私達の家に対する考えが変わってきたことだ。以前契約した時はハッキリ言ってほとんど知識がなかった私達。でもこの4年間で身についた知識は大きい。どんなメーカーがあるのかすら知らなかった以前に比べ、大手メーカーからローコスト住宅、一般工務店のメリットデメリットなどをネットで調べ、そして本当に契約してしまったこのメーカーでいいのか実は悩み始めていたのです。
加えてもう一つ、Fハウスに対する不信感が募る事件が発生。建て始めようと考え始めた矢先に営業の担当が転勤になるという連絡がきたこと。まぁ転勤は仕方ないと思うけれど、事件はその後。次の担当になった方は前の担当の方と一緒に挨拶に来た後全く連絡をよこさない。それでこちらから連絡をしてみた所「(電話で)あ!実は担当が代わったんです」とアッサリ言ったのだ!なぁにぃ〜、担当が代わったならそっちから連絡してくるのが当たり前じゃないのか、そして新しい担当と挨拶にくるべきだろうが…。
こうしてFハウスと私達の間には大きな大きな溝ができてしまったのでした…。
そして事件は起こった
どうにもならないところまで溝は深まった私達。「お互いこのまま別れましょう。」と私達の意志は固まり、のぶさんが現担当の営業に連絡をとり解約の旨を告げる。
当然相手は「頼むからもう一度話しをさせて下さい」と押してくる。話は最終決戦へ向かう。
最終決戦場(大げさ(笑))となるFハウスの事務所へいくことが決まる。が、3歳の子供をそんな修羅場へ連れて行くことはできないのでのぶさんが一人敵陣に乗り込む事になった。相手が指定してきた時刻は夕方六時。私達は既に契約金105万を支払っている。できればそれは少しだけでも取り戻したい。それが無理なら105万全て戻ってこなくても解約しよう、と決めていた。のぶさんは一人で大丈夫だろうか…。

私の不安は的中し、夜九時をすぎてものぶさんは帰宅せず。やっと「終わった…」と連絡が入ったのは夜10時近かった。
帰宅後すぐに話を聞く。結果的には解約は出来なかったとの事。そしてかなり言い争ったと言う事…。相手は営業担当の他に支店長もでてきたらしい。
この支店長がなかなか曲者で、謝ってきたかと思えば強気にでたりしたそうだ。何を言われても「解約したい」と言い通す旦那に対して「じゃあどうすればいいんですか!」と開き直る始末。どうにも解約はさせないぞ、といったところらしい。そんな話が延々4時間以上続いたそうだ。そんな話を聞き、のぶさん本当にお疲れ様、さぞかし嫌な思いをしたのだろう…と顔をのぞくと、意外な事になんだかすっきりした顔をしている様子。「何で」と問う私に対し、「いやぁ、今回はかなり言いたい事言ったし、相手も最後の方には本音がでてきたからねぇ。なんだかすっきりしたんだよ」との一言。まさか、「ケンカして仲良くなる」というアレですか??

とりあえず来週また話し合いをするということになったらしい。支店長さんからも名刺を頂き「のぶさんの熱い思いは充分伝わってきました。是非一緒にお家を建てましょう!」と言われたそうな。オイオイ、相手の罠にはまってないかい…。
三人目の営業担当 ○崎さん
二人目の営業担当の転勤に伴い三人目の担当となった○崎さん(私は一回も二人目の担当と会うことはなかった)。彼の最初の印象は「中の下」でした←ごめんなさい。まぁ私達も最初から「三人目かよ…」な感じで歓迎ムードとは程遠いものだったから余計悪かったのかもしれない。彼は、いわゆる「営業にピッタリな営業マン」という感じでした。雰囲気もよく、話もよく聞いてくれ、場を盛り下げず、いつも笑顔な営業マン…こう書くと「いい人じゃないの」と言われそうだがとにかく受け入れる側の私達が必要以上に厳しい目でみていたので、「なんだかヘラヘラしているな」という印象を持ちました。特に旦那は「あんな営業は嫌だ」とますます解約への道を進むことになり…。
でも、そんな私達の気持ちにブレーキをかけてくれたのはこの○崎さんだったのです。
↑で解約の話し合いをしたと書きましたが、その時妙にスッキリしたらしい旦那。このスッキリの裏にはどうやら○崎さんの存在があった様子。旦那曰く「今まで何度か打ち合わせをした中で○崎さんは何を考えているのか全く判らなかったけど、今回の話し合いでようやく○崎さんの本音がみえてきた。彼は思っていたより悪い奴じゃないみたいだよ」なんて言葉がとびたしてきたんです。そしてその印象は次の打ち合わせでも証明されたらしく、○崎さんの評価はますます上がっていったのでした。
そしてメーカー決定へ
度重なる打ち合わせの結果、Fハウスでそのまま契約継続する事になりました。ここではトラブルを中心に書いてきましたが、次はそれ以外で何故Fハウスにしたのかを書いていきたいと思います。